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世界一幸せな国のサウナの授業で人生変わった話

ー今日の内容ー 
・幸福度世界一! デンマークの教育を学びにフォルケホイスコーレへ
・「あなたはどうしたいの?」という究極の問い
・命の危険を感じたサウナの授業で気付いた自分の本当の願い
・「自分にとって大切なこと」で社会に貢献する

冬の寒さが緩んでくる春の季節。
毎年、この時期になると思い出す。

死ぬほど走って、死ぬほど生きた、

刺激的すぎる一夜のことを。



それは、今から約4年前のデンマークでの出来事。

当時、結婚間近だった彼と別れて人生のどん底だった私。
本当に家から出る気がしないし、見えるもの全てがグレーに霞んで見えた。
ズキズキする心臓から血の滴りが止まらない。癒えない傷を抱えたまま、
会社の有休を使って申し込んでいたデンマークのプチ留学へ
飛び立つ日がやってきた。

一緒に参加する仲間と成田空港からドーハ経由で約23時間。
コペンハーゲン入りし、電車でHøjskolen Østersøenへ。
約1週間ほどSDGsをテーマにしたこのフォルケホイスコーレで
いろんな国から来た様々な年代の生徒と生活を共にする。

なぜこのプチ留学に参加したかと言うと、ズバリ
「締め付けないのに、成績も幸福度も高い北欧教育の秘密を知りたかったから」

長年教育の会社で教育サービスを作っていて、答えが一つしかない画一的で
偏差値重視・詰め込み型な日本の教育スタイルに疑問を持っていた。
個を大事にしながらOECDのPISAでも上位にランクインするフィンランドや
デンマークは一体どんな教育をしているのか現地で体験してみたかったからだ。

私が行ったフォルケホイスコーレとは、北欧独自の教育機関のこと。
デンマーク国内に複数あり、それぞれアート・スポーツ・心理学・政治など
学校によってフォーカスしている分野が異なる。
世界各国から様々な人種が集まり、自己探究をしている。
試験や成績が一切ないこと、答えを出すことより探究すること、
共に学び共に暮らす学びのスタイルが特徴的だ。


▼フォルケホイスコーレとは?デンマークで170年前に誕生した独自の成人教育機関。
入学資格はいらず、教師と幅広い年齢層の学生が寮で共同生活をするのが特色。
机上の勉強よりも対話を中心に授業を行い、他の生徒との対話を通して自己実現の心を学ぶ。

学校に到着して早々、長いお髭が印象的なおじさんがスーツケースを運ぶのを手伝ってくれた。学校のスタッフかと思ったら、ボランティアで手伝いに来ている卒業生だそう。異国の地での見知らぬ人の優しさが、心に沁みた。

滞在は1週間だったが、野生の鳥を見にいくバスツアーがあったり、
現地の教育機関見学、サステナブルフードクッキング、オーケストラ鑑賞、
ゴミ焼却場見学、再生アート鑑賞など様々なアクティビティーが毎日あった。
どれも、参加は必須ではない。

この学校は全て生徒の自主性に任せられているため、現地の生徒の中には授業に現れない者もいた。例え子供でも、自分の意思を尊重される。
「あなたはどうしたいの?」「あなたはどう思うの?」が授業でも頻繁に問われ、
答えや学び方の多様性が認められる中でも、画一的な正解を出そうとしてしまう自分がいることに気付く。
(教育的観点でのフォルケレポートはまたの機会に)

印象的だったヒュッゲタイムと人生変えたサウナの授業

デンマーク人は、ヒュッゲ(Hygge)という時間をとても大切にしている。
デンマーク語で「居心地がいい空間」や「楽しい時間」という意味だが
今ではデンマーク人の価値観にもなっている。
フォルケの中でも、朝食後10時くらいに1回、おやつに1回、夕食後に1回と
最低でも3回はヒュッゲタイムがあった。
食堂にはいつも紅茶やコーヒーが飲めるよう準備され、日によっては
全員で集まるパーティーが催される。暖炉を囲んでお茶を飲んだり、
ソファに寝転がったり、人が集まっていても会話はマストではない。

授業や会話は全て英語、見知らぬ人々と共同生活と、慣れない環境で
やや緊張していたのもあり、ヒュッゲの時間があることがありがたかった。
温かい飲み物と共に、肩の力を抜いて一息、自分に戻る時間。

高級ブランドや食事など煌びやかな非日常に幸せを見出すのでなく、
何気ない日常にちょっとした幸せを感じる瞬間を持つデンマークの文化に
世界一を誇る幸福度の秘密を垣間見た気がした。

泣く子も黙る、ど根性系サウナの授業

体育の授業が、サウナやヨガか太極拳か3種類から選べて、
日本では受けられなそうなサウナの授業にしてみた。
(その授業を選んだのは全体60人中6人だけであった)
というのは、3月のデンマークの夜の温度は零度以下。
つまり、氷が張るくらいの海と燃えるような100度のサウナを
走って往復するという、ど根性系授業だから参加者が少ないのだ。

水着は持っていなかったため、普通のキャミソールと下着で参戦した。
まずはじっくり100度のサウナで汗ばむまで体を温める。
小さなサウナ部屋にいろんな人種の匂いが立ち込めるのもまた新鮮だ。

10分くらい暖まったら、いよいよ海に飛び込む。
サウナの目の前の桟橋を走り、順番に入水。

正直・・・とても怖かった。

こんな凍った海に入ったら体がビックリして
本当に心臓が止まっちゃうんじゃないかと思った。
その懸念は万国共通だったようで
入水前に心拍数を上げるためにジャンプしてみたり、準備体操したり、
怖いのは人種や宗教に関わらず皆同じなことにちょっと安心する。

そして、最大限の抵抗をしたあげく、意を決して入ったら
身も心も凍りつくような命の危険を感じる冷たさだった(汗)

「キャー!」と10代のような悲鳴を上げながら
命からがら桟橋を走って、サウナ小屋に戻る。
1秒でも速く温かい場所に戻りたい。
そしてまた勇気を振り絞って海に飛び込む。
それを4〜5回繰り返しただろうか。

今でもはっきり覚えているのは、
桟橋を駆け抜ける最中の
どこまでも広がり、溢れそうな星が輝く夜空と、
全身ビリビリくるような身体感覚、内側から突き上げるような生命力。
ドクドクいう鼓動と鮮明に聞こえる呼吸音、一瞬一瞬「生きてる」っていう感動。

その時に、

「あ〜もう自分を解放してあげよう」
「もう誰かの人生でなく自分の人生を生きよう」
って自分の奥から声が聞こえた。


まるで魂が叫んでいるみたいに自分の内側から込み上げてきて
本当の意味で自分の奥底にある願いと繋がった気がした。

それまでの私は、「当時の彼氏と歩む人生」に執着していたし、
親の望む「いい大学いい会社」思考を体現しようとしていたし、
会社でも自分の意見や考えを押し殺すことも多かったし、
外からの評価で自分の価値も行動も決めていた。

でも、薄々気付いていたの。
私が本当に望んでいるのは、そっちじゃないってこと。
「私が私らしくあるために、好きなことで、
時間や場所に縛られず、生きていく私でありたい。
好きなことを仕事にするために挑戦してみたい。」

この経験が後押しをしてくれて、帰国後、
自分にとって大切で、好きで、人に伝えたいと思っていたことを
仕事にする準備を始めた。

自分の人生にワクワクしていたら、
いつも間にか心の傷も癒えていた。

会社員でも個人事業主でもどんな形態であろうと、
「働く」ということは社会に貢献することであることには変わりはない。
ただ、私の場合は「自分にとって大切なこと」で貢献をすると決めただけ。

DO MORE OF WHAT MAKES YOU HAPPY.

「あなたが幸せになることをもっとやりなさい」

デンマークの学校に貼ってあった言葉で
今でも私のマインドフルネスやコーチングをする上で
とても大切にしている言葉。

研修をする中で、もっと「働く」が楽しくなる、自分とつながる時間を生み出せる学びを届けたいので、また次の旅も5月に控えている。
どんな学びとの出会いがあったのか、またシェアしていければと思う。

ー最後にー
もしも、今が人生のどん底って思っている人は逆にチャンス。
どん底まで落ちると、きっとそこに本当の願いがあるから。
自分が本当は何が欲しいかが明確になると、人は行動できるようになる。
そこにたどり着くのにわざわざデンマークまで行く必要はなくて、
家でもできる一番手軽な方法は瞑想とコーチングだ。
週末はぜひ、目を閉じて一つの問いを投げかけてみてほしい。

「あなたは本当はどうしたいの?」




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