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じぶんの主体になるために

ミナペルホネンを創業した、皆川明さんの本を読んだ。

「ミナペルホネンの服や生地はかわいくて、世界観も好きだなあ」

そんな印象しかもっていなかった。だから、移り変わりの激しいファッションの世界で独自の世界観を築き上げてきた姿勢というか、道のりを知りたかった。しっかり経営しながら良いものを作り続けてきた中で見えた景色は、どんなものだったのだろう。

本のタイトルのように、生きる、はたらく、つくるの境界がない人生の中で、自分がしっくりくるやり方や在り方を見つけてきた皆川さん。

誰か(他のブランド)と比較するのではなく、自分のやり方に辿りつくために、一貫して、ひたすら手と足を動かしてきた様子がつづられている。

ただ、手伝いをすることと、自分のブランドを始めることとのあいだには、おおきな隔たりがある。自分が主体になったとたん、見えないこと、わからないことがつぎつぎに立ちふさがってくる。
自分がそのようであるならば、すべてをゼロから始めることで、すみずみまで力をつけようと考えた。自分自身であらゆることを一から学びながら、仕事の全体を自分ひとりで完結できるようにする。(中略)手間はかかるけれど、ひとつひとつ確かめながら進むのが、自分にとっての最良の方法だと判断した。それ以外の方法は自分には思いつかなかった。

私たちは、それぞれ自分の人生を生きている。生きているはずなんだけれど、「ふつう」とか誰かの評価に、主体を奪われてしまいそうになることが結構ある。客観的に批評している方が、楽だったりする。

もし主体を奪われたとしても、そんな自分にすぐ気づけたらいいけれど、SNSとかインターネットの海は、ますます「私」を見えなくしてしまいやすい。(気をつけよう)

主体的に生きるていると、辛いことも起こる。全部が他人事ではなく、自分事になる。関わってくれる人が増えると、主体の範囲も広がっていくかもしれない。面倒なことも起きる。

だとしても主体的に生きることは楽しい。そして、主体的な生き方が集まっていくことで、100年続くブランドが作られていくのかもしれないと思った。

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