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父が亡くなった話<1>

大雨から一転、関東はめちゃくちゃ暑くて、
その割にお客さんは絶えないし、暑いのに水を飲む暇もないくらい忙しく、
当然スマホなんか気にする余裕はなく。

それが、窓口が終わる間際に、会社の問い合わせ窓口から事務所に連絡があった。わたしを名指しで。
えっクレーム? わたし今日はやらかしてないはずだぞ? と思わず一日を振り返ったんだけど、

「ご親族のOさん(末妹)が、連絡してくださいとのことです。お父様がお亡くなりになったそうです」

えええ? と思ってスマホを見たら、
次妹Wと末妹Oからのライン通知と着信が、合わせて12回。
副上長に慌てて声をかけてしばし仕事を変わってもらい、末妹に電話しました。

妹曰く、
「何回か電話をかけたけどつながらないから、T某(わたしの息子)に電話して、事務所の名前を教えてもらった」
とのこと。
ただ直通の番号は非公開のため、本社発表の問い合わせ窓口に連絡してきたとのことでした。
その割に、T某からは着信もラインもないんですけどね。

何にしろ、夕方六時を回ってるのに、今日の新幹線になんか乗れません。
「とりあえず今日は仕事して帰る、また連絡するよ」とOとの通話を切り、
ラインの通知を見直すと、

始まりは、父と同居している次妹Wの
「父がお風呂場で倒れている。やばいかも。救急車呼んだ」
から、
病院に着いた、いとこ(父の兄の長男)を呼んだ、
延命はしない、
というラインが断続的に入り、途中で気がついたOが短く状況を問い、

「亡くなった」までが一時間ほど。

日中だったこともあり、生前から父が互助会で積み立てをしていた、そして母もお世話になった葬儀社の会館に、父を運んでもらったという報告の直後あたりで、わたしが連絡に気づいた。という流れでした。

Oはとても冷静でしたが、
さすがに発見者になったWは動揺していたようで、電話口は涙声でした。
発見と、搬送と、葬儀社への連絡を、ねぎらい、またあとで、と通話を終えて、とりあえず夫にライン。

「父が亡くなったから明日から行くわ」
「おれはどうすればいい?」

別に……
来てもらっても役に立たないしなぁ……
来るにしても、段取りが終わって、隅に座ってるだけ位の状況になってからでお願いしたいなぁ……

「まだ日程も判らないし、慌てて休みをとらなくていいよ。帰ってから話しましょう」
と無難にかわす。

とりあえず次の連絡は、新幹線の予約を取ってからだなと思って、帰り際にラインを見たらば、
「明日何時頃来られる?」
「打ち合わせは午後にしてもらったよ」
とのOからのラインが。

帰らないと予約も取れないのだけど、動揺してるんだろうなぁ。
「予約が取れたらまた連絡するね」
とだけ伝え、帰りに道にドラッグストアに寄りました。

どうせ朝一で出るだろうから、飲み物くらいは買っておかないといけないし、
夫に留守を任せるから、簡単な食料とか買って行くか、と思ったんだけど、

悲しいとかは全然ないんだけど、やっぱりわたしも動揺してるのかな。
なんにも思いつかないんです。
とにかく、コーヒーを買い、途中でつまめそうなお菓子を買い、
帰宅すると普段は寝ている夫が頑張って起きていた。

とりあえず、式の日程が決まって、来てもらった方が良さそうなら、お願いするということで、話はつきました。

夫が寝てから、お風呂入ったり、洗濯したり、荷造りしたり、深夜に戻ってくるはずのT某を待ちながら、これを書いています。
そして書いている間に日付が変わってしましました、始発で実家に向かいます。寝られるかしら。

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