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正社員という名の鎧#夫婦で働く01

昨年の5月に、夫と一般社団法人を立ち上げて1年とちょっとがたとうとしている。

夫はその年の3月末まで、市の地域おこし協力隊として働いていた。大学院を卒業してから、約14年間、組織に所属して働いていたことになる。

一方私は、7年前くらいに一旦、正社員を辞めてパート・アルバイトを経験し、その後8ヶ月程度、再び正社員として働いた。正社員として働いた期間は、のべ8年間くらいだろう。

私は根っから自由なので、自由な時間と安定した収入を天秤にかけた時、迷いなく「自由な時間」を選んだし、これからもそうやって生きていきたい。

一方で、ずーっと組織の中で働いてきた夫は、起業して自ら稼がなければいけない状況にまだ慣れることができていなくて、少なくないストレスを感じているようだった。

当然と言えば当然なのかもしれない。

比較的自由に働けるとはいえ、自分たちで稼がなければならない。来年も同じ仕事がある確信はない。夫婦だけでやっているから、子どもたちを含め、誰かが体調を崩したら事業がうまく回らなくなる。

毎日同じ時間・場所に行って働いていたらお給料を貰えていた状況とは全く異なり、経理・経営・実務を全て自分たちでこなさなければならない。

夫がストレスを感じながら働いている様子を近くで見ていて、人には向いている働き方があることを改めて思う。

「好きを仕事に!」、「好きなことをして生きよう!」というフレーズを見る機会が、ここ数年でぐぐんと増えた。好きなことを仕事としてできれば、自分らしく生きていけるような気がしてしまう。

実際は、「好き」の成分が多めの働き方はできるけど、嫌なことやめんどうなことから逃げられるわけじゃない。

今回1番驚いたのは、自分(たち)で選んだにも関わらず、その働き方にストレスを感じているパートナーの様子を目の当たりにしたことだ。

そして、気づかないうちに染みついている価値観や、考え方のくせなどがもつ、とてつもない影響力だ。

働くことだけに集中できる、正社員という働き方は、人の習性にあった発明だったのだと思う。

食べるもの、着ていく服に加えて、何をやるかという意志決定を毎日行うことは、知的体力を要する。ある程度やることを決められていた方が正直、楽なことも多い。

これからの時代は、正社員のまま副業したり、フリーランスがチームを組んでプロジェクトを進める形がスタンダードななるのだろうか。

この話の結論としては、こんなことを話した。

子育てしながら、正社員のまま自由に働くことって、田舎では特に難しいねえ。だからこそ、移住してくる人たちも爆発的には増えないんだろうね。子育てしながらやりたいことをやりつつ、しっかり稼いで暮らすっていうのは、たくさんの人が模索中のテーマかもね。

今は、時代的にも、働き方・暮らし方の過渡期なのかもしれない。子供の成長段階によって、変わってくるのかもしれないけれど、自分たちがしっくりくる働き方を模索していきたいと思う。

\読んでくれてありがとうございます!/ 頂いたサポートは地域の中で使い、ご縁をぐるぐる回していきたいと思います。