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ヨコハマトリエンナーレから表現の自由立国・日本を夢想する


※偉そうに語っていますが、筆者は一度もヨコハマトリエンナーレに行っておりません。長文の「お気持ち」になりますが、ご了承ください。


ヨコハマトリエンナーレ(以下「ヨコトリ」と表記する。)が閉幕した。自分の身の回りでの評判が良かったので一度は機会があれば行きたいと思いながら、ついに行くことはできなかった。閉幕直前に、ツイッター上でとある議論が生まれた。それは、「今回のヨコトリが面白かったのか/面白くなかったのか」である。会田誠をも巻き込んだ議論になっていたが、外野から見ていると「面白そう」ではあった。その理由の一つが、松本哉による展示である。


松本哉は、高円寺でリサイクルショップ「素人の乱」の経営をしながら、様々な社会運動に取り組んでいる活動家である。彼もまた、ヨコトリで社会運動性の濃い展示をしていたのだという。私も、とあるアート好きの友人から松本による展示の様子を見せてもらったのだが、政治性(社会運動性、と言っても良いのかもしれない)とユーモアが両立した心躍る内容だった。今回のヨコトリのキュレーターは中国人であり、ツイッター(現X)上では高円寺の様子が中国から見てとても魅力的に感じたのではないかといった分析?も見られた。


私は、ここに日本の新たな可能性を感じている。中国からジャーナリストや起業家が日本に亡命したり、中国で曲を歌えない歌手が日本でコンサートをしたりする事例がこれまでも見られた。習近平による権威主義的社会主義国である中国で表現ができない人が、日本に可能性を見出しているのである。また一方で、日本の成人向けマンガを扱う電子書籍サイトにおいて、米国の決済サービスが使えなくなっている。米国では認められない表現が日本では認められるからこその事態であろう(そこにはもちろん賛否はあろうとは思う)。

権威主義国家中国でできない表現も、Woke国家になりつつある米国でできない表現も日本で行うことができる。これを逆手に取って、「表現の自由国家・日本」を世界にアピールすることができるのではないか。

それとともに、韓国や台湾とも連帯して自由民主主義国家の三兄弟として世界をリードしていくこともできるのではないかとも考える。権威主義に染まったBRICSを始めとしたグローバルサウス各国に対抗する砦として互いに高めあい、そしてかつてほどの影響力を行使できていなち欧州・米国をアジアからサポートする。そのような自由民主主義の連帯を期待したい(いささか勇み足気味ではあるものの)。

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