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【選挙ウォッチャー】 NHKから国民を守る党・動向チェック(#292)。

 新型コロナウイルスが問題になってから約1年10ヶ月が経ち、いよいよ新型コロナウイルスが「ただの風邪ではない」ことを多くの人が身をもって体験してしまった状況の中で、いまだ「コロナはただの風邪」だと主張する人間たちが暴れている。
 世の中には一定の割合で救いようのないバカはいるのかもしれないが、こういう致死レベルのバカが今度の衆院選に立候補しようとしているので、引き続き、皆さんに警鐘を鳴らしていかなければならないと考えている。しかも、10月2日には衆院選を見据え、全国で大規模なデモが開催されるというので、間違って近くを歩いて感染リスクを増やさないように気を付けていただきたい。彼らはワクチンも打たないし、マスクもしないし、一般の人に比べて手を洗う機会も少ないと思うので、「感染リスクの高い集団」だ。感染して自分たちが苦しむ分には「自業自得」ということで良いのかもしれないが、問題はたまたま近くを歩く人が感染するかもしれないことにある。


■ 10月2日に行われる全国のデモ

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 コロナ陰謀論者の黒川敦彦(つばさの党代表・衆院選比例北関東ブロックNHKと裁判してる党公認候補)が、全国20ヶ所以上で、全国同時デモを開催すると発表した。内容は「ワクチンパスポート反対」「子供のワクチン接種反対」の2つのみを掲げて大同団結するというものだが、参加者の多くは「コロナはただの風邪」という思想の人たちである。
 この『チダイズム』では、これまでも「国民主権党」「つばさの党」が繰り広げる「デモ」「政治活動」という名目の迷惑行為が行われるとあれば、皆さんに近づかないように注意を呼び掛けてきたが、今回も「近づかないように気を付けて!」という話である。
 具体的にどこで行われるのかをまとめたので、近隣にお住まいの皆さんはくれぐれもご注意いただきたい。あまりにアホな主張をしているのでムカつくこともあるかもしれないが、こいつらに抗議をすることは感染リスクを増やすだけなので、カウンターをするなら、せめてワクチンの2回接種から2週間以上経った人だけにしていただきたい。

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東京都:新宿アルタ前(13時45分集合)
茨城県:水戸駅黄門像前~茨城県庁通り~茨城県庁(14時)
神奈川:川崎駅サンピアンかわさき~ヨドバシカメラ前(14時)
富山県:JR富山駅南側のcic前広場~富山郵便局(13時30分)
兵庫県:神戸西元町キラキラ広場~三ノ宮センター街(14時)
奈良県:JR奈良駅~近鉄奈良駅(13時)
熊本県:ぴぱれす広場横(14時)

 これ以外にも開催されるというが、まだ決まっていない所が多いようだ。このデモ活動そのものは「コロナ問題を考える会」という団体が、政治とは関係なく開催しているそうだが、呼びかけ人として参加している「つばさの党」にとっては、十分に選挙的なメリットがある。


■ ワクチンパスポートの懸念は議論されている

 日本は今、自民党が「ワクチンパスポート」の導入に積極的な姿勢を示しているが、導入には賛否両論あり、野党は「ワクチンパスポート」の導入で差別や不利益を受ける人がいないように慎重な議論を求めている。
 そのため、黒川敦彦の言っていることも「間違いではないのでは?」と思う人もいるかもしれないが、黒川敦彦の主張は「極端すぎる話」なので、ほとんど間違いだと言っていい内容だ。

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 黒川敦彦は、「ワクチンパスポートが導入されれば、ワクチンを打っていない人は買い物にも行けないし、レストランにも入れないし、電車にも乗れなくなる」などと脅しているが、現状、そんなことになりそうにはない。
 世の中には、「ワクチンを打つと、5G接続遺伝子組み換え人間になってしまう」と言ってワクチン接種を頑なに拒否する人もいるが、一方で、アレルギー体質だったり、別の薬を欠かすことができなかったりで、ワクチンを打ちたくても打てない人もいる。この人たちは「ワクチン陰謀論者」と異なり、事情があってワクチンを打てないだけであり、そういう人たちが差別されるようなことがあってはならない。こうした議論は、野党だけでなく自民党内にもあって、まさに今、仕組みづくりに苦慮しているところである。
 もちろん、黒川敦彦ほどの陰謀論者ではなくても、リスクとベネフィットを天秤にかけた結果、年齢の若い人はもともと重症化のリスクが低いのだから、新技術のmRNAワクチンではなく、組み換えたんぱくワクチンが出るまで待とうという人もいることだろう。そこは皆さんが科学的に判断するところであるが、こうした人たちが不利益を受けず、その上で経済を回していく仕組みというのが模索されているところである。
 なお、ワクチンパスポートをめぐる議論では、立憲民主党が慎重な議論を求めて動いているほか、自民党内にも慎重な姿勢を示す人はいる。デモをすることで「こういう意見がある」ということを知ってもらうまでは大切かもしれないが、「つばさの党」に投票したり、今度の衆院選で黒川敦彦が立候補する「NHKと裁判してる党(旧・NHKから国民を守る党)」に投票したところで、このワクチンパスポート問題は何一つ解決しないということだけは伝えておきたい。


■ 黒川敦彦が立候補する「N国」は完全なオワコン

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 先日、迷惑系YouTuber・へずまりゅうが「NHKと裁判してる党」から10月24日投開票の参院補選に立候補することが正式に発表された。出馬記者会見には、なぜか金正恩のそっくりさんが同席し、無意味に核ボタンを持ち歩いていたが、へずまりゅうの出馬はN国滅亡の核ボタンになってしまったと言っても過言ではない。
 尊師・立花孝志の狙いは言うまでもなく「テレビや新聞が食いつくような話題を作ること」であり、へずまりゅうの出馬はその狙い通りになったと言っていい。ただ、党の評判は著しく下がり、ますます嫌われることになってしまったので、今度の衆院選で獲得できる票はさらに減る結果となった。選挙に出ることと「お詫び」はつながらず、人々が強い抵抗感を示しているからだ。

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 尊師・立花孝志は、へずまりゅうを擁立したことを正当化するため、「へずまりゅうの立候補で耳目を集め、自分たちがちゃんと仕事していることを知ってもらおうとした」という言い訳めいたことを述べている。そのためにわざわざ総務省の官僚を呼びつけ、NHKに関する持論をガタガタ述べているのだが、参議院議員の浜田聡ではなく、その隣にいる無職のニートおじさんがガタガタ言っているだけなので、いくら政党の代表とはいえ、官僚にとってはただただ苦痛な時間でしかなく、官僚の貴重な時間が無駄になっただけである。
 このパフォーマンス動画は2本あって、ともに1週間ほど前に公開されたが、2万4000回と2万回ほどしか再生されていない。私のことを「詐欺師」として扱い、柏市議の大橋昌信に突撃された動画が13万回再生されているのに比べると、へずまりゅうを擁立してまで見てほしかった動画が2万回ほどに留まるというのは、党の力が著しく落ちている証拠である。
 尊師・立花孝志がこんな調子なので、比例・北関東ブロック単独で立候補する予定の黒川敦彦がどれだけ「ワクチンパスポート反対」と声を上げ、全国でデモ活動を呼びかけ、全国の名もなき陰謀論者たちが街に飛び出したところで、票が集まることはない。


■ 諸派党構想のZoomで彼女のブラを見せて謝罪

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 黒川敦彦率いる「つばさの党」は、立花孝志が提唱する「諸派党構想」に乗っかって、600万円の供託金を用意し、NHKと裁判してる党の公認候補として立候補する計画だが、熱心なN国信者が主催する「諸派党構想」を語り合うZoom会議なるものに参加した際、11月7日投開票の葛飾区議選に立候補予定の根本良輔(つばさの党幹事長)が、ツレの女性の服を脱がせてブラジャーを見せた行為が、コロナ陰謀論者たちから批判を浴び、党首の黒川敦彦とともに謝罪動画をアップするハメになった。
 コロナ陰謀論者たちは「真面目に活動している自分たちが、女性の服を脱がせるようなトンデモだと思われるじゃないか!」ということで怒っていたのだが、そこを修正しても、トンデモであることに変わりがないということには気づいていないようだ。また、いくら彼女が了承しているとはいえ、いきなり女性の服を脱がせて下着姿を披露する行動は批判されても仕方がない問題行動ではあるが、そこを謝罪するなら、反社会的な行為を繰り返している「NHKと裁判してる党」と行動をともにしていることを謝罪しなければならない。黒川敦彦は、尊師・立花孝志が繰り広げている法の一線をも超えるような迷惑行為さえ賛同しているも同然なのである。
 つまり、黒川敦彦や根本良輔は、表面的には謝罪をしているが、そもそも物の善悪の判断がつかない人間たちであると言える。そして、物の善悪の判断さえつかないような人間たちが政治家になってしまうと、まさに今、立花孝志が繰り広げているような「税金を無駄にするだけの政治」が展開されてしまい、私たちの生活はますます苦しいものになってしまう。だから、少なくとも「つばさの党」「NHKと裁判してる党(旧・NHKから国民を守る党)」に投票してはいけないのである。


■ 立花孝志の論告求刑は10月7日

 尊師・立花孝志は今、不正競争防止法違反、威力業務妨害、脅迫罪の3つの容疑で刑事裁判の真っ最中で、いよいよ10月7日に論告求刑が行われる予定になっている。判決は来年1月20日まで引き延ばされているが、論告求刑がニュースになることは間違いなく、「NHKと裁判してる党」の評判はますます下がることだろう。
 奇しくも、へずまりゅうが立候補する山口県の参院補選の告示日と、立花孝志の論告求刑が重なってしまったため、へずまりゅうの立候補と合わせて立花孝志がどれくらいの量刑になりそうなのかが報じられることになる。
 不正競争防止法違反の共犯者には、既に懲役1年6ヶ月、執行猶予3年という判決が下されているので、主犯である立花孝志が威力業務妨害と合わせて、共犯者より軽い判決になるとは思えないので、そこそこ重たい求刑になるのではないかとみられている。記者会見では、へずまりゅうの更生のために立候補させるんだと偉そうなことを言っていたが、「その前にオマエの更生が必要だ!」となることは確実で、さらに党の評判は下がり、今度の衆院選では絶望的な数字を叩き出す可能性が否定できない。
 現在、「NHKと裁判してる党」の政党支持率は、あの国民民主党を上回る0.2%と言われているが、今回の論告求刑は、ネットを見ない層にもテレビや新聞を通じて広く知られることになると思われ、また0.0%に逆戻るする可能性がある。


■ 選挙ウォッチャーの分析&考察

 いよいよオワコン一直線の「NHKと裁判してる党」だが、10月7日の論告求刑に合わせ、私の2冊目の著書『NHKから国民を守る党とは何だったのか?』という本の予約が、Amazonや書店で受付開始となる。
 2017年11月の葛飾区議選で立花孝志に初めて遭遇してから約4年にわたり、「NHKから国民を守る党」を最前線でウォッチングし、自宅を襲撃されたり、大量のパンフレットを送り付けられたり、顔や住所をネットに晒されたり、さまざまな嫌がらせを受けるに至ったが、集大成となる書籍が発売されることになったのだから感慨深いものがある。
 本の発売日は、尊師・立花孝志の刑事事件の判決日に合わせて1月20日となっているが、立花孝志にはそれまでにもたくさんのイベントがある。10月24日には、へずまりゅうが挑戦する参院補選の結果が出て、11月上旬には衆院選の大惨敗、11月下旬には令和2年度分の政治資金収支報告書の公表があり、ここで「NHKと裁判してる党」の資金のすべてが明らかになる。12月から1月にかけて立花孝志がどのような仕掛けをしてくるかはわからないが、来年1月20日には刑事事件の判決だ。
 皆さんには、立花孝志被告の判決と「本の発売」を指折り数えて待っていただくことになるが、カルトは消滅する時が最も面白くなるので、これからますます「NHKと裁判してる党」から目が離せなくなるという算段だ。本当の「計算」というのは、こうやるものだということを立花孝志に教えて差し上げたいと思う。

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