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委ねるといい事がある⁈子どもから教わったこと

まもなく中学生になる息子の話だ。
先日、英語1科目だけ通っている塾で先生との三者面談があり、先生から「中学に上がるから数学もやってみる?」という話があった。
そんなこともあろうかと、もし先生が教科数を増やしたほうがいいと勧めてきたらどうするか、事前に息子に気持ちを確認済みだった。
「その誘いは逃げるつもり」と息子の意見を聞いていた。

ところが、先生の前で息子は「一度やってみようかな、とりあえず夏まで」と答えたのだ。

横に座っていたわたしは息子を二度見した。
え?話が違うよ?
やる気があるならいいか。
「社会とか暗記するのが苦手だから、数学でカバーしたいし頑張る」
と話した息子が頼もしくも感じた。
そんなわけで、春から英語と数学をやることになった。

経験値

帰りに息子に聞いてみた。
「数学、あれだけ嫌がってたから断ると思ったよ」
すると意外な答えが返ってきた。
「勧められたことって、やってみると意外といいことあるんだよね」
気が進まないまま塾の科目を増やしたのでなく、やったらいい事があるかもしれない、と何とも前向きな理由で“誘いに乗った”というのだ。

過去にどんな体験があったのか深掘りして聞いた結果は以下の通り。

・友達に勧められた漫画。好みではないイラストだったけど読んでみたらハマった。
・習い事。親に送迎してもらっているのを、バスで行くようになった友達がいて一緒に行こうと誘われた。慣れてないから不安だったけど、一度一緒に行ってみたら待ち時間なども楽しい事がわかった。

子どもらしい理由にニヤニヤしてしまった。
すると最後に、
「委ねるって言うんだよね、こういうの」
まだ小柄な息子が大きく感じた。

委ねる(ゆだねる)とは

処置などを人にまかせる。また、すべてをまかせる。「全権を—・ねる」「運命に身を—・ねる」

すべてをささげる。「政治に身を—・ねる」

デジタル大辞泉(小学館)

「委ねる」という言葉を知っていることに感心した。
息子が言うには、自分のことをよく知っている人が勧めてくれることは悪くはないかもしれない、委ねてみてもいいかなと考えるという。
「夏まで」と途中でやめる可能性を示したのは、もし委ねてうまくいかなかった時に自分を守るためだそうだ。
なかなか深かった。

子の振り見て我が振り直せ

息子に何か大事なことを教わった気がした。
わたしは、自分自身何かとこだわりが強いと自覚している。
例えば服、クローゼットの中のほとんどは黒・グレー・紺色だ。
店員にパステルカラーを勧められても試着すらしないが、一度勧めに身を委ねてみたいと思った。
袖を通して鏡の前に立つのも、先につながる冒険になりそうだ。

時として、人の勧めに身を委ねてみるのも悪くない。
見えなかった世界が見えそうな気がする。


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