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わたしにとって短歌|恋のうた

続いては、文字数を制限するとなぜか恋のうたになってしまうシリーズです。

一生懸命に「今」を切り取っていたら、あのとき見た景色がまだずっと「今」だったってことに気付いた。

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君行きの 道案内を 開始する
どうかこのまま まっすぐ着きたい



きみ語る 三人称の 僕ならば
海でも歩ける ような気がする



眠そうで あたたかそうな 腕の中
もぐりたかったな 夜の海岸



残像を しっかり体で つかまえて
君のベッドで 朝まで眠る



でも君が どうにかなるよと 言ったから
どうにかなるよね 体温を渡す



君と乗る 深夜のバスは もう絶対、
法定速度 超えちゃっている



恋人だった人じゃなく
好きだった人と 呼びたいあなたは



会いたいが 増えゆく君に 忠告を
「高く」じゃなくて 「深く」重ねて


あいにくの 雨でも君に 会いに行く
甘くしたたり もう晴れないで



「きれいだ」と、おととい君が 褒めてから
輝いている 僕の両耳



もういいよ 言い聞かすよう 言わなくて
昨日の「好き」を 最後にしよう



その言葉 言わないでいてくれたこと
最後の瞬間 やっと気が付く





重心が 体の外に こぼれても
あなたの不幸を 祈ってしまう



真剣に 指で文章 なぞる君
わたし、「の」になりたい


夏さかり 水面に浮かぶ 違う色
捉えてみたい 描いてみたい

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