見出し画像

映画『告白 コンフェッション』(6/1鑑賞)

天候以上に荒れ狂う両者の関係、攻防に呑まれた。
雪山で遭難した親友二人。負傷し死を覚悟したジヨンは、16年前の山岳部で起きた事故が自らの殺人だったと浅井に告白。だが山小屋へ避難できた彼らは、気まずい一夜を過ごすことに。

最初は静謐な緊迫感が流れるんですよ。殺人の“告白”を聞いてしまった/言ってしまったことで、今まで通りには振る舞えない。
片方だけが重い秘密を知るアンバランスさ。しかし浅井は差し出す秘密がないと言う。

やがて膨らんでいく疑念。感じる命の危機。
ついに生き残りを賭けた戦いに発展する。

山小屋の構造と備蓄とを駆使して、激しく争う二人。特にジヨンの様は異様に恐ろしく、ホラー映画のような凄まじさがある。一方で浅井は逃げることが主で、それは大事なことと向き合わずにきた“逃げの姿勢”の表れでもあるんです。
攻防の中に、彼らの抱く感情や本質が現れ、暴かれ、入り乱れていく。

そうして迎える朝に何が待っているのか。
闇の去った世界で、それまで何が見えていなかったのか、そして何を見ていたのか分かったとき、どくりと胸が鳴ったんです。

起こっていることは実にシンプルで、ゆえに恐怖と狂気に満ちた一夜を生んだものが強烈な印象を刻んだ。
駆け抜けるような映画体験。


『告白 コンフェッション』本予告

この記事が参加している募集

#映画感想文

67,269件