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君はからっぽ

話すと疲れる人が職場にいる。

悪い人ではない。
むしろいい人で、いろいろ気遣ってくれて、よく動くし仕事も意欲的。
いわゆる一点集中型で思い込みが激しく、凡ミスも多いけど、基本的に能力はある。普通に同僚として接触する分には、何の問題もない。当たり障りのない話をする分にも、問題はない。

ただ、ちょっと込み入った話をされると、すごく疲れる。

聞けばもう一つの仕事先(本人の話ではもうすぐやめる予定でいろいろ動いている)が、ブラック&モラハラもいいところで、「困った困った」というのを、報告という形で時折話題にするのだけど、

わたし自身、あたまのおか……個性的で曲解力に富んだ経営者のいる職場で戦った経験があるので、(電子書籍のコンビニ日記もよろしく)

そこは相手がおかしいよ、労働基準法ではこれこれこうで、みたいな話をするたびに、ものすごく新鮮に驚かれる。

「思い込んでたけど、そうですよね、おかしいことをされてるんですよね」
とは言う。
けど、毎回それ、言ってるよなぁ。
本人は「困った困った」からの「そうですねわかりました」とは言うんだけど、どうも、心に響いてる手応えが、ないのだ。

その話題をするたび、どう話せばもっとうまく本人に伝わるのか、とか、うまく話を進めるきっかけはないのか、自分のことでもないのにあれこれ考えてしまって、
それが家に帰っても数日続く。
たぶん、自分自身の奥底で、あたまのおk(略)な人と戦った日々がまだトラウマになってて、それで余計に気になるんだと思うけど、
同じ流れのやりとりが数ヶ月の間に何度も繰り返されて、そのたびに、疲れる。

この違和感をはっきり自覚したのは数日前。

最初は「相談という形の愚痴なら、あまりまともに受け止めて返事することはないのではないか」という自分に対しての振り返りから始まったのだけど、
それにしても、こちらの疲れ方が半端ではない。
そもそも話のようなモラハラ行為を本当に受けているのかと話の大本を推察したけど、話に整合性はあるし、わざわざそんな相談設定を思いつけるような人でもなさそうで、
自分に対して注目を集めたいという動機ではなさそうだ。
だとすると、これはいわゆるエナジーバンパイアという類いの人なんだろうか?

調べてみると、一般的な分類にははまらないタイプで、とはいえ、吸われてる感覚はあるので、ここは自分の直感を信じることにする。

ちょうど翌日休みだったので、悪いものを預けに行くつもりで近所の神社に行き、出先でちょっと大きな神社に立ち寄って、背後にへばりついているなにかを引き剥がすようなイメージで気分を切り替えてきたのだけど、

そこで、ふと、思い当たった。
「常に、空っぽな人なんじゃないか」

もう一つの職場について相談すると、みんな心配し、共感し、わたしなんかは知識も伝えようとしてしまうけど、
本人は、それによって一時的に満たされるから、それ以上のことをしない。自分で改めて労働基準法を調べたり、強く抵抗したり、公的機関に相談したりはしない。
でもしばらくすると、こちらから得たエネルギーが切れる。
だから、新たなエネルギーを得るために、報告という形の相談を繰り返してるんじゃないか。

これはたぶん、もうひとつの職場で奪われたエネルギーを補充するための無意識の生存行為なので、本人には悪意はないだろう。相談を聞いてもらえたと、感謝だってされてるかもしれない。
でも、(他の人は知らないけど)確実にわたしは疲れるし、なんなら休日も思考を奪われ、頭も休まらない。
これはこちらも、具体的な対策を講じるべきだろう。

ということで、彼女に接する際、意識のバリアの核になるものを新たに作成中です。
あまり関わらず、ほどほどに。
当たり障りなく生きていくって、大変だ。

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