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【選挙ウォッチャー】 立花孝志が逮捕や起訴される可能性について。

 4月29日・30日に幕張メッセで行われた「ニコニコ超会議」のステージで、「NHK党」党首・立花孝志が突然、数日内に逮捕されるかもしれないと発言し始めた。
 昔から「ホラッチョ」と呼ばれ、「NHK時代は記者だった」「冬のソナタを買い付けてきた」など、自身の経歴にも多くの嘘がある立花孝志なので、今さら「逮捕されるかもしれない」と言われても、多くの人は「どうせまた釣りだろう」と思ったことだろう。

目に涙を浮かべて話をする立花孝志(筆者撮影)

 しかし、この日の立花は様子が違っていた。
 私も長いこと、立花のことを観察しているが、立花はガチの時、すぐに泣く。「正義のヒーローでありたい症候群」の立花なので、YouTubeやイベントでは勇ましいことを言うが、その実は「小心者のオジサン」である。新型コロナウイルスに感染した時も、あれだけ「コロナはただの風邪」と豪語していたにもかかわらず、症状が一向に改善せず、血中酸素飽和度が低下して入院させてもらった時には号泣していた。
 昨日まではノリノリで「N国版尊師マーチ」を踊っていたのに、この日は一転して、目に涙を浮かべながらステージに立ち、「逮捕されるかもしれない」とか「殺されるかもしれない」と言い出すようになってしまった。詳細は明かさなかったが、昨晩かかってきた1本の電話で、状況が一転しまったらしい。


■ 立花孝志は本当に逮捕されるのか

「ドラえもんスーツ」でステージに上がる立花孝志(筆者撮影)

 立花孝志は、本当に逮捕されるのか。
 N国信者も含め、多くの読者が最も気になっていることだろう。
 これはあくまで私の個人的な見解だが、私は「逮捕される可能性はさほど高くない」と考えている。誰かを逮捕しようって時に、警察が「これから逮捕します」なんて連絡をしてくるとは思えない。だとすると、立花は別の何かが動いていて、最終的に逮捕されることも想定しているのだろう。
 立花はこれまで数々の不法行為を繰り返してきた。だから、立花が「逮捕されるかもしれない」と発言しても、思い当たることが多すぎて、一体、何で逮捕されるのかが予想できないほどだった。直近1ヶ月を見ても、春日部市では公職選挙法違反、石川県で行われた参院補選では刑事で問われてもおかしくないレベルの名誉毀損をしている。
 しかし、おそらく立花にとって、公職選挙法違反も名誉毀損も、大した犯罪ではない。目に涙を浮かべて将来を悲観するほどの話ではないのだ。

 だとすると、何か。
 実は、私は「『NHKから国民を守る党』とは何だったのか?」の第5章で、これから立花の身に起こることを冒頭から予言している。そして、もしこのシナリオの通り、立花が目に涙を浮かべながら将来を悲観しているのだとすれば、それは「逮捕されるより悪い」かもしれない。


■ 党の運転資金が明日にもなくなる可能性

推定1000万円近いお金をかけたと思われるNHK党のブース(筆者撮影)

 今回の「ニコニコ超会議」は、立花にとって「最後の青春」になってしまったのではないか。なにしろ、立花には11億円以上の借金が未返済として残っているとみられるが、「返してほしければ、いつでも返す」と約束しているため、もし何らかのアクシデントが発生し、出資者たちがリスクを感じた場合、一気に引き上げられる可能性がある。そうなれば明日にも党のお金は枯渇し、それどころか、数百万円、数千万円という単位でお金を貸した人たちに、お金を返せなくなる可能性まで出てくる。
 それこそまさに立花が最も恐れているシナリオであり、逮捕されるよりも悪いシナリオである。逮捕してもらえるなら高い塀の向こう側で身の安全だけは確保してもらえるかもしれない。しかし、逮捕もされず、返済できない巨額の借金だけが残った場合、立花は毎日、「殺されるかもしれない」という恐怖に苛まれながら生きることになる。さすがに殺される可能性は低いと思いながらも、それでも何をされるのか分からないところまでは来ているのではないだろうか。

N国党の隣にあった社民党のブースは、かなりこじんまりしている(筆者撮影)

 この日、推定1000万円近いお金をかけたとみられるN国党ブースの隣には「社民党」のブースがあった。N国党のブースと比べると、はるかに小さい。これを見てN国信者たちは「社民党」のショボさを嗤い、SNSにアップした。
 しかし、N国党にとって唯一の収入源である「政党交付金」は、N国党が約1億7000万円ほどであるのに対し、社民党は約3億円である。
 そして、このイベントでかけた費用は、どこかから長椅子とパイプ椅子を借りた以外は自前のポスターを貼っただけの社民党が、せいぜい30万円と実費程度で、政党交付金の約0.1%。対するN国党は、巨大ステージの他に、カメラ、照明、音響、NHK撃退アプリの開発費、上念司や唐澤貴洋への出演料、尊師マーチの作詞作曲などを合わせると、とても1000万円では収まらないが、仮に1000万円だったとしても、たった2日間のイベントに政党交付金の約5.9%を投じたことになる。
 N国党は、現時点で「れいわ新選組」の代表と同姓同名の候補を含む80人を擁立する計画だ。このうち75人は都道府県選挙区、5人が比例区なので、用意しなければならない供託金が2億2500万円と3000万円を合わせて2億5500万円。これに各選挙区に貼るポスターの費用などが加われば、年間に受け取れる政党交付金の額をはるかに超える投資をしようとしていることになる。
 なぜ、そんなことができるのか。
 それは他でもない「借金をしているから」である。しかし、浜田聡の任期はあと3年。N国党が受け取れる政党交付金が5億1000万円。もともと政党交付金を借金の返済に用いることは禁止されているとはいえ、何らかの方法でマネーロンダリングをして返済しようにも、収入が足りない。ましてや、日頃から湯水のごとく、お金を使っているのである。後先のことは何も考えていない。


■ ガーシーと立花孝志は同じ運命か

 立花孝志は最近、「ガーシー」という暴露系YouTuberにハマっている。
 どうしてそんなにハマっているんだと不思議がる人は多いが、おそらく立花は、「ガーシー」に同じニオイを感じているのではないか。それは「ガーシー」がYouTubeでタブーに切り込み、誰かの悪事を暴露しているからではない。
 そもそも、なぜ「ガーシー」は、あんな暴露を続けているのか。それまで友達だった俳優やタレントの秘密を暴露したところで、多少のお金は入るにしても、これまで「ガーシー」が何より大切にしてきたであろう芸能人との友情や絆は失われてしまう。人間誰しも「友情をお金に替える」というのは最後の手段だ。つまり、「ガーシー」は相当なところまで追いつめられている可能性がある。
 実際、「ガーシー」はギャンブルにハマり、巨額の借金を背負ってしまったと告白している。どこからお金を借りたかによっては、その背後で「闇金ウシジマくん」で見たような光景が起こっていても不思議ではない。
 さて、「ガーシー」には、これまで培ってきた売れるだけの交遊関係があった。暴露を続ける限り、彼は生かされるだろう。一方、立花には何があるだろうか。立花が代表を務める国政政党こそあるが、厄介なことにお金の流れはすべて公表しなければならない。立花孝志ひとり放送局は何も販売していないので、ほとんど収益がない。一応の土地は持っているようだが、たかが知れている。何をやらせるにしても、使えそうで使えないのが立花孝志なのである。


■ 電話の中身は幹部にも明かされていない

N国信者の質問にノーマスクで答える立花孝志(筆者撮影)

 これから立花孝志の身に何が起こるのか。
 立花は「何があるのかについては、これはもう本当心苦しいんですが、今は言えないんですが、そんなに時間はかからないです。早晩、少なくともこの連休中には動きがある」と述べている。
 ただ、肝心の「何があるのか」については、立花の側近や幹部にも知らされていないようで、ネット選挙株式会社の牧原慶一郎でさえ、あまり知らない様子だった。幹事長の黒川敦彦に至っては、立花からステージ上で話をされているのに、いつもの「おひょい顔」で見つめるだけだ。

N国党幹事長・黒川敦彦の「おひょい顔」(筆者撮影)

 ステージで気丈に振る舞おうとしていた立花孝志だが、その心中は「気が気でない」といったところだろう。立花が「僕がちょっとね、想像した以上のことが動いているんで、普通にビックリしている」と述べたように、想像以上に水面下で物事が進んでいて、もう「詰み」に近い状態まで仕上がっていたようである。
 そんな時に、イベントの冒頭から「逮捕されるかもしれない」なんて言ってしまったものだから、こいつはのっぴきならない状態にあると察した宿敵の「ちだい君」が現れ、よりによって正面から写真を撮ってきた。

視聴者からも「なんで泣くんやww」とコメントされる始末(筆者撮影)

 そりゃ泣きたい気持ちにもなるだろう。ただ、これから数日後に起こることを知れば、もっと多くの人が泣きたい気持ちになるのではないか。年利にして5%もつけると言われて貸したはずのお金が返ってこないかもしれないのだから、その損失はあまりに大きい。
 そして、もし立花の「逮捕されるかもしれない」という発言が真実だとすれば、私が立花から直接話を聞けるチャンスは、さほど多くない。次に聞く時には分厚いアクリル越しになってしまうかもしれない。だから、あくまで仕事として立花に直接聞いてみた。何があったのかと。
 立花は、目の前にいるんだから話せば早いのに、「書面で質問をしてきたら答える」と言い、私の「取材が本気だとは思えない」とか「取材姿勢に疑問を感じる」などとガタガタ言った後に、「こんなにおいしいネタをあなたには教えない」と言ってきた。立花が抱える問題は、私にとって「おいしいネタ」であるらしい。事は深刻だ。


■ 山本太郎同姓同名作戦は止められるか

狙われた「れいわ新選組」の山本太郎(筆者撮影)

 立花孝志は参院選を前に、綾野剛さんに対する名誉毀損とともに、「れいわ新選組」を批判し、山本太郎代表と同姓同名で年齢も同じ候補者を擁立すると発表した。あまり政治や選挙に興味や関心のない人が、何かと話題になっている「れいわ新選組」の山本太郎代表に投票しようと思った時、間違えてよくわからないN国党の山本太郎に投票してしまう作戦である。
 政策を訴えて票を得ようとするのではなく、「誤解」「間違い」で票を得ようというのだから、民主主義の根幹を揺るがしかねないアホアホ大作戦であるが、この嫌がらせが猛烈にバズり、立花孝志の人気を再び押し上げる要因になった。だが、もし立花の「出資法違反」なりが明るみに出れば、たちまち取り付け騒ぎが起こり、この作戦は続けられないかもしれない。
 ゆえに、この問題は「れいわ新選組」の支持者たちにとっても大いに注目すべき案件だ。しかし、「れいわ新選組」の支持者たちにさえ、立花孝志の動向はあまりチェックされていないのが現状である。


■ 選挙ウォッチャーの分析&考察

立花孝志やN国党員・N国信者にとって「最後の思い出」となった(筆者撮影)

 言うまでもなく「ニコニコ超会議」は、超楽しい。
 その超楽しいイベントに、政党として特大ブースを設け、みんなでお祭り騒ぎをするのは、N国党員やN国信者にとっても、この上ない幸せだったに違いない。イベントの最前列には、立花孝志の弟子で、中学生を妊娠・出産させたことが報じられた平塚正幸率いる「国民主権党」の支持者と思われる客までノーマスクで見守っていた。

今も「N国党」と「国民主権党」を両方とも応援する信者がいる(筆者撮影)

 他のブースと比べると、ずいぶん過疎っていた印象こそあるが、ブースを見守るN国党員やN国信者たちは、一様に楽しそうだった。他の政党ではまず体験できない高揚感を得られるのがN国党の魅力なので、N国信者たちはこのイベントを通じて、ますますN国党にハマったことだろう。
 しかし、この夢のように楽しい時間は、不法行為と借金によって作られた幻である。日頃から「NHKをぶっ壊す!」と言ってきたが、とうとう自分たちの政党名を「NHK党」に変えてしまった瞬間から、その呪いの言葉が自分たちに向くようになってしまったというオチである。
 いよいよ党の崩壊が始まる。


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