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バレエ:オッテン作曲《ピーター・パン》、ゲルトナープラッツテアター Gärtnerplatztheater、02.05.24

5月2日、ミュンヘンのゲルトナープラッツテアターでバレエ《ピーター・パン》を観ました。

大人になりたくない少年、ピーター・パンを知らない人はいないでしょう。

映画やミュージカルは有名ですが、これはバレエ。
2016年5月3日、ミュンヘンのクヴィリエ・テアターで世界初演されました。ゲルトナープラッツテアターの委嘱作品です。
当時、劇場が改修に入っていたため、代替劇場のクヴィリエ・テアターでの世界初演になりました(なんと贅沢な!!)。
当時、予定があわず断念したのでやっと観ることができました。

ちなみにこの頃、同劇場のクヴィリエ・テアター上演では、委嘱作品のミュージカル《危険な関係》が世界初演されたのですが、これは観ることができました。
音楽と共に素晴らしかったので、こちらも再演があればぜひ観たいと思っています。おすすめです!

《ピーター・パン》の作者はスコットランド生まれのサー・ジェイムズ・マシュー・バリー(1860〜1937)です。
決してウォルト・ディズニーではありません(笑)。
まず1904年に戯曲として、1911年に小説として発表されました。
バリー、ピーター・パンについてはネットで簡単に検索できるので、ここでは割愛します。
(話はそれますが、最近はWikiなどで簡単に調べてマウントを取る人もいて、そういう人を私は『ウィキ・チシキ人』と呼んでいます。)

プログラムの中にダヴィッド・バリーの一文が掲載されています。ジェイムズはダヴィッドの祖父の叔父にあたります。その中に「ジェイムズは名をなし大金持ちになったけれど、決して幸せではなかった」とありました。
確かにジェイムズの妻は20歳年下の男性と不倫関係になり、2人は離婚し、ジェイムズには子供がいませんでした。
親しくしていた夫婦が亡くなり、彼らの5人の子供の面倒をみたのですが、養子にした子供のうち1人は第一次大戦で戦死、もう一人はオックスフォード大学で学んでいた時に溺死しました。

バリーはその遺言状で遺産と著作権からあがる利益をロンドンのグレイト・オーモンド・ストリート子供病院に寄付しています。

自分には子供がいなかったバリーは世界中の子どもたちに夢を与え、病気の子供を救うべく死後にわたっても尽力しているわけです。

ちなみに、バリーはエリザベス2世とマーガレット王女の幼少時に本を読み聞かせていたそうです。

プログラム。

オーケストラ・ピット。

劇場には子供も多くいました。
これは、学校のプログラムでしょう、子供たちが劇場前の階段に並んで先生が記念写真を撮っていました。

子供たち、普段よりおめかししています。
男の子は襟のあるシャツ(ちゃんとした場所にでる場合、襟はマスト・アイテムです)・・・ただ、寒い!
みんなお行儀よく熱心に観ていました。そして大喝采!
子供の反応はダイレクトで面白いです。

作曲はオランダ出身のハン・オッテン。オッテンは映画音楽の作曲家です。
映画音楽では雰囲気の醸成が重要ですが、この作品でもその『クセ』が抜けない。

ところで、オペラ・クラシック音楽の優秀な指揮者になるためには、バレエとオペレッタの指揮経験を積むことが必要だと私は常々言っています。

そして素晴らしいオペラ演出をするためには、ミュージカルの演出経験が欠かせないと、そうも言っています。

道は険しく、長い・・・・。なにごとも同じですね。

FOTO:(c)Kishi

以下は劇場提供の写真です。© Marie-Laure Briane

誰が誰か、説明の必要はまったくないですね!

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