林業再生の顧客はどこに?


林業再生の仕事をしていると誰のために仕事をしているのか!?ということが複雑になり、事業ビジョンの整合性、合意形成の方法が困難になることがあります。

例えば、簡単に「連携」とはいいますがやはり素材業(丸太)と製材(製品)では、林業側は、より高く丸太を売りたいですし、製材側は、より安く丸太を仕入れたいわけです。

例えば、生産者の組合と、製材組合との関係性など・・・

また、林業という事業領域も複雑で、関わる事業者は多様であり、建築、インテリア家具、バイオマス等の利用する側を除いても

・山林所有者
・山林管理者
・林業労働者
・原木扱い者
・製材加工者
・広報営業者

と多種多様の顧客(メンバー)が存在します。

さらに、そこに、

・行政(市町村、都道府県、国)

が入りますと、確実に、誰のために優先順位をつけて、事業を展開するかに、一貫性を作ることが重要となります。ビジョン→戦略→そして実行と、順番に着実に確実に結果を出していかねばなりません

林業再生に置いて、大きなビジョン(コンセプト)としては、大きな理念を掲げると同時に、コンテンツ(顧客接点の創造)という面や、コンダクター(支援者としての動き)をどうするかが、地域・地域によって異なり、だからこそ、公益的な意義づけ(利益整理)をしながら、根気が試される仕事、時間の掛かる仕事となる場合もあります。

以前、奈良県の某村長から教えて頂いたお言葉が心に残りました。

これは、「村民の付託に応える事業である。」という一言。

ビジョン共有
進捗報告
説明責任
税金を使っているということがどういうことなのか、
そこに関わっている人の責任とは何か。

それは例えば、国税を使った事業であれば、それが各種委員会や、実行組織については、どれだけ国民の付託を受けるものか。村民であれば、村に住まう人たちの「受益」とは何かを明確にしていくこと。

その定義が曖昧では、林業再生とはなりません。

改めて、林業再生における「顧客」とは何か。
行政の役割、民間(流通)の役割、個人の役割

それらの「受益」を明確にした形で、地域ジョンを策定し、それに則ったサービスをどこにどのように提供するかを改めて、考えるように、自分再生から始めていきます。どの笑顔を見たいのか。意欲と能力に対するチャレンジです。

(地域再生・森林再生コンサルタント古川大輔日記 2016.01.25より編集)

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