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【選挙ウォッチャー】 上田市議選2022・分析レポート。

 3月20日告示、3月27日投票で、長野県の上田市議選が行われ、定数30に対して31人が立候補しました。人口約37万人の長野市の定数が39、人口約24万人の松本市の定数が31、人口約15万人の上田市の定数が30ということで、県内の自治体の中では議員の数が多い方に分類されます。僕は議員の定数はなるべく多く維持した方が良いと考えており、定数が多いことを批判するつもりはありませんが、そもそも1人しか落選しない選挙だと、あんまり意味がなくなってしまいます。

 公明党が4人、共産党も4人、日本維新の会が1人、あとは全員が無所属という戦いだったのですが、いかんせん1人しか落選しないので、ほぼ無投票当選に近い状態です。
 前回は定数30に対して33人が立候補したので、それなりに選挙として成立していたのですが、今回は当落のボーダーラインが大幅に下がってしまい、ポンコツでも余裕で当選できる環境が整っていました。今後、こういう自治体にN国党のようなカルトが進出してくる可能性がありますので、注意が必要です。


■ 公明党は安定した強さで全員当選

 狙っているのか、偶然なのか。公明党の半田大介さんは、ウクライナの国旗と同じような色の服を着てポスターを撮影しました。どこに行っても、この服を着ていましたので、黄色と水色をイメージカラーにしているのだと思います。昔はもう少し青が濃かったと思うのですが、今年は水色になっています。ちなみに、最も空中戦(ネット選挙)に手厚く取り組んでいたのが半田大介さんであり、しっかりノルマを達成していました。

山口那津男代表のポスターの前で街頭演説をする公明党の金沢広美さん

 相変わらず、公明党は強さを発揮し、今年も4人全員が安定した得票数で当選を果たしています。ちなみに、4年前と現在を比べて、公明党の勢力はどうなっているのかと言うと・・・。

公明党:1万0106票→9582票(▲5.1%)
共産党:8449票→7168票(▲15.1%)

 あまり大きな変化ではありませんが、それでも全体としては5%ほど減らしていました。一方、党員や支持者の高齢化が非常に深刻な共産党は15%も減らしています。これは「人々が共産党を支持しなくなっている」というよりは「支持している人たちが死んでいる」という、救いようのない状態なので、本気で対策を考えなければならないところに来ています。


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