移住者を増やす取り組み:マルチワーク×山形県小国町
マルチワークとは
「複業」(マルチワーク)とは、1つの「仕事」のみに従事するのではなく、同時に複数の仕事にたずさわる働き方のこと。人口急減が見られる地域で農林水産業、商工業等の地域産業の担い手を確保する手段として注目され、総務省による支援事業にもなっている。
山形県小国町にはおぐにマルチワーク協同組合(おぐマル)を通して、4人のマルチワーカーが誕生した。マルチワーカーは移住者となり、小国町に活気と変化をもたらしている。
この記事では、おぐマルの代表である吉田さんへのインタビューを通して、マルチワークが移住者促進にどのように繋がっているか紹介する。
おぐマル 公式HP
お話をうかがった人:吉田悠斗(よしだ・ゆうと)さん
おぐにマルチワーク協同組合の代表として、小国町への移住者促進事業に携わる。Tabetai House Omiya 管理人でもあり、小国町で地域おこし協力隊をしていた経験を活かして、シェアハウスを地元に受け入れられる存在に育てた。
目的
小国町の暮らしを楽しむ人を増やしたい。
魅力でもある小国町の「文化」を絶やさないように担い手を作り続けたい。
きっかけ
吉田さんは小国町の地域おこし協力隊として、夏は農業や観光業に携わり、秋冬は日本酒を作っていた。この協力隊としての3年間はまさにマルチワークであった。
自身の経験から、通年で人は雇えなくても、季節ごとに人が欲しい会社がたくさんあるのではないか。それらを組み合わせれば通年で人を採用できるのでは......。
この仮説を地元の農家さんや役場職員さんに話すと、地元の人材不足解消、かつ移住者政策にもなると応援してくれた。このような地元の支援と、以前からの小国町の人が守っているまたぎを始めとする独自の文化を絶やしたくないという吉田さんの思いが重なり、「おぐマル」を立ち上げようと思った。
事業内容
人材派遣のようなもの。小国町で働きたいという移住者を人が欲しい企業に紹介している。
色々な仕事をやろうとするとバイトになってしまう。そこでおぐマルは、製造業、農業、日本酒醸造、鶴細工など(現在は14事業者)の中からその人の希望に沿って複数の仕事を組み合わせ、正社員として雇用している。
効果:移住者の増加
マルチワークという出口を提供することで、移住へのハードルを下げることができ、すでに4人の新規移住者を生み出した。
マルチワークへの高まる関心
合同会社NIPPON TABERU TIMES(通称食べタイ)の代表・田丸さくらが理事ということもあり、広報力の強さや築き上げてきた人脈を生かし、小国町でのマルチワークを紹介するオンラインイベントには約80名もの参加者が集まった。
おぐマルの将来
民間の移住者の受け皿としてさらに成長し、移住者増加に貢献し、小国町を盛り上げていきたい。
現在は約3ヶ月単位で仕事を回しているが、マルチワーカーの数が増えればもっと多種類、短期間の事業を組み合わせた雇用ができると思う。マルチワークの知名度を上げて。民間の地域おこし協力隊のような存在にしていきたい。
小国町の将来
なにより楽しんでいる大人の姿を子供たちに見てもらい、「地元もおもしろい」と思ってもらう。そして、自分が小国町を出身地以上に「ふるさと」であると感じているように、誰かにとっても居心地の良い場所、ふるさとのような場所にすることができればいいなと思う。
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