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自作バックロードホーンスピーカーにツイーターを追加する。

自作したバックロードホーンはなかなかいい音を聞かせてくれていて我が家のメインスピーカーの座に鎮座している。10センチフルレンジとは思えない低音を引き出せていて、もちろんズンドコ響くような低音ではないけれどもバランスがよくて満足している。そこへいくと少々物足りないのは高域である。
 
先日自作スピーカーの師匠宅でツイーターの威力を聞かせてもらって、これは是が非でも我が家もツイーターを導入しなければならないと決意した。
 

FOSTEX FT17H


ツイーターはフルレンジとおなじメーカーのFOSTEXからFT17Hを選んだ。コンデンサは実験で試してよかった0.68μFを使う。
 

フィルムコンデンサ 0.68μF


問題は工作で、今回は箱(エンクロージャー)ではなくツイータースタンドを自作することにした。板材は端材としてとっておいたパイン材とアカシア材を利用する。どちらも集成材である。
 
まず配線関係である。ユニットとケーブル、コンデンサの接続はファストン端子を使用した。ツイーターの接続端子が細いためハンダ付けに向いていないのと、ファストン端子で接続することを前提としたサイズになっているためである。ちなみにサイズは110であった。
 
困ったのはスピーカーターミナルへの接続方法である。ここへはすでにバナナプラグが刺さっている。そこへツイーターからのケーブルがくるので先開型圧着端子を使おうと思った。いわゆるYラグと呼ばれるものである。
 
ところが、ホームセンターやモノタロウなどで売られているYラグの幅は広くても5ミリしかない。一方スピーカーターミナルは7ミリ径である。入らない。そこでオーディオ用として売られているYラグを探してみたら、たしかに8ミリ幅のYラグがあるにはあるのだが、価格が10倍いや20倍いやそれ以上する。ホームセンターで売っているものは10個以上入って2〜300円である。翻ってオーディオ用と謳うものは4つで5,000円とかのたまっている(そしてこれは安いほうだ)。なんじゃこりゃ。とても買う気がしない。
 

こいつを切って差し込めるようにしたらと考えたが…


そこで丸型を切って差し込めるようにしたらどうかと考えた。しかし結論からいうとこれはだめだった。厚みが1.3ミリあるため金切りバサミでは切断できない。そうなると金ノコになるが、我が家には圧着端子をしっかり固定する道具がなかった。バイスがあれば行けたかもしれないと思う。
どうしようどうしようと悩んで、このままだと裸のままねじ込むしかないのかと諦めかけた矢先に救世主が現れた。ダメ元で覗いたカー用品関連のパーツコーナーでクワ型端子なるものを発見したのである!
 

これだよ!この形だよ!


サイズも完璧だった。JIS規格ものに比べると厚みが半分くらいしかなくて頼りないが、形状的にはまさに求めていたものである。値段も300円くらいと良心的だ。実際に購入して我が家のスピーカーターミナルと合わせてみたらぴったりだった。
 
さて、いよいよ工作に入ろう。
パイン材をバッフルに使用する。厚みは15ミリである。ユニット用に丸穴を開ける必要があって、そのためにトリマーを新調した。初トリマーがサークルカットというのはちょっとハードルが高いような気がするがやるしかない。別で購入したサークルカットジグに合わせて加工した。
 

マキタのトリマとサークルカットジグ


トリマーで15ミリ厚を切削するのはなかなかしんどいものだった。いっぺんに15ミリ掘れないので3回に分けて掘り進んだ。しかし結果は満足の行くものである。
 
直線カットは普通のノコギリで切った。電ノコなどないしソーガイドもないが、まあ多少斜めっても許容範囲である。ホームセンターで買ってくればカットまでお願いしてしまうのだが、今回はうちにある端材を使うので自分で切るしかない。ちょっと曲がったがよしとしたい。

切削の粉だらけになった。トリマの音も大きくて最初はビビる。

 
そして今回は塗装もする。ぼくはチーク材の色が好きなのでチークカラーの水性ウレタン塗料を用意した。これはなかなかよくて好みの色が出た。ただし、バッフルに使用したパイン材は色が明るいのできれいに塗れたが、ベースに使用したアカシアはもともと色が濃い木材なので微妙な色合いになってしまった。まあほとんど見えないからいいだろう。
 
さて、組み立てである。まずボンドで接着して、そのあとにネジ止めする予定だった。ところが、用意したネジが太すぎたせいかなんとパイン材が割れたのである。がーん。パキッとヒビがはいって冷や汗が出てた。そこでネジ止めを諦めて釘を打つことにした。そしたら案外きれいにできて、最初から釘打ちにすべきだったと思った。こうして手を動かして失敗して覚えていくのである。またひとつ勉強した。
 

紆余曲折を経てついに完成!


ベースがなんとかかんとか形になったのでユニットを組み込んだ。さあいよいよ完成だ。
バックロードホーンとの接続は正相と逆相で試聴したところ逆相で正解だった。

いやあ、素晴らしい。高域が伸びて音のみずみずしさが増したのはもちろんだが、聴感上低音も引き締まったように聞こえるのだ。スピーカーの音は明らかにワンランク上の音に変貌した。もちろんツイーターを追加したのだからそうでないと困るのだが、想像以上に良いのである。がんばった甲斐があった。ただしベースは折を見て作り直そうかと思っている。なんとなくいろいろと不格好なのが気に入らないのだ。
 
こうしてDIYは続く…。

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