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【選挙ウォッチャー】 新型コロナウイルス・最新情報(#137)。

 毎週日曜日は、新型コロナウイルス最新情報です。
 こうしている間にも知見がどんどん更新されており、自分たちの取るべき行動が少しずつ変わっていくと思います。僕もリスクを取って選挙の取材をするようになっていますので、しっかりチェックして、なるべく感染しないための最善を尽くしたいと思います。


■ 基礎疾患のない10歳未満や20代が死亡

総務省消防庁が公表している救急搬送困難事案のグラフ(3月8日付)

 感染者が減ってきているというポジティブなニュースばかりが報じられていますが、「救急搬送困難事案」は高い水準のままとなっており、10代や20代といった若い人たちは死亡リスクが低いことから、救急搬送されにくい状態が続いています。
 先週は神奈川県で基礎疾患のある10歳未満のお子さんがお亡くなりになりましたが、今週は京都府で基礎疾患のない10歳未満のお子さんがお亡くなりになりました。東京でも基礎疾患のない20代男性がお亡くなりになっており、若い人たちの死亡例が目立つようになってきました。
 高齢の方ほど致死率が高いというのがオミクロン株の特徴ですが、子どもや若者が死なないわけではなく、感染者が多く、かつ、救急搬送されない状態が続いているのですから、これから同様の死亡が続く可能性があります。これを止めるためには「学校を止める」しかありませんが、三浦瑠麗のような人たちを番組に出演させ、「学校を止めるな!」と言わせているので、春休みを待つしかないでしょう。


■ 学会が「上気道狭窄」に注意を呼びかけ

 これはもっと知られるべき情報だと思います。
 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会が、オミクロン株の患者で喉の奥が腫れて呼吸困難になるなどの症状が複数報告されており、緊急で注意を呼び掛けています。
 どの程度の頻度で起きるのかなどは分かっていませんが、血液中の酸素飽和度には、直前まで異常がでないことから、軽症と判断されて発見が遅れる恐れがあるということで、つばを飲み込めないような強いのどの痛みがあるときや、息を吸うのが苦しいとき、声がこもったようになっているときなどは、早急に医療機関を受診してほしいと話しています。


■ 感染の高止まりは「抗原検査」が原因か

 再三にわたって、精度の低い抗原検査ではなく、PCR検査を採用するように求めているのですが、日本政府は一向に改善する気配がありません。最近は官僚が利権を作り出しているのではないかとさえ思っていますが、とにかく精度の低い抗原検査が採用されているばっかりに、大量の見逃しが発生しており、本当は陽性なのに「陰性」として扱われた結果、たくさんの感染を生み出していると考えています。

100万人あたりの新規感染者数(日本と韓国の比較)

 これまで日本より優れた防疫体制を整えてきた韓国が、今回のオミクロン株では壊滅的な感染者数を叩き出しています。こうなってしまった原因の一つとして考えられるのが「抗原検査」です。
 感染者が爆発的に増える中、韓国政府は「PCR検査をやめ、抗原検査に切り替える」という選択をしました。これまでは誰でも無料でPCR検査を受けられたのに、1月26日から「60歳未満の重症化のリスクが低い人は先に抗原検査を受け、陽性だった人だけがPCR検査を受けられる」というルールに変更されたのです。
 しかし、抗原検査の精度はPCR検査の1000分の1程度であり、かなり多くのウイルス量を放出している人でなければ「陽性」にはならないのです。抗原検査キットに至っては、さらに抗原定量検査より精度が落ちてしまうので、無症状の人はほとんど見逃してしまうレベルです。こうして検査の見逃しが起こった結果、日本で広がっている第6波の地獄がマシだったと思えるほどの強烈な完全爆発が起こっており、いかにPCR検査が大事なのかというデータが出来上がっています。


■ 早くも4本目のワクチンに動く日本

 イスラエルの研究でも、4本目のワクチンにはほとんど効果がないとみられる中、日本政府は早くも4本目のワクチン接種に向けて全力です。PCR検査を拡充するなり、高機能マスクを推奨するなり、感染を抑えるための手はたくさんあるだろうに、日本の政治家は「ワクチン」「経口薬」以外に方法がないと思っているポンコツとボンクラばっかりなので、早くも4本目のワクチン接種に向かって全力です。
 5歳から11歳までの子どものワクチンの効果が極めて限定的で、1ヶ月も経たないうちに効果を失ってしまうことは、科学的にもわかっているはずですが、堀内詔子(山梨2区)ワクチン担当大臣は「子どもに重篤な副反応が出る確率は低いとする研究結果もあり、接種する意義はある」と訴えていました。
 一説には3月末でワクチン担当大臣が廃止されるという話もある中、最後の最後に無責任なことをホザいていると思いますが、どうやら日本はワクチン戦略を取るつもりのようで、4本目のワクチンを打てば大丈夫というイスラエルと同じ轍を踏むつもりのようです。

100万人あたりの死者数(日本とイスラエルの比較)

 4本目のワクチン接種については、海外の専門家たちの間でも意見が分かれるところがあり、メリットとデメリットの判断は非常に難しいです。3本目までは「どうやらメリットが大きそうだ」と言えますが、4本目がデメリットを上回るかどうかは不明です。もう少しデータを集める必要がありそうですが、あくまで高齢者を中心に打つことになりそうです。


■ 2月の病院外での死亡は最多564人

 警視庁は、自宅や高齢者施設など、医療機関以外で体調が悪化するなどして死亡した人のうち、新型コロナウイルスに感染していた人が2月には564人いたことが明らかになりました。最も多かった2021年8月の250人を大幅に上回る数字です。
 場所別では、自宅や高齢者施設、宿泊施設などの「自宅等」が512人にのぼり、それ以外の「外出先」が52人。死後に感染が判明したのは289人で、生前にPCR検査で陽性が確認されていたのが270人でした。検査をせずに医師が陽性と判断したのは5人。564人のうち、死因を「コロナである」と特定したのは226人でした。
 年齢別では80代が203人、70代が135人となっていますが、10代が2人、10歳未満も2人いたことが明らかになっています。男女別では男性が365人、女性が199人。地域別では、東京都が134人、大阪府が83人、埼玉県56人、神奈川県46人、兵庫県39人でした。


■ 全国の感染状況まとめ(3月12日版)

日本の100万人あたりの死者数を表したグラフ

 これまで「オミクロン株はただの風邪」だと喧伝されてきましたが、このグラフを見ても分かるように、オミクロン株による第6波が過去最高の死亡者数を生み出しています。最悪だった第4波と比べても2倍以上の死者数を生み出しており、なかなか感染者が減少しないところを見ても、しばらくは深刻な感染状況が続きそうです。
 さて、全国47都道府県の新規感染者数と主なトピックスを1行で紹介します。スマホでご覧いただいている方は2行以上になっているかもしれませんが、なるべく短い文章で簡潔に状況をまとめております。

北海道:1701人。札幌市786人。岩見沢総合病院で15人感染。
青森県:524人。青森市125人、八戸市115人。昨日は過去最多。
岩手県:253人。盛岡市103人。県立中央病院の保育施設で12人。
宮城県:771人。再び増加に転じている。仙台市の保育施設で10人。
秋田県:213人。コロナ禍で料理を楽しむ人が増え、スーパーが復活。
山形県:273人。山形刑務所の受刑者にマスクを渡し、常に着用を指導。
福島県:430人。12日連続で前週同曜日を上回っており、感染再拡大。
茨城県:1748人。小学校や特別支援学校などでクラスターが大発生中。
栃木県:544人。下野市の「ゆうがおパーク」でカラオケ大会が開催。
群馬県:710人。依然として多いが、知事はマンボウを解除する方針。
埼玉県:3904人。県が後遺症外来の設置を募り、41病院から申し出。
千葉県:2984人。柏市251人、小学校6人、保育関連18人が感染。
東京都:9164人。ウクライナ難民を都営住宅最大700戸で受け入れ。
神奈川:4771人。11日にも10歳未満の男児が死亡、子供は2人目。
新潟県:436人。小千谷市では昨年9月に開催予定だった成人式を開催。
富山県:385人。これまでにモルヌピラビルは120人に使用された。
石川県:358人。西村康稔議員が馳浩さんの応援に来てノーマスク演説。
福井県:392人。新規感染者数が一度もピークを迎えずに右肩上がり。
山梨県:235人。3月は10歳未満の女児が中等症、男児は重症に。
長野県:389人。3日連続で1週間前を上回り、感染の再拡大が懸念。
岐阜県:529人。90代男性がワクチン3回接種済だったが死亡した。
静岡県:1200人。BA.2の割合は14%。沼津の寿司屋が魚の卸売開始。
愛知県:3574人。2月は448人死亡、3月10日まで154人死亡。
三重県:433人。死亡後にコロナ陽性が判明した20代の死亡者がいる。
滋賀県:798人。草津市は不登校フリースクール授業料を月4万円補助。
京都府:1165人。基礎疾患のない10歳未満死亡。呼吸に異変あり。
大阪府:5579人。寝屋川市の感染者や濃厚接触者支援金を維新が否決。
兵庫県:2639人。補助金打切、有楽町アンテナショップがコロナ閉店。
奈良県:738人。橿原市で子どもへのワクチン接種が始まり、予約満了。
和歌山:162人。BA.2の感染確認。今年も4月から聖地巡礼バスを運行。
鳥取県:75人。リバウンド防止特別月間で、県民が頑張って完全を防止。
島根県:108人。松江市58人。松江市と安来市の学校で集団感染。
岡山県:538人。岡山市で子ども4万4000人を対象にワクチン開始。
広島県:728人。呉市の戦艦大和のミュージアムを68億円で改修工事。
山口県:303人。下関市が無能をこじらせ、県の感染者の6割を占める。
徳島県:213人。今月開催予定の「とくしまマラソン」が3年連続中止。
香川県:431人。三豊市でファイザー希望者にモデルナを誤って接種。
愛媛県:302人。1月末から2月上旬のピーク時と同水準の感染拡大。
高知県:164人。5人以上で会食する時には無料PCR検査を推奨。
福岡県:2523人。ロシアのウクライナ侵攻で明太子が高騰、観光打撃。
佐賀県:315人。佐賀空港にコロナ交付金で宇宙テーマの多目的室作る。
長崎県:310人。対馬市の観光クーポン担当職員が6000万円を着服。
熊本県:645人。コロナ禍でも「くまモン」の利用商品の売上は増えた。
大分県:264人。高校の合格発表は密を避けるためにウェブで発表。
宮崎県:245人。7町村で子どものワクチン接種を事前アンケート実施。
鹿児島:395人。医師会の猥褻職員県医師会の会長が合意あったと擁護。
沖縄県:679人。部活や卒業パーティーで感染する10代が増えている。

 本日の日本全国の新規感染者数は5万5328人。本日の日本全国の死者数は141人となりました。地域別では、兵庫県17人、千葉県15人、東京都14人、大阪府13人、愛知県13人、埼玉県10人、北海道9人、奈良県7人、京都府6人、神奈川県6人など。
 2月の児童・生徒・幼稚園児の感染者は20万5291人となりました。


■ 選挙ウォッチャーの分析&考察

 東京や大阪などで検査数が減っているので、感染者も減っており、日本全体での感染者数は減っているように見えるのですが、東北地方や中部地方などで感染の再拡大が確認されており、まだまだ良い状態になっているとは言えません。

 ということで、今週も感染に気をつけながら選挙の取材をすることになるわけですが、コロナ禍のお供に「『NHKから国民を守る党』とは何だったのか?」という本を、ぜひ読んでいただきたいと思っています。先日は東京新聞でも書評を書いていただき、話題になりました。あまりにN国党がオワコン過ぎて、思ったほどは売れていないのですが、まだ読んでいない方がいらっしゃいましたら、ぜひお近くの書店やAmazon先生で手にしてみてください。では、引き続きN95マスクを着用して頑張ります。

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