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傭兵さんと神官くん〈1〉

2014/06/14

「さっきから、アレがなんか喋れ喋れってうるさいんだが」
「アレだなんて失礼ですよ、一応僕らのお話の作者さんなんだから、創造主とか、天の声とか、もう少し二次元の住人らしい表現をしてあげましょうよ」
「天の声って、朝に、動く絵の入った四角い額縁の中で『おっはようございますー』とか言ってるあれか?」
「なんですかそれ……」
「いやなんとなく」


「それはそれとして、なんだか色々考えて煮詰まってるような気はしますよね」
「『次に何をやればいいのかよく判らない』とか言ってるな。いつも通り勝手にやりたいことやってりゃいいじゃねぇか」
「それもそうなんですが」
「……『なにか面白いことを言え』って言ってるぞ」
「自分で思いつかないのに、僕らに思いつくわけがないじゃないですか……」
「しょーがねぇなぁ」
「何ごそごそやってるんですか」
「いやな、こないだ暇つぶしにここの引き出し探ってたら、『下書き』って書かれた綴りが大量に」
「なんの下書きでしょうかね」
「『ぶろぐ』ってやつみたいだけど、……『ぷろっと』ってなんだ?」
「さぁ? 食べ物でしょうかね?」
「調理法(レシピ)には見えねぇけどなぁ」
「ちょっと僕にも見せてくださいよ。どれどれ」

・・・・・キリトリ・・・・・

【外伝プロット案】

××××××を拾う前の、エレムとグランの話。
エレムは××を使えない。グランはあのまま。
短い話。

坑道。若い女の霊(?)

賭博屋の不正を力ずくでねじ伏せて勝った金を持ち逃げ。
追われた先で逃げ込んだ地下道で、二人はあるものを拾う。
拾ったそれは、二人を逃がす代わりにひとつの依頼を聞けと言う。
追っ手を皆殺しにされるのを恐れたエレムが(この頃はまだいまいちグランを信頼していない。おっかなびっくり)依頼を聞く。

あるものをあるひとに届けて欲しい。
託されたそれを持ってねじ曲がった空間でつながった異世界の旅に出る二人。


最後は「それ」が意味ありげな預言をして本編につなげる。

・・・・・キリトリ・・・・・

「……なんだこれ?」
「でも、賭博屋とか、持ち逃げとか、どこかで聞いたような言葉が……」
「……?」
「ああ! これ、あれですよ、ほら、『ららのこん』とかたまに口走ってた頃の」
「あー、なんだか訳の判らないでかい生き物とか、ワニみたいな口のでかい鳥とか、魚の人形かぶった変な女とかに会った夢の話か」
「夢……だったんでしょうかねぇ。僕、あのあと、法衣の裂けた部分を自分で繕ったんですよね……」
「最初はこんな走り書きなのか。つーか『勝った金を持ち逃げ』とかおかしいじゃねぇか。勝ってるんだから俺のものだろうが」
「そこはほら、グランさんの人柄のせいもあるでしょうし。あまり深く考えない方が」
「なんだよ意味わかんねぇよ。なんかむかつくな、他になにか面白そうな……お! これって相当恥ずかしうおわあっ?」
「あっ! グランさん!」


「……な、なんか突然、空から鉄の桶が落ちてきてグランさんを直撃したので、きょ、今日はそろそろ切り上げさせていただきますね。だ、大丈夫ですよ、僕は何も見てません! ちゃんとしまっておきますから!」
「……いってぇ……、なんだ今の……」
「な、なにもありませんよ、急に眠り込むなんて、疲れてたんじゃないですか」
「眠り込むって、今めちゃめちゃ頭が痛いんだが……? それにその銀色のはどこから……」
「ダメです! 考えちゃいけません、忘れるんです! 帰りますよ!」


※ この頃ライブドアブログで開催されていた「ライトなラノベコンテスト」に参加中のネタ記事です。ほかの作者さんの参加作キャラを使わせて頂いて、お話を一本作るという、今考えると労力MAXなとても楽しい遊びをしていました。

※ ちなみにこのコンテストの参加作品、「しーなちゃんのコンビニ日記 日常編」は主催のImpress QuickBooksさまより電子書籍配信中です。姉妹作の「激闘編」は「しーなちゃんのコンビニ回顧録」と名前を変えて、カクヨムで絶賛公開中。



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