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【選挙ウォッチャー】 衆院選2021・愛知11区レポート。

10月19日公示、10月31日投開票で、衆院選が行われました。愛知11区は「豊田市」ということで、まさにトヨタ様のお膝元となっている選挙区です。日本が誇る世界的企業であるトヨタ様に逆らう者は生きていけないというのが、この土地の掟です。トヨタ様のお気持ち一つで、ありとあらゆるものが動いてしまうのが、この「愛知11区」という土地です。このたびトヨタ様は立憲民主党を応援せず、自民党を応援することに決めたため、これまでトヨタ様のために働いてきた古本伸一郎さんが不出馬となり、地元選出の自民党議員が圧勝する結果となりました。

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八木 哲也  74 現 自民党
本多 信弘  45 新 日本共産党
梅村 忠司  65 新 無所属

噂によると、せっかくトヨタ様が巨額のスポンサー料を払って東京五輪の開催を前に進めようとしてやっているのに、立憲民主党が「東京五輪中止」なんていうナメたことを訴えるものだから、トヨタ様のご機嫌を損ね、自民党への乗り換えが加速したのではないかという話があります。結局、東京でたくさんの人が死にましたが、「オリンピック選手たちの努力が報われたのだから開催してよかった」というのが、ジャパニーズメンタルです。人の命を守る観点からすれば「中止」という判断が正しいのでしょうが、経済界はもちろん、日本の国民が「命よりも感動」を優先していると言ってもいいのかもしれません。日本はそういう国なのです。


■ 八木哲也候補の主張

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愛知11区は、2003年から民主党の古本伸一郎さんが圧勝し続けてきた特殊な選挙区です。自民党の八木哲也さんは、2012年から立候補し、2014年、2017年と3連敗していますが、いずれも比例復活。自民党のオリジナルルールでは「73歳以上は比例復活なし」と決まっており、八木哲也さんは今年74歳なので、もし古本伸一郎さんが立候補してくることになったとすると、おそらく落選してしまうので、比例復活もできずに政界を去らなければならないはずでした。ところが、トヨタ労組の方針転換によって自民党を推すことになったため、古本伸一郎さんが下ろされ、さらに八木哲也さんをガッツリとバックアップ。東海ブロックの小選挙区でことごとく自民党が小選挙区を勝ったのは、トヨタ様の方針転換も多少影響している可能性はありそうです。そこをつないでおくことができなかった立憲民主党の戦略的ミスということになろうかと思います。


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