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【選挙ウォッチャー】 NHKから国民を守る党・動向チェック(#223)。

 世の中は、さまざまな誹謗中傷で溢れている。そして、こうした言葉の暴力に酷く傷つき、命を絶ってしまう人もいる。だから、ネットに溢れる誹謗中傷をどうにかしなければならないことは間違いない。
 しかし、今、「NHKから国民を守る党」という国政政党がやっていることは、誹謗中傷をなくすことではなく、人々を委縮させ、人々から自由な言論を奪う行為そのものである。それどころか、批判かもしれないものを一方的に誹謗中傷だと決めつけ、裁判で脅し、示談金を要求するものであり、まさに「恐喝まがいの蛮行」である。
 なぜ、私がここまで書くのか。私はNHKから国民を守る党やその関係者から裁判を仕掛けられているが、立花孝志やNHKから国民を守る党に対して恨みがあるわけではない。こうした恐喝まがいの蛮行に、大きな不安を覚え、精神的に追い詰められた末に、それまで慎ましくも幸せに暮らしてきた平和な家庭がぶっ壊されているからである。どれだけ「詐欺師」だと罵られようと、どれだけ私のイメージが地に落ちようと、真実を白日の下に晒すことで、より多くの方に「NHKから国民を守る党」がどのような政党なのかを知っていただきたい。
 これは、先日お届けした「N国党が始めた、批判者を標的とした『誹謗中傷示談金ビジネス』。被害者は心を病む人も」の続きとなる、告発記事第2弾である。


■ キッカケは「ゴキブリの寄生虫」と言ったこと

 キッカケは、ごく普通の一般人が書いた「立花は床下をコソコソ逃げ回るゴキブリかと思ったら、ゴキブリの寄生虫だったというオチ。立花くん、キミね、みじめなのよw」というツイートである。
 確かに、このツイートには賛否が分かれるかもしれない。仕事をしない政治家に対して「よくぞ言ってくれた!」という人がいる一方、「こういう汚い言葉を言われたら政治家でも傷つくので言うべきではない」という人もいることだろう。
 しかし、毎年1億6000万円以上の税金をもらっていながら、センター試験間近の予備校の前で大音量の迷惑演説をかましたり、ヤジを飛ばした高齢者を私人逮捕したり、暴行を受けた女性アイドルに対して「男性に媚びている職業の女性が襲われるのは仕方がない」と言い放ったあげく、これが彼女のセックステープだといって動画を紹介したり、威力業務妨害、不正競争防止法違反、脅迫罪で起訴されたりと、こうした数々の蛮行を見せつけられたら、「こんな政治家はゴキブリ以下だ」と感じることは何ら不思議ではない。こうした批判は、身体的特徴や出自をバカにしているような発言ではなく、明らかに政治家としての資質を問うものである。
 そんな一般人に対する立花孝志のツイートが、これである。

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「私は謝罪する人間は許しますが、謝罪しているフリをしているだけの人間には徹底的に攻撃します」

 立花孝志は『攻撃』という言葉を使い、謝罪を要求している。
 国政政党の代表の言う『攻撃』とは、いかなるものか。実は、このツイートをした翌日、立花孝志は事件を起こしている。
 それは、私の顔を撮影した人間には1人10万円、最大50万円の懸賞金をかけるという動画をアップし、実際に不審な二人組が私の自宅にやってきて、何の断りもなくカメラを回し始めたのである。その後には柏市議の大橋昌信が小型カメラを片手に自宅付近にやってきて、私の目の前で自宅方向にカメラを向け、それを立花孝志のYouTubeにアップしている。さらに悪質なのは、立花孝志や大橋昌信が私の自宅を特定するツイートをしたり、さらにはYouTubeをアップしたことで、私の家には深夜に何度もピザが届くようになり、高額な代引商品が送り付けられるなどの被害が発生している。こうした被害に、私の家族が不安を感じるようになったため、サポートするために本業である選挙の取材に行くことができなくなってしまった。
 強烈な不安を覚えたのは、私の家族だけではない。立花孝志に『攻撃』を予告された上で、こうした被害を目の当たりにした人もまた、大きな恐怖と不安に襲われ、こちらはとうとう入院してしまった。そもそも立花孝志が私の住所を知ったのは、これまた10万円の懸賞金をかけて住所と名前を募集したからである。私は過去のブログで会社設立を報告しており、その会社の登記から私の住所と名前を割り出し、立花孝志に提供した人物がいたのである。NHKから国民を守る党には「特定班」を名乗る支持者がおり、立花孝志が動けば、いつ特定されて襲われるか分からないのである。被害者は、何度も何度も言い表せないような恐怖に繰り返し襲われるようになり、現在は薬を処方され、ただただ天井を見つめているという。薬の影響で意識が朦朧としているため、差し入れでもらった小説が読めず、気になったフレーズを抜き取ってはノートに書いているそうだ。


■ 立花孝志と福永活也弁護士の釈明

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(01:04:58~)
立花:ちだい君は昨日のYahoo!ニュースに、精神的に何か病んでるっていうふうに書いてるんですよ。で、それ、おそらくその[※アカウント名]という女の子だと思うんですね。で、これ、彼女はその「16件に入ってなくて良かった」と、こう来たんですよ。僕に公開のリプで。で、で、その子のその書き込みを初めて見たんですよ。そうしたら、ゴキブリ、なんか駆除しなきゃいけないとか、まあ、酷いこと書いてたんですよ。

福永:っていうか、それ、開示決定になってません?

立花:いや、それを2回目に、いや、いや、その出さなかったんですよ、1回目の16に。で、で・・・。

福永:1個目にもありましたけどね、ゴキブリだから駆除しろみたいなの。

立花:それはまた別の人です。もっと酷いこと書いてあるんですよ。で、さすがに、さすがにこれはダメでしょうってことで、で、本人と交渉したんですよ。で、僕はあなた反省してないようなので、あの、これは開示決定しますよって言ったら、そうしたらダイレクトメールが来て、で、ごめんなさいっていうのが来たんで、で、じゃあ住所と名前を出してもらったら、あの、べつに構いませんよ。じゃなかったら、誰に謝ってるか分からないからって言ったら、それはできませんと。なぜですかって言ったら、個人情報ばら撒かれるからですと。いやいや、これもらって俺が個人情報ばら撒いたら、俺が今度問題になるから、っていうかもう、誰か分からない人からいくら言われても無理ですって言って、で、断ったんですよ。

福永:まあ、住所を教えるっていうのはちょっと不気味だっていう気持ちはわかるんですけど、でも、被害者からすると、示談の条件に何を提案するかはこちらの自由なので。

 この会話を聞いて、皆さんはお気づきにならないだろうか。
 立花孝志は1回目の開示請求の中に彼女を入れていなかった。2回目の開示請求を出したのは10月19日だと別の動画で話している。しかし、彼女の「入っていなくてよかった」というツイートを見て、その日のうちにダイレクトメッセージを送り、立花孝志はその翌日の10月15日から16日にかけて、30万円を要求しているのだ。さらに、住所と名前を教えた場合でも5万円を振り込むように、指定の口座まで示している。

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 つまり、立花孝志はまだ情報開示の仮処分の決定が下される前から、何の法的根拠もない状態で、被害者の女性に100万円以上の裁判を起こされたくなければ、5万円やら30万円やらを払えと言っているのである。
 これを「恐喝まがい」と呼ばずに何と言うのだろうか。
 皆さんに改めて考えていただきたいのだが、これは日本に9つしかない国政政党の代表のやっていることである。これが「誹謗中傷を止めること」につながるのだろうか。


■ 福永活也弁護士の的外れなオーサーコメント

 先日、Yahoo!ニュースにも掲載された「N国党が始めた、批判者を標的とした『誹謗中傷示談金ビジネス』。被害者は心を病む人も」という記事に対して、福永活也弁護士が以下のようなオーサーコメントを出している。

「仮処分決定後の示談交渉について恐喝になるという批判があるようですが、そもそも一般的に紛争事件において、一切の司法判断を経ていない自称被害者にとっても、加害者に対して、弁護士を代理人として示談交渉することは正当な交渉として容認されているぐらいですので、一つの司法判断を経ている本件についても正当な交渉となるものと考えます」

 この福永活也弁護士のコメントは、とても的外れだ。
 なぜなら、立花孝志の示談交渉は「仮処分決定前」に行われている。クライアントに確認すればすぐにわかることなのに、福永活也弁護士は確認もせず、もしくは、すっとぼけて「仮処分決定後」を前提にしている。交通事故で例えるなら、警察も到着していない段階から「オマエが金を払え」と脅しているようなものである。
 福永活也弁護士は「一つの司法判断を経ている本件についても正当な交渉となる」と書いているが、一つの司法判断も経ていない。これはもう「恐喝未遂」の可能性も出てくるのではないだろうか。


■ 立花孝志の政見放送こそ誹謗中傷の塊

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 ネットの誹謗中傷問題を解決すると豪語している立花孝志であるが、そもそも立花孝志の政見放送こそ誹謗中傷の塊である。
 特に、今年の東京都知事選では、不倫をしていたとするアナウンサーを特定できる形で紹介し、路上でカーセックスをしていたとして、その再現まで演じてみせた。およそ国政政党の党首をしている人間の行動とは思えない下劣極まりない政見放送であるが、当時のマスコミは、公的に発信される放送の中で深刻な人権侵害と呼ぶべき行動があったことを報じなかった。話題にしてしまえば、まんまと立花孝志の狙い通りになってしまうため、あえて指摘をしなかったと思われる。
 しかし、「説明をしないNHKが悪い」と言わんばかりに、何度も続けられる立花孝志の名誉毀損。被害に遭っているアナウンサーたちも、さぞ立花孝志の言動には腸が煮えくり返っているに違いないが、訴えでもしたら、立花孝志が面白がって裁判の様子を動画で拡散することは目に見えている。彼らは泣き寝入りする以外にないのである。
 それ以外にも、男性ファンに襲われた女性アイドルに、これが彼女のハメ撮り動画だと言って、立花孝志のYouTubeチャンネルに動画を勝手に転載。実際は、カメラに映っていないところで足を動かしていたに過ぎないが、事情を知らない人にはそう見えたのかもしれない。
 こちらも深刻な人権侵害であるが、事務所が立花孝志を訴えるようなことはしなかった。いくら事実と異なるとはいえ、立花孝志にYouTubeであることないこと言われ、この話が大きくなってしまえば、タレントとしての価値が下がりかねない。やはり泣き寝入りをするのが一番の得策になってしまうのだ。
 こうして立花孝志は、自分は数々の名誉毀損をしておきながら相手から訴えられることがなかったために、自分の発言を棚に上げ、国民から「ゴキブリ」と言われたぐらいで訴え、さらには5万円やら30万円やらといった金額を要求しているのである。


■ 立ち上がってくださった弁護士の方々に感謝

 国政政党の代表が行っている恐喝まがいの誹謗中傷示談金ビジネス。政治家が企業からこっそりお金を受け取ってしまう不祥事は目にするが、国政政党の代表が「ゴキブリ以下だと言われた」からといって、ごく普通に暮らしている国民を裁判で脅し、お金を取ろうとする話は聞いたことがない。
 立花孝志本人は「法律のプロ」や「法律の専門家」を自称しているが、もはや「法の抜け穴」すら逸脱し、法的根拠もなく金銭を要求しているのだから、これを「恐喝まがいの蛮行」と呼ばずに何と呼べばいいのだろうか。
 大変ありがたいことに、先日の告発記事は多くの方に読まれ、たくさんの弁護士にも届いたようだ。中には、立花孝志や福永活也弁護士から問い合わせがあれば無料で相談に乗ると立ち上がってくださる方もいて、実際、問い合わせもあるようだ。こうした取り組みをしてくださる弁護士の皆さんには感謝しかない。
 ネットに溢れる誹謗中傷は問題だとしても、それがお金を脅し取られるようなビジネスになってはならない。ましてや、党名に「国民を守る」と書いている国政政党が、たかが「ゴキブリ」と言ったぐらいの国民に対し、弁護士と組んで示談を迫るようなことがあっていいのだろうか。
 冒険家グランドスラムにリーチをかけている冒険家弁護士は、NHKから国民を守る党という危険な山から無事に下りてこられるのか。じっくり見守ることとしよう。

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