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運動が苦手なハハと、そのムスコのサッカーのこと

 我が家は、スポーツが得意なチチと、学力重視の家庭で育った運動ギライのハハ、というデコボコな組み合わせの父母です。

 ムスコくんはと言うと、チチの教育方針でサッカーをがんばっていますが、哀しいかな、ハハに似て体格も運動神経もイマイチ・・・。

 ハハとしては、そんなにがんばらなくてもいいのに、なーんて思っていたのですが、小4の春を迎えた今、「ムスコくんを応援しよう」という気持ちが、ようやく芽生えてきました。

 芽生えるきっかけとなったのは、他ならぬムスコくんの言葉&行動でした、というお話です。


☆気が付けば週4日がサッカーの日

 うちのムスコくんがサッカーを始めたのは、年長さんのとき。
 基本は地元少年サッカーチームの活動で、土・日曜日はいつも小学校の校庭で練習をしています。最近は、他校チームとの練習試合も増えてきました。

 さらに、木曜日放課後は、サッカースクールに通っています。
 習い事と言えばピアノとかお習字でしょ、と思っていたハハとしては、サッカーを習うの? すでに土日もやってるのに?と驚いたのですが、最近の小学生男子では当たり前のことらしく、地域にはいくつもスクールがあるのでした。
 少年サッカーのお友達は、けっこうな確率で通っています。

 さらに、小学4年生になった今春から、水曜夜7〜9時に少年サッカーチームの「夜練」がスタート。4・5・6年生が合同で練習をしています。

 水・木・土・日曜日はサッカーの日。
 つまり、週4でサッカーです。


☆しかし、運動が苦手なハハのムスコだし

 チチである夫くんは、スポーツ一家で育っており、運動神経に恵まれているタイプ。
 「男の子は、とりあえずスポーツ!」とムスコくんを鍛え、気が付いたら、夫くん本人も少年サッカーチームのコーチに就任していました。

 しかし、ハハであるワタシは、かなり運動が苦手です。
 マラソン大会は100人中88位、運動会はひたすらユウウツでした。

 そんなハハのムスコなので、申し訳ないけど、いわゆる「スポーツ万能な子」ではないのは、わりと一目瞭然。
 運動が得意な子は、幼児期の走り方からスゴいのですが、残念ながらムスコくんはそういうタイプではないようです。

 チチの熱心な指導のおかげでレギュラーに選ばれるくらいには上達していますが、もちろんプロとかそういうレベルでは全くありません。

 ハハとしては、「こんなにがんばらなくてもいいのになあ。それよりも、同じ週4日なら勉強するほうが、将来の役に立つんじゃないかな」なんて、モヤモヤと思っていたりするのでした。


☆「オレ、ゴール決めるから」と約束

 ところが。つい2週間前のこと。土曜日の晩の話です。

 その日は1歳のムスメのお昼寝のタイミングが合わず、ムスコくんの練習を見に行くことができませんでした。

 ごめんごめん、まあしょうがないよね、と寝る準備をしていると、「ねぇ、明日の試合は見に来れる?」と、モソモソとハハに問いかけるムスコくん。

 オッケー、明日は行くよ。ムスメちゃんが寝ちゃっても抱っこして行くから大丈夫だよ・・・と、言うと、ムスコくんの小さな細い目が、キランと輝きました。

 「じゃあ、オレ、明日は必ずゴール決める! おかーさん、見ててね!」と、ちょっとハニかんだ笑顔で答えてくれるじゃないですか。

 うわ。何コレ。 

 ムスコくん、超かわいいなあ!!

 ハハ、ついつい感動。こんな少女マンガの台詞みたいなこと、初めて言われてしまったよ。
 「サッカーよりもテストで点を取ってほしい」という本音はさておき、ここは絶対に応援しなくては。

 急に、心がアツくなってきました。


☆少年時代も、あと数年だから

 そして日曜日。

 昨晩はああ言ったけど、そんなにうまくいかないだろう、と予測をしていました。ダメだったらどうやってなぐさめようかな、と思っていたのですが。

 左サイドハーフのムスコくん、味方が取り損ねたボールをスッとゴールに押し込み、約束通りゴールを決めました。

 チームで1番小柄なムスコくんが、ぴょんぴょん跳ねて、チームメイトと喜び合っています。
 もちろんハハは両手を振って、称えました。

 ムスコくんが生まれたとき、「世界一かわいいな」と思ったのですが、それと同じくらいの強さで思いました。

 ムスコくん、世界一かっこいいぞ。

 * * * * *

 このハハのDNAを持つムスコくんが、ここまで成長するなんて。
 チチにしごかれていると言うより、自分の意志で練習している賜物でしょう。
 週4日の努力は実っているんだな、とようやく認めるに至りました。

 今はまだ幼さの残るムスコくんですが、思春期はもうすぐそこ。
 きっと近い将来、「ゴールを決めるね」と約束する相手は、ハハではなくなるでしょう。

 小学校を卒業するくらいまでは、とにかく応援するっきゃないな、と思ったのでした。

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