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言葉を集めて/物語とドキュメンタリー

数年前までは、ドラマはほとんど見なかったし、映画もそんなに観る方じゃなかった。本についても、基本的にはノンフィクションのものしか読んでいなくて、小説は年に1度読むか読まないかというくらいだった。

そんな中、編集者として編集しながら自分自身も文章を書く機会が増えてきた。

伝えたいこと、伝えるべきことに向き合った時に、自分の気持ちにフィットする言葉が全然見つからないことに愕然とした。研究員として働いたこともあるから、それなりに論理的な分かりやすい文章を書くことはできる。

でも、自分の気持ちが伝わるかどうか、そして読んでくれた人の行動が変わるかはまた全然別の話。文章を書こうと机に向かった時、自分が持っている言葉や表現の引き出しがからっぽなことに愕然とした。そして、あれこれ試行錯誤した後、ドラマや映画を見たり小説を読んだりするようになった。

きっかけはめっちゃ話題になった韓国ドラマ「愛の不時着」を観たことだと思う。

はじめは、人気なんだなあくらいに思っていて、時間も無いしあんまり観る気は無かったけど、信頼する友達が「絶対見て!!!」と強く推してくれたので見始めたらハマってしまった。それからドラマ(主に韓国)を観たり観なかったり、Netflixの契約をやめたり再開したりを繰り返しながらドラマや映画見続けている。最初は特に意識せず映像を観ていたけど、そのうちハッとするセリフがあることに気づき始め、そんな言葉たちを手帳に書き留めて集めるようになった。

小説に関しても同じ。自分の心に響いた言葉や表現を書き留めるようになって、今も続いている。

以前は特にドラマや小説って、現実では起こらないことばかりで、観たり読んだりするのはただの娯楽だと考えていた。だからドキュメンタリーや歴史とかノンフィクションの映像を観たり、本を読んだりしていた。でも今なら浅はかだったなあと思う。

確かに物語に出てくる状況は現実離れしているかもしれないけど、その中に出てくるセリフや言葉は痛いくらいに真理に近くて、心に響くことがあるのだ。

自分自身の立場が物語を消費する人から、物語を伝え、つくる人に変化し、視点が変わったからこんな風に思うようになったのかもしれない。

そして今日も、小説を読んだりドラマや映画を観たりしながら、言葉や表現を拾い集めている。

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