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ライシャ記念日

我が家から私が通う会社までは約2kmほどの距離で、ゆっくり歩くと40分くらいだろうか。普段はバス通勤か、最近はやたら太ったことを気にして徒歩で通勤している。2kmといっても半分以上が登り坂なのだ。もしも自転車で行くことになっても、電動自転車じゃないと嫌だなぁと私なら思うところだ。

会社では、昼に30分、夕方に30分休憩時間があるのだが、昨日はたまたま夕方の休憩を屋上で取っていた。

ふと気づくと私の背後にある窓ガラスの向こうに先輩が立っており、私を呼んでいる。どうやら探しにきてくれたらしい。
何事かと急いで屋内に入ったところ

「おたくの息子さんが、鍵がなくて家に入れないからって会社に来ているらしいよ」

・・・え?!えーーー?!どうやって?!

息子が待っているという場所に急ぐと、息子は私の顔を見た途端に緊張が解けたようにワッと泣き出した。

友達と遊ぶ約束してたのに!
家に入れないし!
道に迷ったし!
全部坂だし!
1時間もかかったし!(泣)

聞けば自転車を一生懸命漕いで来たそうだ。
相当に長い距離の登り坂なのに!すごい!(笑)
そして迷い込んだという道も相当急傾斜な坂道だった。可哀想!(笑)
いやいや、本当にとても大変だっただろう。道に迷ってすごく不安だったことだろう。よく頑張った。よく頑張った。

しかも、今から思えば重たーいランドセルを背負ったままだった。。。
自転車を置いている玄関までは入れたのだから、置いてくれば良かったのに。。。

帰り道はずっと下り坂なのでブレーキを掛けきれるか心配ではあったが(自転車のサイズアップをしたばかりだったから)、鍵とお菓子とジュースを持たせて一人で家に帰した。本当は、せっかく来たのだから会社の屋上から見える素晴らしい夕焼けを一緒に見たかったのだが、それを見ると帰り道が暗くなってしまうため我慢した。

それにしても、今まで車で通りすぎたことはあっても、自転車や歩いてきたことは無かったのに、よくぞたどり着いたものだと心底感心した。もう一人で自転車に乗せること自体にヒヤヒヤしていた頃よりずっと成長したのだなぁ。ずっとずっと遠くまで行けるようになってしまったのだなぁと母さんちょっと目頭が熱くなったよ。

「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日

「眺めがいいね」と君が言ったから一月十八日はライシャ(来社)記念日
(すみません、ふと頭に思い浮かんだものだから(笑))

きっと苦労しただろうけど、息子にとってはちょっとした冒険だったに違いない。この経験も自信につながっていたら良いな。

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