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心を寄せるだけじゃ足りない?sympathyとempathy

ずいぶんと読めていなかった教育新聞を、久々にちゃんと読んだ。「多様性に応じた教育を」というタイトルが気になって読み進めたところ、次のようなことが書いてあった。

最近のベストセラー『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』の著者であるブレイディみかこさんは、多様性を得るためには「シンパシー(sympathy)」ではなく「エンパシー(empathy)」こそが大切だと説いている。
「かわいそう」や「共感する」といった上から目線ではなく、他者と同じ立場で考え行動することが求められる。

シンパシーとエンパシーはどう違うんだろう?「共感」も上から目線なのか?など、いろんな?が頭のなかをぐるぐる巡った。

symathyとempathyの違い

まずはsympathyを見てみよう。

sympathy→〔悪い状況にある人への〕同情、思いやり
出典:英辞郎ON THE WEBより

同情か~、確かに上から目線感はある。でも同情と思いやりが並列に並んでいてさらに困惑もする・・・。英語でも見てみよう。

sympathy(名詞)→ the feeling of being sorry for someone who is in a bad situation

sympathize(動詞)→to feel sorry for someone because you understand their problems
出典:LONGMANより

どちらもsorryが共通ワードだ。申し訳なく感じる気持ちのことかあ。ちなみにsymはギリシャ語 syn が由来で、 with や together といった「一緒に」を意味する言葉らしい。

次にempathyを見てみよう。

empathy→共感、感情移入◆他人の気持ち・感情を理解すること。
empathy(名詞)→the ability to understand other people’s feelings and problems

empathize(動詞)→to be able to understand someone else’s feelings, problems etc, especially because you have had similar experiences
出典:LONGMANより

どちらもunderstandが共通ワードだ。sympathyは感情で、empathyは理解する力のようだ。

ちなみにemはラテン語 in- が由来で、「中へ」、「上に」、「その状態へ」を意味するらしい。「その状態へ」、「中へ」という表現から、相手の立場により近づく、という状況を思い浮かべやすい。

整理すると、こんな感じだろうか?

sympathyを感じることができる人は多いと思う。

一方で、sympathyを感じる人が、実際に相手の立場に立って物事を考える力、empathyを持っているとは限らないのかもしれない。実際に相手の立場に立つこと、そしてその立場から物事を考えることは、相当の忍耐と想像力が必要とされるから。

じゃあ、最近聞くことの多い、寄り添うという言葉はどうなんだろう・・・。上から目線なのかな・・・。sympathyに近い言葉のように感じるなあ。

如何せん、empathyを意識しながら暮らしていきたいと思う今日この頃です。


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