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刺繍枠のファブリックパネルの仕立て方

こんばんは、ちいさなかべかざりです。
7月が始まりましたね。わたしの住む地域は連日20度前後と過ごしやすい日々が続いています。月末ごろには暑くて眠れない!なんて日が来るのかな…?

今週の更新は刺繍枠を用いたファブリックパネルの仕立て方について更新しようと思います。
コロナ禍でまだまだおうち時間が多い中、刺繍を趣味として始められた方も多いかもしれません。
「せっかく刺したけど何に仕立てよう?」と迷っている布が手元にある方や、これから刺したい図案がある!という方も、刺繍パネルに仕立ててインテリアとしてお部屋に飾ってみてはいかがでしょうか。
今回は刺繍図案の公開ではなく、パネルの仕立て方について写真を用いて紹介していこうと思います。

1.必要な材料

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〈 用意するもの 〉
・刺繍枠
・刺繍図案を刺し終えた布(ここではターコイズブルーの布)
・フェルト(裏処理用)
・チャコペン(自然と消えるタイプがおすすめ)
・手縫い糸(フェルトの色味と合ったもの)
・針とハサミ

今回のお仕立てでは接着剤は使用しませんので、糸を解けば刺繍枠も布も他の用途にお使いいただけます。

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チャコペンは水で消せて自然に<消えない>ものと、自然に<消えて>水でも消せるものがあります。
今回のおすすめは後者の自然に消えるタイプ。
刺繍枠に裏地を縫い留めた後に印を消す必要がなく、早ければ2、3日、遅くても1週間程度で綺麗に消えます。
ご自身で楽しむための作品であれば、完成後すぐに飾ることが可能です。
水で消したい場合は、みず筆、絵の具用の筆や化粧用の筆と水入れ、スポンジ、湿らせたガーゼハンカチ、霧吹きなどなど…様々な道具を用いた方法があります。
わたし個人としては小さな面積は筆でも十分ですが、ある程度の大きさがある場合は霧吹きがおすすめ。
ご自身に合った道具をお使いくださいね。

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手縫い糸は裏地に使用するフェルトと色味を合わせることで全体の印象が綺麗にまとまります。
「手縫いはちょっと苦手…!」という方も、ぜひ。
※カラーフェルトを用いて仕立てる場合、同じ色味の糸が見つかりにくいかもしれません。そんな時はお手持ちの刺繍糸でも大丈夫なので、ぴったりな色味の糸を探してみてくださいね。

2.刺繍を施した布の裏処理

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今回は“刺繍部分を刺し終えた”状態を仮定して説明していきます。
まずは布の余白について。
刺繍枠の直径より2〜3センチ大きく断ちます。四隅は必要ないので丸くカットしておきます。
ここでなるべく綺麗な円になるようにカットしておくことで、次の工程のぐし縫い(幅の広いなみ縫い)のガイドになります。

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四隅をカットし終えたら手縫い糸を2本取りにしてぐるりと一周ぐし縫いをしていきます。
一周縫い終えたら糸を絞布を内側に引き込み、布がたわまないようにしっかりと引っ張ったまま玉留めを行います。

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<少しこだわりたい人向け>
ぐし縫いだけでも十分なのですが、せっかく刺繍を施した表面がたわんでしまっては見栄えが悪いので、上記の画像のように内側に引き込んだ布をしっかりと縫い留めることもおすすめです。
アナログ時計をイメージして、12時の方向から6時の方向へ、6時の方向から11時の方向、11時の方向から5時の方向…と少しずつ間隔を空けながら縫い進めるといいと思います。

3.裏地の準備

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裏地用のフェルトに印をつけます。
刺繍枠の一番外側(ネジがついている枠)の円をなぞり、つけた印の<内側>をカットしていきます。
印の外側をカットしまうと完成サイズよりも大きな円になりサイズ調整が必要なため、そーっと丁寧に進めていきます。
ネジの部分は印が途切れてしまうので、刺繍枠を回すなどして印つけを行います。
※あらかじめ刺繍枠の内側(ネジのついていない枠)の円を用いてなぞっても良いのですが、誤って小さく切ってしまった場合に修正が難しいかな?と思います。
わたしは上記の方法で裏地のフェルトを大きめに切って、縫い留めながらその都度はみ出た部分を切り取りサイズ調整を行っています。

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刺繍枠に沿って裏地のフェルトを切ることができました!

4.裏地の縫い留め方

名称未設定のアートワーク

玉留めをして手前から針を刺し、内側の刺繍枠のキワから針を出します。

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先ほどカットしたフェルトを刺繍枠のキワの部分にのせ、フェルトと布をひと針ですくって刺します。
その都度、針を出す位置は内側の刺繍枠のキワを意識することで綺麗な仕上がりになります。
※刺繍枠の内側と外側をぴったりはめてしまうと縫いにくいので、<内側の刺繍枠>が数ミリ手前に飛び出るようにはめておくと作業がスムーズです。

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フェルトと布をひと針ですくって刺すを、一周分繰り返していきます。
数針刺し進めたところで刺繍枠とフェルトのサイズが一致しているかを確認し、大きくはみ出そうな部分をハサミでカットしていきます。

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刺し終わりが近づいてきたらかがり縫いの間隔を見ながら刺し進め、最後のひと針を刺し終えたところで玉留めをします。

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玉留めをした後の糸はその場でカットせず、裏地のフェルトと刺繍を施した布との間に通します。
通した糸をキュッとひっぱり、仕上げの玉留めをフェルトと布の間に入れ込むことで綺麗な仕上がりになります。

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側面にあった玉留めが隠れた様子と、ぐるりと一周刺し終えた状態です。
※一周縫い終えたら数ミリ手前に飛び出るようにはめていた<内側の刺繍枠>がぴったりと重なるように調整してくださいね。

5.作品の例とまとめ

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わたし個人としては、表から見た時に内側の刺繍枠が数ミリ飛び出ている状態が好み。
刺繍枠の内側・外側がぴったり重なっている状態もとても綺麗だと思うのでお好みで調節してみてくださいね。

今回は図案を刺したわけではなく撮影用に無地の布を挟んでいるだけなので、他の用途も考えてみました。
お手持ちのブローチをインテリアとして飾ってみたりするのも良いかもしれませんね。
文房具・アルバムコーナーなどに置いてあるフォトコーナー用のシールを接着剤で貼り付けることで、写真立てとして使用することも可能かな?と思いました。
また、半円状にした布を刺繍枠の下半分に挟むことで、レターポケットなどをお仕立てすることができます。

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今回紹介した手順でお仕立てした刺繍パネルです。
説明用の画像ではわかりやすいように黄色の刺繍糸を用いていますが、生成色のフェルトに生成色の糸を合わせるとこのような雰囲気になります。

“ぐし縫いのみで終了!”でも問題はない刺繍枠を用いたファブリックパネルですが、こうして裏処理にもひと工夫を施すことでとっておきの一点ものをお仕立てできるかな?と思います。
この記事が少しでも参考になり、この方法でお仕立てしてみたいなという方がいらしたらうれしいです。


刺繍枠のファブリックパネル、もしも気に留めていただけたらおうち時間にぜひお仕立てしてみてくださいね。


次回の更新は7月9日(金)
を予定しています。
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今週も最後までお読みいただきありがとうございました!

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