【短歌15個①】発車する 力を入れる左足 逆らえ慣性新学期

溜まってきたので、放出します！

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発車する 力を入れる 左足
逆らえ慣性 新学期

本棚の 背表紙くるくる 入れ替えて
横につながる わたしの時間

人が言う ぼくの人生 「夢です」と
悪夢の部分も もらってくれるか？

よくそんな 自慢できるね 人前で
垢は毎日 出るというのに

その「好き」は 予測変換 使ってる？
妙に薄くて ありきたりだね

空気読み 笑うのやめよう
ささやかな 意思の表明 「言わず・笑わず」

伸びる道 光る街灯 焦る信号
死んだまちは いつも優しい

みちばたに 休職中の 信号機
宇宙人と目 合ったみたいだ

「好きな曲 知ってほしい」と渡された
プレイリストを 聴き歩く夜

「忘れられない景色になる」と
いつもの池と月を撮るきみ

コンビニでわざと作った「きみのいつもの」
あなたの記憶を強く吸う

生姜チューブ「持ってないかと 思ってさ」
秘密のカウント こっそり増やす

新月に 震えて鏡を のぞきこむ
つるつるの肌 「まだ大丈夫」

こんなにも死にたいけれど毛は生える
生きたいみたいで腹が立つ

曖昧な 感情うたに 閉じ込めて
やっと消せるよ iPhoneのメモ

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ひとつめの「発車する 力を入れる 左足 逆らえ慣性 新学期」は、発車する電車に抵抗する身体と、はじまる新学期に抵抗する気持ちって似ているよなぁということで書きました。「逆らえ慣性！」の語感が気に入っている。JRの広告あたりに使ってくれません？？