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Heilbronn 10.03.23 オペラの記録:ハイルブロン、モーツァルト《フィガロの結婚》(3月10日、ハイルブロン劇場)プレミエ
ハイルブロンでモーツァルト《フィガロの結婚》の新制作プレミエを観ました(3月10日)。これはハイルブロン・ヴュルテンベルク室内管弦楽団とシュトゥットガルト音楽大学との共同制作でした。
ハイルブロン劇場。この日はあいにく雨風が強く寒い日でした。
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フォワイエ。
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指揮をしたのは小林資典。現在、ドルトムント・オペラで音楽総監督代理兼第一カペルマイスターを務めます。
ドルトムント・オペラは先日、英国本拠の『オペラ・アヲード』2023年で、『最優秀オペラカンパニー』に選ばれました。
また、小林資典は昨秋、インターナショナルなオペラ専門誌『Opernwelt』年鑑で最優秀発掘上演に選ばれた《フレデゴンデ》(ドルトムント・オペラ)の指揮を務め、その力と業績が認められています。
同年鑑の史上、日本人が最優秀に絡んだのは、これが初めてでした。
さて、小林はヴュルテンベルク室内管弦楽団の現マネージャーが以前ドルトムント・オペラのオーケストラマネージャーだった縁があり、オペラ指揮に招かれたのだそうです。
ヴュルテンベルク室内管弦楽団は器楽作品の演奏を中心にしていますが、オペラ作品を演奏することで、音楽への解釈とアプローチ、演奏の幅が広がるということで、オペラ作品にも積極的に取り組まなければ、ということでした。
今回もオーケストラは36人で、見通し(聴通し)の良い颯爽とした音楽でした。
歌手はオーディションで選ばれたのですが、シュトゥットガルト音大関係の若い歌手たちが中心です。オペラハウスの研修生もいます。
オーディションには70人が詰めかけたそうです。
ちなみに、2月、ミュンヘン・ゲルトナープラッツ劇場が研修所を新設するにあたり、研修生を募集したところ、300人の応募があり、選ばれたのは次の4人、ソプラノ(韓国出身)、メゾソプラノ(イスラエル出身)、テノール(アメリカ出身)、バリトン(オーストラリア出身)でした。
研修所でこうですから、オペラハウスの専属歌手になるのはとてもとても難しい。
現在ドイツのAクラス歌劇場のアンサンブルに所属して活躍している日本人歌手は2人。シュトゥットガルト・オペラの石野繁生、カールスルーエ・オペラの高田智宏、2人ともバリトンです。ちなみにバリトンはドイツで大変競争が厳しい声域です。
また、オペラ劇場にはコレペティトールと言って、専属のピアノ伴奏者が必要です。
これは指揮者修行の第一歩ですが、これもただ弾けるからといってなれるわけではありません。
ゲルトナープラッツ劇場は研修所の稽古伴奏用のピアニストも1人だけ募集しました。決まったのはイタリア出身。
インターナショナルなだけに熾烈な競争となっています。
さて、この《フィガロの結婚》ですが、こういう新進の歌手たちを観る・聴くのは大きなオペラハウスの公演とは違う楽しみ、例えば、今後の可能性をあれこれ考えるという楽しみがあります。それにみんなとても真摯で新鮮です。
ただ、指揮者は大変だと思います。
プロの優秀な音楽家たちなら「言わなくてもわかる」、あるいは「言えばすぐわかって実行できる」のですが、まだまだ経験もない、技術もこれから磨かなければならない音楽家だとそうはいかないからです。
そして、彼らの能力を引き出さなければならない。
指揮者として特別な使命感がなければ、引き受けることも、実際に指揮することもできません。
大変な苦労があるだろうな、と思いつつ、小林資典は全体をまとめ、引っ張る素晴らしい指揮でした。
以下はカーテンコール。右から3人目、拍手をしているのが小林資典。
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ハイルブロンの街。
これは市庁舎。
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キリアンス教会。
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キリアンス教会内部。
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街中を流れるネッカー川。寒いのですが、春の息吹も感じられます。
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FOTO:©️Kishi
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