如月新一『あくまでも探偵は』(4/11読了)


このコンビ、とても気に入ったな。
困っている人を放っておけない平優介。
弱者を虐げ利用する者を許せない森巣良。
二人の高校生が、悪意が潜む事件の解決に動く。

頭が切れ、顔立ちも整い、愛想のよい人気者。そんな森巣の別の顔を、やがて平は知ることになるんです。好青年は繕った姿で、目的のためならルールに外れた行動さえも取る。平も時に利用され、振り回され、悩むこともしばしば。
でも。
森巣の生き方が悪と呼ばれるものだとしても、彼が悪に立ち向かえる存在だと、彼の中に自分と似た正義もあると平は感じるようになる。

勇気や覚悟が足りないと自覚する平が、森巣と過ごす中で見せる変化も好きだし……森巣と向き合いながら築いていく関係、望む在り方にも惹かれるんです。
一方の森巣が、わりと平を評価している面があるのも、けっこう彼を気に入っている素振りを見せるのも良いんですよ。
いいコンビだなあ……。


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