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【選挙ウォッチャー】 NHKから国民を守る党・動向チェック(#248)。

 当初の計画では12月の早い段階でクライマックスを迎え、1月から通常の1320円に戻すことができると考えていたが、目論見がハズれ、複数の不当な裁判を仕掛けられていることもあって、「N国マガジン・1月号」も4450円とさせていただくことになった。
 今シリーズでは、目前に控えたN国崩壊のプロセスを見守り、N国関係者による刑事事件、裁判、国民民主党から上杉隆に流れたお金の流れなどを追いかける予定だ。最低10本保証を計画しているが、もしかしたらそれより多くなるかもしれない。
 さて、いろいろとお伝えしなければならないことが山積しているが、今日は国民民主党の政治資金が、NHKから国民を守る党の幹事長をやっている上杉隆の会社に流れているという話を中心に書いていきたい。このニュースは「HUNTER」というニュースサイトがスッパ抜いたもので、僕のお手柄によるものではないことは書いておく。

 この記事によると、国民民主党がソフトウェア開発や管理をお願いしている「AI SOLUTION KYOTO」という会社は、NHKから国民を守る党の幹事長である上杉隆が代表取締役をしている会社だという。さらに、上杉隆の前の代表取締役は、NHKから国民を守る党の衆院選公認候補予定者で、元ナースなどと紹介されているU氏だという。こうなってしまうと、ここから先は私の専門分野となる。


■ 国民民主党の金が上杉隆に流れている

 すべては2017年10月に行われた衆院選に遡る。
 この年は、築地市場の豊洲移転を白紙撤回することを公約に掲げて東京都知事になった小池百合子がまだ人気を維持していて、7月の東京都議選では都民ファーストの会が圧勝。勢いそのままに国政に打って出るため、「希望の党」を設立。そこそこの大きさの野党を作るのではなく、一気に政権交代を実現し、初の女性総理大臣になることを狙い、民進党を飲み込んだ。
 こうした「希望の党」のブレーンとして参加したのが上杉隆だといい、途中まではうまく行っていた。ところが、小池百合子の「排除します」という発言が大ブレーキとなり、排除される運命だった枝野幸男が立ち上げた立憲民主党が大躍進。結果的に大惨敗となったことを受け、小池百合子は「希望の党」から身を引き、やがて国民民主党になった。
 国民民主党になったばかりの頃、つまり、2018年5月は、大塚耕平と玉木雄一郎による共同代表だった。正式に玉木雄一郎が単独代表になったのが2018年9月からで、国民民主党が「AI SOLUTION KYOTO」と付き合うようになり、最初に約250万円を振り込んだと考えられるのが、2018年11月22日。時系列を整理すると、玉木雄一郎が代表になってから上杉隆の会社にお金が振り込まれるようになっていて、大塚耕平が共同代表だった頃にはこのような取引はなかったということになる。
 2019年になると、1月に約280万円、2月に約301万円、3月はお休みで、4月は約840万円、5月が約280万円、6月が約442万円となっている。7月は参院選があった時期であるが、国民民主党は7月25日に約442万円、9月25日にも約442万円が支払われている。9月はNHKから国民を守る党が政党になった後で、NHKから国民を守る党の幹事長にお金が流れていたということになる。ただし、同社に支払われているお金は、一応、9月25日が最後ということになっている。2020年がどうなっているのかが気になるところだ。

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 上杉隆は、2019年4月の中央区長選に立候補している。結果は、人気があった前区長の後継指名を受けた自民・公明推薦の山本泰人が圧倒的な強さで当選しているのだが、上杉隆は5人が乱立する大激戦で次点になるほどの健闘を見せている。
 そして、この中央区長選で上杉隆を応援しようと駆け付けたのが、当時は葛飾区議だった立花孝志である。この選挙期間中、立花孝志は上杉隆を応援するようなコメントをSNSで発信していたのだが、上杉隆サイドから自粛を求められたのか、コメントを削除する動きも見られた。それでも、選挙の最終日は上杉隆の応援をしつつ、中央区議選にNHKから国民を守る党の公認で立候補していた二瓶文徳の応援に駆け付け、その様子を動画にアップしていたのである。
 皮肉なことに、立花孝志は二瓶文徳のことを脅迫してしまったため、NHK会長に対して行った不正競争防止法違反と威力業務妨害に加え、脅迫罪でも罪を問われ、1月18日に刑事裁判の期日を迎える。
 立花孝志いわく、上杉隆とはNHKを辞職する3ヶ月ほど前に出会っているらしく、その後もたびたび交流があったのだという。上杉隆もまた「元NHK記者」という肩書きを名乗っており、まさに似たもの同士の二人だと言えるだろう。元N国関係者の話では、立花孝志の方が上杉隆に積極的なアプローチをしているように見えたという。

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 2019年7月の参院選で議席を獲得した立花孝志だが、直後からトラブルを起こす。8月にはMXテレビの前でマツコ・デラックスさんに対して嫌がらせの抗議を始め、私は現場で立花孝志の公設秘書となった上杉隆の弟の姿を目撃している。立花孝志は当初から上杉隆に幹事長をお願いしたいと熱望していて、渡辺喜美と会派を組むに至ったのは上杉隆の活躍があったからではないかと見ている。

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 上杉隆が立花孝志のYouTubeチャンネルに初めて登場するのは、おそらく9月3日である。この頃には「幹事長YouTuber」を名乗っていて、上杉隆が立花孝志に倣ってYouTubeを始めたことを報告している。

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 9月17日には渡辺喜美、立花孝志、上杉隆の3人でYouTubeを撮影しており、仲介したのが上杉隆であることを窺わせるワンシーンだ。そんなわけで、立花孝志と上杉隆の関係はかなり昔まで遡り、国政政党になって間もない頃から上杉隆は幹事長をやっていたというわけである。

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 さて、気になるのは「AI SOLUTION KYOTO」の代表取締役になっているというU氏についてだ。あえて氏名は伏せるが、上杉隆との出会いは2020年1月18日の動画が最初だと思われる。当初は立花孝志とU氏が2人で撮影していたのだが、呼ばれているわけでもなさそうなのに椅子を持って乱入し、「フォローしましたよ」と声をかけている。まだ動画も見ていないと発言していることもあり、この時はまったく関係性ができていなかったと思われる。
 しかし、「HUNTER」が出している登記によれば、1月25日には同社の代表取締役に就任しているので、わずか1週間で国民民主党から年間3000万円以上のお金が入る会社の社長に抜擢されていることになる。動画では立花孝志が自分のことを「ものすごい恋愛博士」だと自称してドヤっていたが、すぐ隣の男が「会社をプレゼントする」という斬新な口説き方をしていたということになるのだろうか。


■ 「日本ゴルフ党」が発足される

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 かつて「NHKから国民を守る党」が「ゴルフ党」に名称変更しようとした時に、私は上杉隆や立花孝志らのゴルフ代がすべて税金になってしまうのではないかと懸念した。しかし、立花孝志は「ゴルフ党」を断念し、「NHKから自国民を守る党」という名前に変更して、略称を「自民党」にすることを発表した。これにより、上杉隆のゴルフ代がすべて税金で賄われるようなことはなくなったのではないかと思ったのだが、懸念が払拭されることはなさそうである。
 立花孝志のYouTubeによると、上杉隆は12月16日付で、新たに「日本ゴルフ党」という政治団体を立ち上げたという。こうすることで、N国党から「日本ゴルフ党」にお金を流し、上杉隆のゴルフ代はすべて「調査費」ということで処理することができる。つまり、上杉隆が税金で好きなだけゴルフを楽しめるスキームが完成してしまったというわけだ。
 ここからはあくまで推測だが、もしかすると今度の衆院選に「日本ゴルフ党」から立候補する人が出ても不思議ではない。今のところは上杉隆だけがゴルフやり放題だが、もし「日本ゴルフ党」の公認候補になれば、その人もゴルフがやり放題になる。政党として貯金をしても意味はないので、経費としてどんどん使った方が良い。ナースYouTuberを社長にするぐらいアクティブな上杉隆なので、ゴルフ好きの美女が見つかれば、さっそく党の幹事長ぐらいにはなれるだろう。毎日ゴルフ三昧だ。


■ N国党は「自民党」を目指して裁判をする

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 ささやかな情報であっても全部包み隠さずオープンにすることを約束していながら、非公開で行われた12月16日の党総会で、「NHKから国民を守る党」は、「NHKからを守る」に党名が変わることが明らかになった。ただし、略称として提出していた「自民党」については、総務省から認められないという連絡が来たということで、認めてもらえないなら裁判をするという姿勢を示している。
 学習能力がないとしか言いようがないが、そんなものが認められるはずがない。これは「民主党」という政党名が認められる以上にハードルの高い話だ。なにしろ「自民党」は既に存在していて、「自由民主党」という正式名称よりも「自民党」の方が知られている。
 もはや自分たちの政策では票を獲得できず「自民党」の名前を借りることで按分票を狙おうという、静岡4区の衆院補選で見せた「同姓同名作戦」とまったく同じことをやろうとしているだけである。しかし、静岡4区の衆院補選でどんな結果になったかと言えば、思ったほどの按分票は入らず、落選した上に供託金まで没収されている。衆院選の供託金は300万円で、ドブに捨てたに等しい結果だ。やがて5億円以上の借金を返済しなければならないのに、くだらない実験のために300万円を捨て、さらに何の反省もなく同じ失敗を繰り返しているのだから、こんな政党に期待できるものがあると信じている時点で、だいぶ頭がおかしいのである。


■ 令和元年分の政治資金収支報告書・検証(#3)

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 NHKから国民を守る党の政治資金収支報告書は、メチャクチャだ。
 おそらく、このレポートをメディアや然るべき機関の皆さんが注目していると思うが、1枚ずつ丁寧に疑惑を並べていく。
 26ページにある「イベントユニフォーム代」というのは、選挙に使用するスタッフジャンパーではなさそうである。有限会社ウイザスボールパークで検索をすると、ここは野球のユニフォームの専門店である。

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 NHKから国民を守る党は、結党直後から「野球大会をやろう」と話しており、これまで何度も草野球を実施している。どこに需要があると思っているのか知らないが、立花孝志はたびたび野球の様子をYouTubeにアップしており、しっかりと「N-Koku」と書かれたユニフォームが映っている。
 政治資金収支報告書に載っているということは、つまり、このユニフォームが税金で作られているかもしれないということだ。「野球のユニフォームぐらい自分たちで買え!」と言ってやりたいところだが、いちいちN国党の政治資金収支報告書をめくって文句を言っているのは、今のところ、私だけである。多くの人に気づいていただきたい真実である。

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 飲食代として計上されているのは、51万4542円。
 多くを占めるのは、12月18日に行われたカラオケ館新橋外堀通り店での「忘年会」である。党員たちを集めてワチャワチャしたのだろうが、どいつもこいつも議員であり、「忘年会ぐらい自分たちの金でやってくれ!」という話でしかない。もっとも、飲食代については他の政党もたくさんお金を使っているので、N国党だけが無駄に使っているとは言わないが、来年の今頃はもっと驚くべきものにお金を使っていることがわかりそうだ。


■ 選挙ウォッチャーの分析&考察

 あと2週間で2020年も終わってしまうが、立花孝志はあと2週間以内に206人に4930万円の利子を支払わなければならない。ここには参院選に挑戦する際に年利15%で借りた人たちへの利子は含まれていない。さらに、事務所の経費や各人件費などの毎月かかるランニングコストも含まれていないので、今月だけでざっくり7000万円から8000万円近いお金が必要ではないかと見ている。果たして、この人たちに無事、今年分の利子は支払われるのだろうか。実は、金銭的な意味でも目が離せない。

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