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【選挙ウォッチャー】 新型コロナウイルス・最新情報(#118)。

昨日はオミクロン株による第6波が深刻な中、匝瑳市長選と多古町長選の取材に行ってきたのですが、結局、選挙を戦っているスタッフも新型コロナウイルスに対する意識の高い人は少ないので、ノーマスクで対応され、やはり選挙の取材は非常にリスクが高いことを再確認することになりました。なるべく新型コロナウイルスに感染しないために頑張っていますので、改めて選挙の取材は自粛することになりました。


■ デンマークのノーガード戦法がもたらすもの

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これからコロナ陰謀論者たちが大騒ぎすると思うので、事前に説明しておかなければなりません。「BA.2」が鬼のように広がったデンマークでは、まさかの「ノーガード戦法」を繰り広げることになりました。なんと、屋内でのマスクの着用、飲食店でのコロナパス、検査で陽性になった場合の自己隔離義務など、ありとあらゆるコロナ対策をすべて撤廃するというのです。もしかすると、それでもデンマークは感染者を減らせるかもしれません。というのも、デンマークの人口は583万人ほどですが、この1ヶ月で94万5405人が感染しています。これは8人に1人が1ヶ月以内に感染したことを示します。オミクロン株に対する抗体をどれくらい維持できるかは不明ですが、しばらくは感染しないものと考えると、どこかでほぼ全員が感染してしまい、ノーガード戦法でも減少する可能性が出てきます。しかし、日本は人口が1億2000万人ほどいますので、デンマークと同じ戦略を取るのは無理があります。

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これまでスウェーデンをはじめ、「ノーガード戦法」にチャレンジした国はそれなりにありますが、成功した国は一つもありません。こちらは死者を示したグラフになりますが、どんどん上昇していることが一目瞭然です。感染者が減っても、死者は無限に増えていくので、デンマークがどこまでギブアップしないでいられるのかは注目です。コロナ陰謀論者たちが「デンマークを見習え!」と言ってきますが、見習うのは「結果が出てから」でも遅くはありません。デンマークはこれから国家レベルの大実験が始まるのです。


■ 生後半年から5歳未満までのワクチン開発中

おそらく日本では抵抗感の方が強いため、ほとんど普及しないと見ていますが、世界の動きとしては知っておく必要があると思います。ファイザーは現在、生後半年から満4歳までに有効なワクチンを開発中で、承認を目指しています。子ども用の量を大人と同様、2回接種する方向で調整していたのですが、2歳までは2回接種でも抗体を得られたものの、3歳と4歳では十分な抗体が得られなかったことから「3回接種」になる見込みです。こういうニュースがあると「反ワクチン」の皆さんが大騒ぎするでしょうけど、結論から言うと、このワクチンが日本で普及するとは考えにくいです。これで副反応が見込まれる場合、「3回も打たなければならない」ということもあって、打たない選択をする人が圧倒的に多いと思うからです。いまや「感染しない」という効果は見込めないため、「死亡リスクをどこまで下げられるのか」というところに焦点が当たるワクチンであることもあり、子どもはもともと死亡リスクがとても低いため、リスクとベネフィットの観点から、リスクの方が上回ってしまう可能性があります。そうすると、一般的な子どもには必要ないということになるのですが、それでも重症化リスクの高い疾患を持っている子どもには有効かもしれません。99%の子どもには必要ないかもしれないけれど、1%未満の子どもには待望のワクチンになるかもしれないので、過剰に拒否をするのではなく、ニュースとして知っておく必要はあろうかと思います。


■ またゴールポストをズラした日本

東京都はこれまで「病床使用率が50%になったら緊急事態宣言を出す」と述べてきました。そして、東京の病床使用率はとうとう50%を超えるようになってしまったのですが、いざ50%を超えると、「まだ重症病床の使用率が50%ではないから」ということで、松野博一官房長官は「政府としては現段階で検討していない」と述べました。「オミクロン株の特徴を掴んで先手先手で対応する」と言っていたのに、オミクロン株の特徴をまったく理解できていないので、緊急事態宣言発令の基準を「重症病床」に変更してしまいました。しかし、これまでずっと指摘しているように、オミクロン株はさっきまで軽症だった人がある日突然、重症化してお亡くなりになってしまう病気です。つまり、「重症病床でお世話にならないまま死ぬ」という特徴があります。だから、重症病床が埋まらないのに、2月2日に「82人」が亡くなるという記録的な数字を叩き出しているのです。本来の「緊急事態宣言」というのは、これから感染が爆発して大変なことになるので、その前にイベントや会食を自粛してもらい、少しでも経済の崩壊を食い止めるために発令されるものですが、感染を最大限に広げ、保健所がパンクし、救急搬送をしてもらえなくなり、病床がいっぱいになり、イベントを自腹で中止させられ、旅行のキャンセルをたくさん出し、経済を目いっぱいに疲弊させてから緊急事態宣言を出すのは、ただのマヌケでしかありません。感染が極限まで広がってしまうと、どれだけ経済を最優先にしようとしても、最終的には事前に止めるより大きなマイナスになってしまいます。今から「緊急事態宣言」を出したところで遅いのですが、このまま出し渋れば渋るほど倒産件数は増えてしまうことでしょう。僕は1月上旬に「全国一律の緊急事態宣言が必要だ」と提唱していましたが、これだけ感染の足が速いのに1ヶ月以上も遅くなりそうなのですから、今のところ、最悪のシナリオで進行中です。


■ 減衰しているっぽいのは「検査数の限界」

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先日もフジテレビのニュース番組で紹介されていたので、これは非常に深刻な「情報公害」だと思います。しきりに「ピークアウトする」と主張している三浦瑠麗先生ですが、この「上昇速度の減衰が続いている」というのは国民が気を付けていることが一番の理由だと思いますが、もっと深刻な要因の一つに「検査が飽和している」ということがあります。やっぱり「ピークアウトする」と言われるのは嬉しいので、たくさんの人が適当な山勘を信じていますが、この適当なグラフ(引用元リンク)に乗らない方がいいと思います。日本はPCR検査の数が十分ではないため、「検査ができなくなっている」という現状があります。これだけ保健所でたらい回しにされるようになると、頑張って連絡を取って検査をするのも面倒臭いため、多くの人が諦めていたのではないかと思います。しかし、「みなし陽性」という制度ができたため、実際の感染者数に近づいてしまうと思われ、グラフの上昇はしばらく続く可能性があります。何も考えず、ただ数字だけをぶち込めば、まるでピークアウトが近いように思えるかもしれませんが、まずは「どうしてこうなっているのか」を慎重に考察する必要があるのではないかと思います。


■ 全国の感染状況まとめ(2月2日版)

全国47都道府県の新規感染者数と主なトピックスを1行で紹介します。スマホでご覧いただいている方は2行以上になっているかもしれませんが、なるべく短い文章で簡潔に状況をまとめております。

北海道:3587人。札幌市内で小学校122学級、中学校45学級閉鎖。
青森県:394人。青森市150人、弘前管内114人。高校の寮37人。
岩手県:121人。1月は10歳未満が223人、10代248人で4割。
宮城県:720人。仙台市444人。仙台医療圏の病床使用率は70%超。
秋田県:191人。秋田市92人。市内保育園で計30人。子ども目立つ。
山形県:276人。5月の「東北絆まつり」は入場者を制限して開催へ。
福島県:605人。郡山市146人、いわき市122人。入院者も最多に。
茨城県:1139人。いまだ県内の保育施設や小学校で大量のクラスター。
栃木県:1040人。宇都宮市380人。小学校や保育施設で感染相次ぐ。
群馬県:979人。前橋市212人、高崎市174人、伊勢崎市132人。
埼玉県:4835人。ふじみ野救急病院では患者の多くが人工呼吸器装着。
千葉県:3944人。柏市で571人。連日、保育園や小中学校で感染。
東京都:2万1576人。初の2万人台。みなし陽性者は589人だけ。
神奈川:7610人。高齢者が救急搬送されて亡くなるケースが見られる。
新潟県:700人。新潟市386人、長岡市82人、燕市45人。
富山県:296人。無料検査を当面抑制し、病院や保健所の検査を優先。
石川県:491人。金沢市258人。学校と福祉施設でクラスター確認。
福井県:196人。北陸新幹線の工事関係者12人感染も工期に影響なし。
山梨県:365人。累計感染者数が1万人超え。小学校や市の職員が感染。
長野県:666人。長野市171人。宿泊療養者に毎週金曜日は駅弁提供。
岐阜県:882人。40代患者が重症。病院、図書館、警察などで感染。
静岡県:1642人。病院、高齢者施設、障碍者施設で集団感染相次ぐ。
愛知県:6191人。県がんセンターで入院停止、手術も制限という状況。
三重県:717人。尾鷲保健所管内の特養老人ホームで80人が集団感染。
滋賀県:856人。飲食店の売上激減で、飲食店が県にマンボウを嘆願。
京都府:2777人。3回目の接種を64歳以下にも開放して集団接種。
大阪府:1万1171人。19人死亡。濃厚接触が学校判断で休校せず。
兵庫県:5913人。重症病床の使用率が50%で緊急事態宣言を要請。
奈良県:913人。香芝市98人感染。救急搬送された方が当日に死亡。
和歌山:597人。あまりに感染者が止まらず、とうとうマンボウ要請。
鳥取県:139人。米子管内87人以上。皆生温泉の旅館も営業できず。
島根県:100人。益田管内は8人だが、出雲33人、松江26人。
岡山県:1046人。岡山市552人、倉敷市218人。観光客大激減。
広島県:1032人。実効再生産数1を下回るも、検査が飽和している。
山口県:304人。米軍11人。米軍様から「俺たちのせいにするな!」。
徳島県:168人。徳島市76人、阿南市16人、鳴門市15人。
香川県:349人。高松市156人、丸亀市51人、三豊市29人。
愛媛県:281人。みなし陽性は「検査省略がリスク」として採用せず。
高知県:241人。救命救急センターで33人感染で患者受け入れ停止。
福岡県:5042人。福岡市2245人、北九州市718人。陽性30%。
佐賀県:569人。佐賀市と唐津市の小学校、嬉野温泉病院などで感染。
長崎県:703人。長崎市262人、佐世保市140人。10歳未満最多。
熊本県:1082人。累計3万人超え。熊本市616人、八代市71人。
大分県:455人。津久見市では高齢者を守るために「釣り」も禁止に。
宮崎県:466人。宮崎市は過去最多の268人。児童クラブ13人。
鹿児島:665人。鹿児島市387人。南国交通バスが運転手感染で減便。
沖縄県:784人。米軍42人。減少傾向にあるが、グラフは説明つかず。

本日の新規感染者数は、初めて9万人を超え、過去最高となる9万4930人でした。致命率が0.4%だと想定した場合、20日後に推計される1日の死亡者数は379人となります。本日の死亡者数は「82人」でした。大阪府19人、兵庫県9人、愛知県8人、神奈川県8人、東京都6人、広島県3人、沖縄県3人などです。大阪府の死亡者数が非常に深刻です。


■ 選挙ウォッチャーの分析&考察

大阪府で、一昨日は18人、昨日は19人がお亡くなりになり、大阪府だけがダントツで死者数の多い自治体となっています。これから東京都や静岡県などで死者の数がどんどん多くなってしまいますので、大阪府に追いつく勢いになるとは思いますが、それでも大阪府の死者数の多さは異常です。どうしてこうなってしまうのかという考察もお届けするつもりですが、この疑問を紐解く上でも、やっぱりこの「『NHKから国民を守る党』とは何だったのか?」という本は役立ちます。維新の話ではありますが、実は、N国党との共通点はそれなりに多いのです。細かく具体的な犯罪などの内容は当てはまりませんが、大枠は同じです。ぜひ読んでみていただければ幸いです。

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