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伊藤洋志さんの「ナリワイをつくる」生き方から学ぶ

今日はZINEの冒頭にインタビューを掲載したナリワイ実践・研究科の伊藤洋志さんのことを書こうと思います。

Profile
伊藤洋志さん
ナリワイ代表。修士号(京都大学・農学)取得後、零細企業の創業への参加を経て独立。頭と体が丈夫になって公正な社会環境づくりにつながる、大資本を必要としないナリワイ(生業)の研究と実践に取り組む。実践したナリワイは衣食住教育娯楽と分野を超えて10個超。半農家を増やす「遊撃農家」、住の自給力を高める「全国床張り協会」、環境調和生活を遊牧民に見習う「モンゴル武者修行」などのナリワイに加え、野良着メーカー「SAGYO」のディレクター、「働く人のための現代アートコレクションを学ぶ会」の共同主催なども務める。
著作『ナリワイをつくる』(東京書籍/ちくま文庫)は韓国でも翻訳出版された。ほか『小商いのはじめかた』『フルサトをつくる』(ともに東京書籍)。最新作は「イドコロをつくる-乱世で正気を失わない暮らし方」(東京書籍)

https://twitter.com/marugame
公式サイト http://nariwaibook.tumblr.com/

ZINEのテーマに「暮らすとはたらくが繋がる生き方」を置いたとき、一番初めに浮かんだのは伊藤洋志さんでした。伊藤さんはナリワイを「生活の充実から仕事を生み出す手法」と定義し、「やればやるほど健康になる仕事」とも語られています。

伊藤さんとの出会いは、前職の自由大学。そこで「ナリワイをつくる」という講義をされていたのでした。当時から農業の繁忙期に助っ人に行く「遊撃農家」の活動をされていて、我が家では毎年伊藤さんの梅とミカンを買うのが定番化しています。

「好きを仕事に」どこかフワッとして曖昧なこの言葉とナリワイの具体性

伊藤さんがナリワイを始めた10数年前よりも、個人で仕事をしたり、会社員であっても複業を持つ人が少なくない時代になりました。SNSを開くとインフルエンサーと呼ばれる人も大勢います。私も育児の経験を仕事に繋げている人に憧れて、毎日投稿を追っかけていた時もありました。

でもなんだか、そういうものが危うく見える時もある。自分の興味関心や好きを仕事にするのは耳馴染みのいい言葉だけど、そこに潜む危険性もあるのではないか。そんな気持ちもあります。

一方で伊藤さんのナリワイは、床貼り、モンゴル武者修行ツアー、遊撃農家、野良着の開発販売など、具体的で自分でほしい物を自給自足することを起点としているものが多い。正直、そんなの仕事になるの?と思うようなものもある。だけど怪しさはない。ここに「やればやるほど健康になる」という定義が生きている。

私がどこか不安を感じる個人仕事と、伊藤さんのナリワイの間にある違いとは何か。

そんなことを聞いたりしました。

自分の看板って何だろう

一方で、ZINEをつくろうと決めた背景には、「フリーランスとして何か看板を出さなくては」という思いがあり、ちょっと人生相談めいた話も伊藤さんにはしてしまいました。

結論、いい意味で肩の力が抜けて、伊藤さんにお話を聞きに行って本当に良かったです。

さっきも書いたのですが、伊藤さんのナリワイはSNSで拡散してたくさんのお客さんを集めるようなものではなくて、一風変わった仕事ばかり。でもその原点には、彼が自分の仕事を「ナリワイ」と名付ける前から続く「問い」がある。そのことを教えてもらいました。

ただ変わっているのではなくて、そこには深い考察があるのです。ナリワイ「研究家」でもある彼は、歴史から、実践というフィールドワークからたくさんのことを学び、常に自分の問いを探索している人なのだと思います。

伊藤さんの生き方は、少し遠く感じる人が多いかもしれないけど、ぜひ読んでもらいたいインタビューです。

子どもは梅シロップ担当、わたしは梅干し。親子で梅仕事がおきまり。

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