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義父が入院したらしい<9>

出がけに叩きつけるような雨を喰らい、出かける前から帰りたい心境だった朝です。

あけろやあけろ

今日は、義父の今後の方針について、担当医とお話しする日。
約束の時間は午後だけど、もろもろの片付けのためにいつもの時間に出発。
当てにしている区の支給おむつがまだ配達されていない…… 明日確認の電話しなきゃな。

ついてまず始めたのは、前回の残りのワインの処分。コルク抜きがなくてあけられなかった10本ほどを、今日こそはやっつけるために、栓抜きに缶切りにといろいろついたやつを持っていきました。これは当然夫の仕事。

その間私は、食器棚の食器の整理。押し入れに色々詰め込まれていたものの、空になって処分待ちだった古い段ボールを再び組み立て、明らかに使わない大皿、ディズ○ー柄のガラスコップなどを放り込んでいきます。

形式として、義父が今まで使っていたと思われる茶碗とお椀と小皿諸諸は残してかごに入れてふきんをかける。それ以外の、処分される食器はミカン箱くらいの段ボール4箱分になりました。

ついでに、食器棚の下段をあけたら、明らかに使いどころのない小さなザルだとか、カビはえたプラお玉だとか、いつ買ったのか判らないIHコンロとか色々出てきた。それも、金属ゴミと粗大ゴミとに大ざっぱに分ける。

パックご飯や缶詰などはシンク前の棚に移して、食器棚は空っぽに。中身がなくなったら、大きいだけでそんなに重さはない。これなら、運び出してもらえるかも。
TVボードは後日にしようと一区切り。その頃には夫のワイン処分も一区切り。

空になった衣装ケースのうち、キャスターがついて重ねられる同型のものをまとめて、これは帰りに、高座椅子と一緒にリサイクルショップに持ち込みます。衣装ケースはおまとめ引き取りでジュース代くらいにしかならないのですが、それでもただ捨てるよりは良いです。今日のお片付けはここまで。

サイゼにお昼食べに行って戻ってきたら、このまま話し合いに行くにはちょっとだめっぽい感じに疲れてたので、少し横になってひとやすみ。

またもや雨の中

約束の時間にあわせて車で義実家を出て、時間より少し早く病院に到着。
ちょっと早かったかな、と思っていたら、「担当医が来るまでここでおまち下さい」と談話室に通された直後、いきなりかなり強い雨が降り始める。
すごいタイミングだった。もう少し早く降り始めていたら、話し合いの前から心が折れるところでした。

さて、肝心のお話ですが。
担当医さんだけかと思っていたらほかに、リハビリ担当、お世話担当、退院調整担当、という感じで、病院側から四人も出てくるという今までにない説明会でした。

その担当医が言うには、
口からものを食べるのを嫌がる、現在は点滴で水分を補いつつ、ゼリー等の固形物を試みているが、やはりむせることが多い。

リハビリ担当さん曰わく、
関節が硬くならないよう手足の折り曲げをしているが、かなり痛がる。
一方で、起き上がることに恐怖心があるらしく、常にベッドの柵を持って突っ張っている状態。着替えもおむつ替えも、一人では無理で、二人がかりで行っている。

常にその体勢なので、自分の異変を伝えるために、ナースコールを押すことも出来ない。誰かが定期的に様子を見にいって対応している。

一方で、頭ははっきりしていて、会話も出来るし、意識も保っている。

この状況で、選択肢は三つ。
胃瘻か、栄養点滴か、従来の水分補給点滴か。
胃瘻は明確に、本人が嫌だと言い、
栄養点滴は聞く人によって反応がバラバラで、判断が出来ない。

どちらにしても、自宅に戻るなら、介護の入らない夜間や、胃瘻や点滴であればその補給をするために、家族の誰かの援助が必須である。

こちらは明確に同居を否定しているので、あとは退院後の行く先。
介護療養型か、医療療養型か。それも、胃瘻か点滴かそうでないかで変わってきます。

諸諸の説明を受け、義父の意向も鑑みて、私たちの決めた方針は、
今まで通り、現状維持の水分補給点滴を継続しつつの対処となりました。
行き先は、医療保険適用の、医療療養型施設を、さがしてくださるとのこと。点滴必須だと、医療行為の出来る施設が必要です。

本人は、もう以前のようなソロライフは無理という自覚はあるようで、その一方、多分ずっとこの病院にいるつもりでいるのではないかなぁ。
でも、病院としてはそんなわけにもいかないのです。

この先を考える

先生方は私たちの手前もあり、
私はあまりよく判っていない夫の手前もありで、転院したあともこの状態を維持してという前提で話していたけれど、

食事はできず、水分補給の点滴、というだけになると、そんなに長期的なものにはならないのではないかな。と私は思っている。
もちろん、長期的になるのを前提に、経済的に作戦を練らなければならないのだけど。

「施設が決まったら、その旨を一度、ご家族から説明してあげて下さい」
「ずっとここにいると思っている節があるので、突然移動になったらびっくりしますよね」

と言われたけど、
それって、直接会う最後のチャンスをくれようとしてるんじゃないのかなぁ。夫にはそういう感受性がないので、多分言葉取りに受け取ってるはずなんだけど。

私も深くは触れず、「どこに行ったとしてもお見舞いには行けないんだから、説明の時に、T某もつれてってあげたら」といったら、そうかーって感じでした。

方針が決まったので

なんにしろ、自宅ではもう生活できない、というのは確定したので、レンタルしていた介護ベッドやらの返却の手配を取る。
今月末、大型家財の運び出しの下見の日と同じ日にきまり、また来週行かなければいけません。

今の病院での入院が二ヶ月がめどなら、残りは一ヶ月。
もちろん、そんなに簡単に決まるわけでもないでしょうが、見つかった施設が実家のそばとも限らないので、今のうちに片付けられるものは片付けておきたい所存です。

そうそう。
帰りがけに寄ったリサイクルショップ、衣装ケースは予想通りのおまとめ引き取りでしたが、
予想外だったのは、一緒に持っていった回転する高座椅子。あんな使い古しのが、400円も値がつくとは思いませんでした。
麻雀牌セットや、奇跡的に箱入りで見つかったディズ○ー柄の平皿やらもお値段がついて、今日のお昼代くらいにはなりました。全く期待してなかったので、ちょっと気分が持ち直したのでした。


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