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医療的ケア児等コーディネーター養成研修をおえて
自宅での学習と3日間の対面研修。
あわせて約40時間。
法律に基づいた公的資格【第1条 医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律(令和3年法律第81号)】ですので、
なかなかのボリュームではありましたが、無事に終了しました。
会場で繋がれた方々は、
看護師さん、保健師さん、公認心理師さん、理学療法士さん、相談支援専門員さんなど
医療福祉のエキスパートばかり。
講習で飛び交うボキャブラリーは
教育業界では聞くことのない
専門用語のオンパレード。
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美術教諭の受講者はおそらく私だけで、半ば戸惑いながらもテキストにかじりつき、
命の現場をイメージしようと悪戦苦闘していました。
日頃、創作支援で携わっている目の前の子どもたちを〝もっと知りたい!〟という一心で受講したわけですが、
死生観の考察や中途障がいのお子さんの事例、
ご家族の苦悩を知っていく中で私は
〝自分の共感力〟
に押しつぶされそうになったのでした。
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〝もしかすると命の現場にはあえて心を麻痺させる瞬間があるのではないか。〟
個人的な見解ですが、出会った看護師さんのお話を聞きながらそう感じました。
私自身は心を麻痺させないために美術教育に従事してきました。
しかし医療の現場では、麻痺とまではいかなくてもご家族を支援するため毅然とした態度、心のバネ、ストレングスが求められることも知りました。
クライエントさんの死に直面するとき…
子どもさんの死に直面するとき…
ご家族と葬儀に参列するとき…
延命のために働きかけてきた医療従事者、ご家族を励ましてきた福祉関係者はどんな想いでいるのだろうか。
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1分1秒を争う現場に、
色と形と音楽が参入するタイミングや手立てはあるのだろうか…
そもそも私はなぜホスピタルアートを実践したいのだろうか。
そんな自問自答の中である景色が
見えてきました。
きっかけはやはり9歳の時に訪れたセルビア
(旧ユーゴスラビア)のがんセンターにありました。
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91年から95年のボスニア紛争により
傷ついた子どもたちがセルビアのがんセンターに運ばれてきました。
戦争への恐怖や環境激変によるストレス、また爆弾の影響により髪の毛がすっかり抜けてしまった少年少女に出会いました。
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近隣諸国からの経済制裁で薬や物資が届かない最中、彼らは病床で手を動かすことをやめなかったのです。
手作りのピエロ。
花束。
遠い日本からやってきたお友だちをもてなしたいと手渡してくれた数々のプレゼントに
彼らの命の温もりを感じたのでした。
医療と福祉の手段がストップされた時、
唯一の治療ツールとなるのは自分自身の表出する色や形、また音楽であることを
この国で悟ったのでした。
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今回取得したコーディネーターの資格に音楽とアートの視点を絡めてみるとどうなるのかをイメージしています。
当事者やご家族に寄り添う入り口に立つ為の一つの手段だとも思っています。
医療と福祉と教育の架け橋として
アートと音楽ができること。
新しい社会資源が創出されるように、まずは動き出してみようと思います。
米光智恵
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米光智恵のこころでアート
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