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ブローチの仕立て前の下準備

こんにちは、ちいさなかべかざりです。
午前の作業が終わったころから雨が降り始め、窓から入る風は湿った土の匂い。
ザーッと降り続けてしまうのは困ってしまうけれど、しとしと降る雨は作業が捗るような気がしています。

今週のnoteではちいさなかべかざりのブローチをお仕立てする前に準備していることを少しだけ紹介しようと思います。
やらなくてもブローチ自体は仕上がるのですが、この工程を取り入れることで作品の仕上がりがぐっと変わるなと感じています。


ちいさなかべかざりのブローチは仕立て方法が大きく分けて2つあり、ひとつは縁かがり、もうひとつは生地の端を裏側に折り込む方法です。

縁かがりについては過去にこのような記事を更新しています。

生地の端を裏側に折り込む方法についてはこちら。

それぞれの仕立て方法では必要な材料が異なるので、ふたつに分けて紹介していこうと思います。

1.刺繍枠を使わずにフェルトを用いた縁かがり

まずはちいさなかべかざりならではの“ふっくらころん”とした佇まいのブローチについて。

ちいさなかべかざりならではの、ふっくらころんとしたブローチ

縁かがりを用いたブローチは刺繍枠を使わず、はじめにブローチの形にフェルトを切り出してから刺繍を進めていきます。
販売を始めたころはフェルトに直接チャコペンで印付けをしていました。
...が、これがなんとも不明瞭。
自然と消えるタイプのチャコペンを使っているため、線が消えていくスピードが速いことも気がかりでした。
そこで加えた工程が、接着芯を貼ること
画像をご覧いただき見比べてみてくださいね。

接着芯の有無のちがい

写真上がフェルトに接着芯を貼り印付けをしたもの、写真下がフェルトに直接印付けをしたものです。
線がハッキリと写り、細かい部分も型紙通りに写せていることが伝わるかと思います。
長いこと悩んでいた線が消えてしまう速さについてもこの方法で解決することができました。

こだわりの2mm厚のフェルトは反物を購入しているので、1〜2ヶ月毎に使いやすい大きさに切り分けてまとめて接着芯を貼って保管しています。

2.刺繍枠を使った刺繍

つぎに刺繍枠に生地を張って仕立てるブローチについて。

生地の端を綺麗に折り込んだシルエットが大切なブローチ

生地にもさまざまな種類があり、生地の織り方や厚みを試した結果、現在は薄手のシーチング+薄手の接着芯の組み合わせがしっくりきています。

フェルトと同じように、まとめ買いした生地をあらかじめ刺繍枠にぴったりな大きさに切り分けて保管しています。

正方形にカットしたあとのシーチング
1枚ずつ接着芯を貼り合わせていきます

今月はちょうど持ち合わせの生地がなくなってしまったので、2m分を購入しました。
普段はあまり使用しないロータリーカッター(ピザカッターのような道具)を引っ張りだしてきてコツコツ切り分けること1時間。
2mもあった大きな生地は、60数枚のちいさな正方形へと変身しました。

12cmの刺繍枠で数えると60枠以上刺繍ができることになります。
ひとつの枠でブローチ4〜5つ分の刺繍ができるので、250〜300個分のブローチを仕立てられる...!

このような感じで、ブローチの仕立てに入る前はフェルトも生地もゆっくり丁寧に下準備を行っています。
完成品の表には現れず、この工程がなくても作品としては仕上がりますが、仕上がりの綺麗さが変わってくるため“ちいさなこだわり”としてつづけています。

3.使用している道具について

目次1と2、それぞれで使用している道具はこちらです。
接着芯は不織布タイプのもの。
厚みがあるものは仕立ての際に余分にもこもこしてしまうので、薄手のものにしています。
チャコペンは自然と消えるタイプのもの。
ブローチなど手のひらサイズの作品を仕立てる際には自然と消えるタイプのチャコペン、刺繍パネルなど製作期間の長い作品を仕立てる際には水で消えるタイプのチャコペン...といったように使い分けています。

刺繍ブローチの仕立て方というのは何通りもあって、使用素材や好みによって変わってくるものかと思います。
これからオリジナルの刺繍ブローチを仕立ててみたいなあ...なんて方がいらしたら、少しでも参考になっていると幸いです。

今週も最後までお付き合いいただきありがとうございました。
次回の更新は5月27日(金)ごろを予定しています。
それでは良い週末をお過ごしくださいね。

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