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「ワンオペ育児」という言葉が苦手な理由がわかった

ここ数年、「ワンオペ育児」という言葉を目にしたり、耳にしたりする機会がぐぐっと増えて、子育て世帯にはすっかり浸透したように感じている。

一方で、私自身はワンオペ育児という言葉に対して、違和感を覚えることが多かった。1、2回使ってみたものの、ソワソワしてしっくりこなかった。

最近になってやっとその理由が分かった。私が使うべき言葉ではなかったのだ。 

ワンオペ育児
配偶者の単身赴任など、何らかの理由で1人で仕事、家事、育児の全てをこなさなければならない状態を指す言葉である。
コトバンクより

ワンオペ育児とは、状況だけを抜き取ってみると、1人で子どもをみている時間のことだ。

けれど今の私は、ワンオペ育児を、「自分はこれだけやっているのに、相手は手伝ってくれないという想いを含んでいる言葉」として理解してしまっている。

主に母親側が大変な状況に置かれている内容の文章で、「ワンオペ育児」という言葉を目にすることが多かったからだ。

ワンオペ育児は、これまでも潜在的にはあったと思う。こんな風に言語化されたのは、女性の社会進出が進み、子育てと仕事にまつわるやりくりを、男性と分かち合えない状況への葛藤が高まったからだと考えている。

私自身、1人で子どもをみなければならない状況は、少なくない。一方で夫が1人で3人の子供たちをみてくれることもあるし、2番目が夫、1、3番目の子が私と、役割分担しながらみることもある。

夫は、できれば自分も遊びたいし、一緒に過ごしたいと思ってくれている。だから、自分1人で頑張っている感が含まれているように感じてしまう言葉を安易に使うべきではなかったのだ。と、今なら分かる。違和感の正体はそれだ。

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既にある、誰かが作った言葉を使うのはラクだ。ワンオペ育児の6文字で、「1人で仕事、家事、育児の全てをこなさなければならない状態」という25文字程度の状況を伝えることができてしまう。

一方で、苦しくなることもある。自分自身の内側から出た言葉でなければ、説明しきれない想いが残るからだ。

誰かの言葉が、そのままぴったりと自分の想いにあてはまることは、稀だ。違和感を感じた時は、ごまかさずに、自分の言葉を探したいと思う。

既存の言葉がしっくりくる時は使えばいいし、しっくりこないのであれば、使わなければいい。さらにややこしいことに、同じ言葉でも、受け取る側の状況次第で言葉の受け止められ方は異なってきてしまう。だからこそ、納得のいく自分の言葉で話したい、伝えたいと思うのだ。

しっくりくる言葉を見つけることは難しく、苦しいこともある。だから、誰かの言葉を使いそうになっちゃうけれど、見つけた時、伝わった時の喜びは格別だ。

少しずつでいいから、自分らしい言葉を見つけながら、生きていきたいと思う。

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