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【選挙ウォッチャー】 三島市長選2018・分析レポート。

こんなに闇の深い選挙は滅多にあるものではありません。12月16日に静岡県三島市で市長選が行われる予定になっているのですが、これを「地獄絵図」と呼ばずして、どう表現すればいいのかが分からないという選挙になっています。僕が住んでいる所は、あの桜田義孝先生というワールドスケールのコント職人を生み出した街なので、けっして三島市のことを見下したりすることはできないのですが、しかし、他の街に住んでいる人たちは、きっとこう思うことでしょう。「三島市に住んでいなくてよかった」と。

豊岡 武士 75 現 連合静岡推薦
宮沢 正美 69 新 自民党
石井 真人 39 新 松下政経塾

立候補しているのは現職を含む3名で、豊岡武士さんは御年75歳。もうすぐ誕生を迎えて76歳になるそうで、任期を満了する頃には80歳間近。見た目には健康そうに映るので、きっと万が一のことはないのだろうとは思いますが、引退してもおかしくない年齢にもかかわらず、ここで市長選に立候補するのは、駅前の再開発事業を前に進めるためだと言われています。新聞のニュースにもなったのですが、豊岡武士市長は駅前の再開発の中止を求める請願を出した市民に対し、「反対するなら俺を殺せ!」という狂った発言を繰り出した暴走老人市長。どうしてこうなっているのかを説明するでもなく「殺せ」と言ってしまうのですから、相当なイカれジジィです。三島市の人たちはこんなジジィを市長にしている場合かと思うのですが、三島市で選挙に行く人たちは議員が地元の有力者たちに言われて投票先を決めているので、こんなことがあっても豊岡武士さんに投票してしまうのです。これはだいぶヤバいです。


■ 不可解なことがあまりに多い駅前の再開発事業

そもそも三島駅は、新幹線の停車駅にもかかわらず、「駅の南口と北口をつなぐ通路がない」というクソ設計となっており、栄えているのは南口なのですが、事情を知らない人が三島駅に降り立つと、駅の導線が北口に出すようになっているため、みんなが北口に降りてしまうという現象が起こります。北口には日本大学のキャンパスがあるくらいで、特に何かがあるわけではありません。バス乗り場とタクシープールがあるくらいで、うっかり北口に出てしまった人が南口に行こうと思ったら、線路沿いを200mくらい歩いて高架下をくぐり、商店街を抜けて辿り着くという、ざっくり10分くらいのお散歩をしなければなりません。しかも、三島駅には伊豆箱根鉄道の乗り場があるのですが、これもまた南口にしかないため、北口側に住んでいる人が伊豆箱根鉄道に乗ろうと思ったら、やはり10分ぐらいの迂回コースを歩かなければならないという、とんでもなく面倒臭い現象が起こっています。そのため、市民の一番の願いは「南北自由通路」を作ることなのですが、駅前の再開発は優先されるけど、南北自由通路はいつまで経っても「おあずけ」を喰らい続けるという、なんとも不思議な世界が広がっているのです。

市の発展を妨げているのは、どう考えても駅の導線を間違えていることに加え、南北自由通路がないことだと思うのですが、どうやら市長や市議会議員たちは、それより三島駅南口の再開発を進めることが市の発展につながると考えているようで、「南北自由通路がそんなに簡単にできるなら、とっくの昔にやっている」とまで言っていました。しかし、市民の誰もが望んでいるような南北自由通路を作るより、駅前の再開発を進める方が圧倒的に難しいはずです。なにしろ、市長や市議たちは「(この再開発は)土地の地権者たちには30年待ってもらっている計画だ」と言っていました。しかし、30年前から再開発を進めるために取り組むほどの根気と体力があれば、南北自由通路を作るぐらいのことはできただろうと思うのです。市民が本当に望んでいるものを作らず、土地を譲ってお金が入る地主たちの意見ばかりを聞こうとする三島市長や三島市議たち。この街で少しでも現状を変えようと思って頑張っている人たちはいるのですが、なかなか情報が浸透しません。やはり利権にズブズブの議員たちの方が声が大きいからです。


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