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見下ろせば雀色時、見上げれば淡桃色時。

ここへきて日没時刻がぐっと早まったように感じる。
今まで細く長く光を残していた太陽が、すでに山陰へと消えていこうとしていた。
もう少しはやく来なきゃだめなんだな。
 
陸橋から見下ろす線路はすでに色を無くしかけていて、交差する電線と線路が奥へいくほどに溶け込んでぼんやりと消えてゆく。遠くの山々はもうその境界線も怪しい。
 


ところが空を見上げて見ればそこは昼間のように明るくて、桃色に染まった雲の上を飛行機が飛んでいる。地上と空の明暗が美しい時間は短くて、だからぼくはいつもその瞬間を逃してしまう。

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