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【読書メモ】言葉ダイエットを読んで

ていねいすぎて、言いたいことが分からないメールや企画書。不必要にへり下った文章は、相手への敬意よりも、傷つきたくない自分が透けて見える。

紋切り型のエントリーシートは、一番知りたい「あなたのこと」が全く見えてこない。

この本は丁寧すぎる言葉や、ビジネスカタカナ用語など、「書きすぎ」をやめて、相手を思いやるすっきりした文章を書こう!という視点で作られている。

おおきく3つ、印象に残ったことをまとめておきたい。

面白い文章とは何か

面白い文章には発見があって、発見には2種類ある。

主体的発見
・言われてみればそうだなという、人の気持ちの中にある発見(潜在的感情の顕在化)
・基本的に「経験」の中から探す

客観的発見
・自分より外の世界にある、読み手の知らない事実

著者のコピー例「風雲児たち(2018年)」

最初に分かったのは、「オランダ語は横に読む。」ということ。(客観的発見)

最近ありますか?検索しないで自分で気づいたこと。(主観的発見)


著者は、こうした発見をど広げる→分ける→選ぶ→仕上げるの4ステップで探している。「不倫を防止するコピー」の作成例がおもしろいので、詳細は本を読んでほしい。

コメントは全部読んでいる。

読みたいことを、書けばいい。の著者・田中さんとの対談がめちゃめちゃ面白かった。

(田中さん)与えられたテーマについて書かれたものを、自分が知りうる限り全部集めないとだめですね。「ラ・ラ・ランド」について書いた時は、ヤフー映画のコメントはすべて読みました。2300個くらいコメントがあるんですけど、全部読むんです。で、読み終わったころにはまた200くらい増えてる(笑)。キリがない。けど、そうすることで、既出の情報を消していく。もう書かれていることについて書いても無駄ですからね。

田中さんは著作で、一次情報には全部当たると書かれていて、さらにコメントまでも全部読んでるのか!と、驚愕した。だからあんなに面白い文章を書けるんだ。きっとまだ、誰も発見したことのない視点から文章を書けるから面白いんだ。面白い文章を書く人は、書くまでに相当な準備をしていることを改めて思い知った。

読みやすい文章をストックする

読みやすい文章を書くための、最重要ポイントは、「読みやすい文章をマネする」ことだと著者は言う。

技術広告ならあのコピー、誌的な内容にしたい時はあのコピー、つぎのコンペはあのCMを元ネタにしよう!と決めるそうだ。そして、自分で集めてストックした元ネタをミックスしたり、アレンジしたり。ストック自体を入れ替えることもあるらしい。

そうすることで、自分らしいオリジナルのストックを作っていくと、ゼロから書くよりも効率的に読みやすい文章を書くことができそうだ。

この本に書いてあることが実行できたら、コミュニケーションロスが減っていき、働き方改革はぐぐんと進むだろうなあ。本やSNSの投稿、Web記事を読みながら、いいなあと思った表現は定期的にストックしているけれど、もっと活用しながら、自分らしい文章を書いていきたいと思う。


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