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見ない振りしてたのは
どうしてだろう?
山裾の県道沿い
オレンジ色の夕焼けに
言葉をなくして

深呼吸の後
君が淋しそうに「ありがとう」と呟いた
軽く流すつもりが
それでも訪れる沈黙が苦しい

ひとりぼっちに戻るより
本当を知るのが怖かった
少しでも君の希望になれたら良かった
それだけ
天使になんかなりたくないくせに
泣き顔のルピナスの帽子
揺らす風になる

霧が少し晴れて
麓の町まではっきり見えそうだ
歩幅を合わせて歩いてくれた
自分の小ささに負い目を感じてた

それでも大切に思えた事
ずっと誇っていたい
君の勇気がいつか
花と咲きますように

僕がいなくても大丈夫だから
振り払われてもいい
泣き顔のルピナスの帽子
濡らす雨になる

誰よりも知っていたかった
君にしてあげられること
残ってないから多分もう
最初から似合わない
何もかもわかってた
痛い程
短い春のルピナスの帽子
探し旅する蜂になる

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読んでいただきありがとうございます。私が2年くらい前に詩を書くようになって、おそらく3番目くらいに書いたものです。初期の初期ですね。今見ると随分粗削りで内容も直球なんですが。ちょうど今の時期お庭のルピナスが見頃なので。上の写真がそれです。私の影が写ってます。

当時はこんなに詩を書き続けるなんて思ってもみませんでした。たまたま心に浮かんだフレーズを面白いからメモしてただけなんですが。咲き始めのルピナスって形が帽子みたいだなあと思って、それだけの事を言いたかったんです、おそらく。

読んでいただき、ありがとうございます。 ほとんどの詩の舞台は私が住んでる町、安曇野です。 普段作ってるお菓子と同じく、小さな気持ちを大切にしながら、ちょっとだけ美味しい気持ちになれる、そんな詩が書けたらなと思っています。