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BRSO 02.03.23 コンサートの記録:ヤクブ・フルシャ指揮バイエルン放送響(3月2日、ミュンヘン・イザールフィルハルモニー)

3月2日、ミュンヘンのイザールフィルハルモニーでフルシャ指揮バイエルン放送響(BRSO)のコンサートを聴きました。

この日から2日間、ミュンヘンの公共交通機関はストライキのため、ごくわずかな一部を除いて運行停止していました。
イザールフィルハルモニーは元々のホール、ガスタイクが改修中のための代替ホールです。駐車場もあるのですが、そこからはシャトル・バスが運行されており、このシャトル・バスもストに入ったため、車でホールに行くにも駐車場の問題があります。

私は付近の駐車場(と言っても徒歩10分圏内にはありません)に車を留めホールまで歩こうと思い、かなり早く出たのですが、もちろん道も渋滞でした。
しかしコンサート開始2時間半前には近くにつき、ホール近くの裏道にただで停めることができました。たまには幸運に恵まれてもいいでしょう・・・

そんな中、ホールは大変賑わっていました。しかも余裕を見て来たのでしょう、いつもと違い、開始前の早い時間から混み合っていました。
みんな、どうやって来たのだろう、と不思議に思うくらいでした。

コロナの規制がなくなっても、聴衆や観客が戻ってこないのでは、という声がよく聞かれました。
クラシック音楽のファンは高齢者も多く、まだまだ感染が心配なこと、一度コンサートに行かなくなったら「行かなくてもいいか」と考える人が多いのでは、というのが理由でした。
実際、少なくなっていた印象もあります。

しかし、嬉しいことに最近は以前の活気を取り戻していると思います。

プログラム。
同じプログラムで3回の定期コンサートをします。
シベリウスのヴァイオリン協奏曲をマルティヌーで挟んだプログラムです。
定期とはいえ、それに、人気のフルシャとバティアシュヴィリが登場するとはいえ、こんなプログラムを組めるとはさすがです。
もちろん、バイエルン放送響は放送局のオーケストラですから、馴染みの有名曲だけではなく、さまざまな作品を放送で紹介する責任を担っています。

フルシャは現在41歳。
バンベルク交響楽団首席指揮者、フィルハーモニア管とチェコ・フィルの第一客演指揮者を努めます。
そして2025年からはロンドンのロイヤル・オペラ(コベントガーデン)の音楽監督に就任します。

フルシャを最初に聴いたのは、まだ彼が20代でした。その才能は疑いようのないものでした。
そのうち、東京都交響楽団がフルシャを首席客演指揮者に決定したと聞き、大変驚きました。
なお、東京都交響楽団は今、世界のトップ・オーケストラが夢中になっている若手指揮者ナンバーワンのクラウス・マケラ(27歳)を、まだ彼がほとんど無名だった2018年に招聘しています。

東京都交響楽団の担当者の耳の素晴らしさと大胆な決断力に大変敬服します。

シベリウス《ヴァイオリン協奏曲》のソリスト、リサ・バティアシュヴィリは1979年グルジア生まれ。91年にはドイツに移住、94年からミュンヘンでアナ・チュマチェンコに師事しました。

演奏のメッセージが鮮明で強く、私が大好きなヴァイオリニストの一人です。

彼女は、その政治的立場をはっきりさせており、以前からプーチン大統領下のロシアに対する反対を表明してきました。

その彼女が、故国フィンランドの帝政ロシアからの独立を音楽で導いた作曲家シベリウスの作品を演奏する。
聴衆も固唾を呑んで聴き入り、大きな拍手を贈っていました。

ホールに横付けされたバイエルン放送響のトラック。

ここまでの写真はFOTO:©️Kishi


以下はBRSOから提供されたリハーサル時の写真です。©️BR / Astrid Ackermann

胸元に、ウクライナ支援のバッジが見えます。


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