【選挙ウォッチャー】 NHKから国民を守る党・動向チェック(#123)。
かねてから立花孝志代表は、億単位の政党助成金が入ってくるので返済ができるんだと主張し、参院選の時には年利15%で1億円、今度の衆院選のために必要な準備金約4億5000万円を借りました。しかし、前々から指摘されていたことではありますが、政党助成金を借金の返済に充てることはできません。つまり、立花孝志代表の動画の説明は、最初からロジックが破綻しているため、このままだと「詐欺」だと言われても言い逃れができなくなってしまいます。僕はN国信者たちから「アンチN国の筆頭」みたいに扱われていますが、僕ほどNHKから国民を守る党やN国信者たちに優しくアドバイスをしている人はいないのではないでしょうか。なにしろ、逮捕されたり、お金が返ってこなくなったりする前に指摘しているのですから、褒められることはあっても、ディスられる筋合いはないってな話です。
■ キャッシュアウトする国政政党
立花孝志代表は11月14日に「N国党はYouTubeの広告収入が無くても大丈夫な理由とN国党の今後の財政状況」という動画をアップし、YouTubeの広告収入には最初から頼っていないと言い出しました。その上で、立花孝志ひとり放送局を作った理由を以下のように述べています。
「電通をぶっ壊すために立花孝志ひとり放送局を立ち上げたんですね。で、まあ、電通をぶっ壊すと言うと、ちょっと言い方に間違いがあるんで訂正しますが、電通さんと競争できる会社を作らないといけないという思いで立花孝志ひとり放送局株式会社っていうのを立ち上げたんです」
N国信者の皆さん、耳の穴をかっぽじってよく聞いてください。立花孝志代表が「立花孝志ひとり放送局株式会社」を立ち上げた理由は、「電通と競争できる会社を作るため」です。参考までに、電通は世界第5位の売上を誇る広告代理店であり、その年商は連結で5兆3572億7800万円。ちなみに、業界では電通の次に知名度がある博報堂の年商が7479億4300万円だと言われていますので、「電通と競争する」と言うからには、少なくとも博報堂を超えるぐらいの売上が欲しいところですが、立花孝志ひとり放送局は今のところ、古参のN国信者の皆さんに買ってもらった株の増資の手続きもまだ終わっていません。YouTubeの広告収入も止められてしまい、ただの無収入ニートおじさんです。
「当時の僕の考え方は、もう広告収入は得ないということで、なぜ得ないかって言ったら、広告収入得るために広告料をくれる大企業に、まあ配慮してしまう、そういった危険性があるから、それはもらいませんというところからスタートしているんですね。えー、知っている人はもう僕がパチプロをしてる頃から、あのYouTubeをご覧いただいている方は、そのポリシーっていうのはご存知だと思います」
そもそもYouTubeの広告というのはGoogle先生が何を表示するのかを決めているので、広告を我々がコントロールすることができません。おそらく人によって表示される広告が異なります。つまり、YouTubeの広告に対して忖度するということが物理的に不可能なので、スポンサーに配慮する必要がないのがYouTubeの魅力的なところなのです。つまり、こんなデタラメに騙されるバカはN国信者しかいません。だいたいYouTubeの広告がついていた頃は札束を見せながら「こんなに儲かっている」と自慢していたし、「このままだと忖度しちゃうかもしれない」なんて危機感はゼロでした。実際、忖度のしようがないんですけど、パチプロ時代からポリシーにしていたのなら、どうして今まで広告表示をオフにしてこなかったのでしょうか。この時点で、立花孝志代表がどれだけデタラメを言っている人間なのかが一目瞭然だと思います。
さて、立花孝志代表がこの動画を作った目的は、YouTubeの広告収入がなくても大丈夫だということを知っていただき、そして、さらなる出資者を募りたいということだそうです。こちらも皆さんにわかりやすく解説します。
立花孝志代表は、収入は黒、支出は赤で書いています。現在、NHKから国民を守る党の預貯金は2400万円。借金は立花孝志ひとり放送局株式会社の5000万円と、前回の参院選で借りた1億円で、合計1億5000万円です。収入は(1)と(2)であり、内容は以下のとおり。
(1)165万円:浜田聡議員の文書交通費と立法事務費を寄付。
(2)135万円:N国信者から振り込まれている視聴料。
国会議員の文書交通費などは領収書がなくてもいいので、何に使ったのかがわからなくてもマルッと受け取ることが可能です。しかし、浜田聡議員はそれをすべて党に納めているということは、国会議員として移動することはないということなのかもしれません。ちなみに、立花孝志代表は「NHK撃退シール」なるものを送り付けているのですが、その封筒にはシールだけでなく、視聴料を払うように促す紙が入っています。タダでもらうのも申し訳ないということで、いくらか振り込む人も少なくないのですが、その収入が月135万円になるというのですから、シールを発送するという行為がどれだけのビジネスになっているかは一目瞭然です。このことからわかるように、NHKから国民を守る党の収入は毎月約300万円だということになっています。では、支出はどうなのか。
(3)400万円:N国党スタッフの人件費
(4)100万円:上杉隆幹事長の会社に振り込むお金
(5)100万円:秘書や立花孝志、コールセンターの家賃
(6)300万円:弁護士費用などのランニングコスト
N国党スタッフの人件費の中には、粟飯原さんという元ガールズバーの元カノの私設秘書、「イトウ」という事務員、カメラマン、コールセンターのスタッフなどの人件費が含まれているそうです。一説には彼女である司法書士の加陽麻理布さんには毎月30万円の顧問契約料を支払っているという話ですし、毎月40万円のギャラの人が10人いる計算になるので、業務の内容を推測する限り、人件費があまりに高すぎます。逆に、上杉隆幹事長の会社に振り込むお金は100万円だというのですが、こちらはこちらで安すぎます。上杉隆幹事長の能力からすれば高すぎるかもしれませんが、NHKから国民を守る党の幹事長を引き受けるのに月額100万円は安すぎます。100万円の家賃については、私設秘書2人、公設秘書1人、立花孝志代表、コールセンターの家賃の合計です。それ以外に弁護士費用や誰かを接待した時のお金などのランニングコストが約300万円。ということで、毎月の支出はだいたい900万円ということになり、300万円の収入に対して900万円の支出ですから、毎月600万円の赤字になっていくという計算です。2019年11月末の時点で党の貯金は1800万円になっていて、政党助成金が入ってくるものの、立花孝志代表の説明では2020年3月にはキャッシュアウトしてしまう。これは会社で言うと不渡りを出してしまい、倒産するということになります。立花孝志代表はNHKでは経理を担当し、巨額の裏金を作ってきたと自称しているわけで、あまりに能力が高いので会長のお気に入りだったとも言っているわけですが、だとすれば、なぜ4ヶ月後にも倒産するかもしれない危険な状況まで財務を放置し、秘書の人数を減らしたり、部屋の数を減らしたりという対策を取らなかったのでしょうか。
改めて、立花孝志代表が支払わなければならないお金は、それだけではありません。参院選の時に借りた約1億円の借金については「年利15%」という消費者金融の上限金利とほぼ同等の金利で借りており、支払わなければならないお金はまだまだこんなものではないのです。
(7)500万円:丸山穂高議員に約束した政党助成金の分け前
(8)1820万円:参院選の時に議員から借りたお金の返済
(9)2300万円:(7)+(8)の合計金額
(10)700万円:約1億円の借金についての金利分
(11)3400万円:N国党に入ってくる政党助成金
丸山穂高議員がNHKから国民を守る党に入る時に約束した政党助成金の分け前が500万円。立花孝志代表は1300万円と書いているのですが、参院選の時にN国党の各地方議員から借金した130万円の返済が65万円が28人分で1820万円。合わせてざっくり2300万円。そして、ここからが驚きなんですが、約1億円の借金については元本は減らさず、金利の部分だけをお支払いで700万円。そして、待望の政党助成金が3400万円なんですが、これまでの支出金額をまとめると、ランニングコスト900万円に、丸山穂高議員への500万円、各地方議員への1820万円、借金の利息分である700万円を支払うことになり、支払い金額の合計が3920万円。なんと、政党助成金が入ってきても支出の方が多いのでマイナスになります。
1月、2月、3月と政党助成金が支払われないため、順当に600万円ずつ貯金が減り続け、さらに3月には参院選で落選し、供託金が戻ってこなかった人たちのお金をNHKから国民を守る党で持つために「贈与」という形を取るため、600万円の贈与税の支払いが見込まれ、3月には800万円の赤字となり、NHKから国民を守る党はキャッシュアウトしてしまうというわけです。
(12)600万円:支払う予定の贈与税
(13)4200万円:新たに入金される予定の政党助成金
4月と7月には各4200万円の政党助成金が入るのですが、支払うべきものがあまりに多すぎるため、立花孝志代表の収支によると、4月以降もほとんど収益は改善できず、オリンピックイヤーで東京都知事選なども控える2020年の党の収支は悲惨なことになります。
2020年 5月: 500万円
2020年 6月:△100万円
2020年 7月:△700万円
2020年 8月: 600万円
2020年 9月: 0万円
2020年10月:△600万円
2020年11月: 700万円
5月以降は黒字と赤字を何度も繰り返しながら、低空飛行を続けるしかないというのがNHKから国民を守る党の収支になります。先日の朝霞市議選や上尾市議選はNHKから国民を守る党の議員が誕生しましたが、各地で選挙に出まくる立花孝志代表は、供託金を没収されるレベルの惨敗続き。ここまで海老名市長選、桜井市長選と2連続で供託金を没収されており、今週の小金井市長選でも供託金没収はほぼ確実です。そのたびに100万円単位の支出があり、東京都知事選に立候補しようとなると300万円の供託金が必要になり、これもまた没収されるのはほぼ確実。党の支出はまだまだこんなものではないのです。
■ 党の倒産を免れるための手が借金4億円
倒産を免れるための方法は主に3つです。「支出を減らす」か「収入を増やす」か「お金を借りて延命する」です。この中で最も簡単なのは支出を減らすことなので、供託金が没収されるだけの立候補は止めるなどの策を講じるべきだと思いますが、立花孝志は支出を減らしません。YouTubeの広告を止められてしまい、その他の努力をするわけでもない立花孝志代表に収入を増やすことはできませんので、道は1つしか残らず、借金をして延命をするということになります。そして、金利のことを考えても借金は必要最低額に抑えるのが一般的ですが、立花孝志代表は約4億4600万円という莫大な金額を年利10%(2年目以降は5%)という消費者金融並みの金額でお金を借りることになったのです。ただし、立花孝志代表に返済能力があるとは思えません。立花孝志代表にお金を貸すのはN国信者なので、N国信者がどうなっても知ったことではないのですが、それでも被害者を増やすべきではありません。なので、どうして立花孝志代表に借金を返すことができないのかを、改めてレポートすることにいたします。
■ 選挙ウォッチャーの分析&考察
立花孝志代表は僕がカラんできたと表現していますが、立花孝志代表はわざわざ車を止め、僕にカラんできました。なので、僕は以前から聞きたかった推定2000万円は使っているであろうエンリケさんの店のキャバクラ代は誰が支払ったのか、借金に返済のアテがないことを質問しました。立花孝志代表からのまともな回答はありませんでしたが、借金の返済のアテがないことについては明確なので、こちらはレポートで追及していきます。新たなN国信者は、今回の騒動で初めて僕のことを知ったかもしれません。おかしいことに気づいていただきたいので、しっかり解説します。