【選挙ウォッチャー】 新型コロナウイルス・最新情報(#147)。
悲しいことに、この国はもう「まともな先進国」ではなくなり、科学的な思考すらできない「イカレーの国」になってしまいました。先日の参院選でコロナ陰謀論の巣窟となっている「参政党」や、海外逃亡中の詐欺師を堂々と擁立し、名誉毀損を繰り返したあげくに1議席を獲得したものの、一度も国会に出席せずに辞めそうな「NHK党」を恥ずかしげもなく当選させているのが、我らがニッポンなのです。
こんな「イカレーの国」で、まともな新型コロナウイルス対策なんかできるはずもなく、「人命より経済の方が優先だ」と方針を転換し、いまや自主的に経済を止めるよりも経済が止まる可能性が出ています。国会でちゃんと仕事をしている人よりも「ガーシー」の方が期待され、たくさんの票を獲得してしまう国なので、やればやるほど悲惨な結果に結びつくことは火を見るより明らかです。
■ 脳卒中でも病院探しに2時間かかる
あまりに新型コロナウイルスで苦しみ、救急車を要請する人が増えているために、救急車は常に出払い、脳卒中で倒れた人が病院探しに2時間かかる事態になっています。こうなってしまうと、本当だったら助かっていたかもしれない命が失われることになるわけですが、この国の大半は「コロナだから、しょうがないよね」です。いや、打とうと思ったらたくさん手があるので、まったくしょうがなくないんですけど!
僕たちが安心して暮らすためには、いざとなった時に病院に運んでもらうことができ、最善を尽くしてもらえることが大前提です。最善を尽くしてダメだった時には仕方がないかもしれないけど、最善も尽くしてもらうどころか、病院にすら運んでもらえないのですから、こんなに不幸なことはありません。助かるはずの命を平気で見殺しにしてしまうほどの野蛮な国になりつつあるのが、今のニッポンの姿です。
もちろん、医療関係者の方々は常に最善を尽くしてくださっていると思います。でも、この国には「脳卒中の人が2時間もかかるなんて大変じゃないか!」と言う人は少なく、「脳卒中で倒れたら、それはもう寿命みたいなもんやろ!」と吐き捨てる人がほとんど。だけど、脳卒中になったけど一命を取り留めたという人はたくさんいます。「あと10分遅かったら助からなかったかもしれない」なんてことはたくさんあって、僕は「せめて病院には運んでやってくれよ!」と思いますが、大半の人は「しょうがないよ、こんな時代なんだし」で終わりです。自分の大切な家族が脳卒中になっても「しょうがないよね」で終われるのでしょうか。それは、想像力が致命的に欠如した、あまりにイカれたメンタルではないでしょうか。
思っていた以上に、あまりに新型コロナウイルスが広がり過ぎて、不測の事態に陥り、コロナ以外の人も死んでしまいかねない状態にまでなってしまったのですから、普通は「立て直し」を図ります。何のために脳味噌がついているんだという話ですから、「どうすれば問題を解決できるだろう」と考えるのは当たり前のはず。だけど、この国の人たちは考えることもできないダチョウ並みの脳味噌になっています。
■ 解熱剤の「カロナール」に販売制限
これは皆さんが思っている以上にヤバい事態です。
新型コロナウイルスの代表的な症状は「発熱」です。40度を超えるような熱が出ることも珍しくないため、解熱剤は欠かせません。熱が下がらないと命に関わるし、思わぬ後遺症が残る可能性もあります。
しかし、東京では50人に1人、沖縄では30人に1人ぐらいの勢いで新型コロナウイルスで療養中という事態になりつつあり、そうなってしまうと解熱剤が足りなくなります。そこで、「カロナール」の出荷が制限されることになりました。こうなってしまうと、なかなか解熱剤を手に入れることができなくなり、いよいよ「精神論だけで乗り切れ!」ということになりかねません。
そもそも新型コロナウイルスに感染した人に「解熱剤がない」というのは致命的で、「麻酔をしないで手術をする」と同じぐらいのインパクトだと思います。いまや中等症でも入院させてもらえず、どうせ「自宅療養でどうにかしろ」と言われるのがオチなので、レムデシビルを点滴してもらえるわけでもないし、せめてカロナールだけは欲しいところですが、それすら手に入らなくなる可能性があるのです。アホが「解熱剤は他にもあるよ!」なんて言い出していますが、どうして「カロナール」が重宝されてきたのかと言ったら、これまでいろいろな解熱剤を試してみたけれど、「カロナール」が最もリスクなく使えたからで、医師の経験に基づく話です。こうなってしまった以上、背に腹は代えられないということで、他の解熱剤を使うしかないのかもしれませんが、それさえも、このまま感染者が増えてしまったら不足するのは時間の問題です。
新型コロナウイルスと戦うための有効な武器を潤沢に用意できていなかった時点で、この戦いは負けてしまう可能性が高いのですから、やっぱり「立て直し」が必要です。百歩譲って、「カロナールは無限にあるから、いざとなった時には自宅療養してろ!」と言われるなら分かりますが、武器もなく精神論だけで戦おうなんて、竹槍でエイヤーです。日本は1940年代から何一つ進歩していません。
■ 高齢者にだけ行動制限を課す頭の悪さ
いまや大阪府は、人口当たりの新規感染者が東京都よりも多く、また全国ワースト1の死者数を記録しようとしています。毎度、ゴールポストがズレるでお馴染みの「大阪モデル」でさえ、とうとうその信号機が「赤」になったそうで、大阪府民の皆様に、のっぴきならない状態にあることをお知らせしていました。
ところが、こんなにのっぴきならない事態になっても、マンボウを出すでも、緊急事態宣言を出すでもなく、イソジン吉村洋文知事は「高齢者は家にいろ!」と言い出しました。若者には自由を与え、老人たちには我慢をさせる。ポピュリズムを貫けばこういうことにはなりますが、実は、これこそ大阪の地獄をさらに加速させる愚策となりかねません。
悲しいことに、この世界はすべてがつながっています。
高齢者だってメシは食うので、スーパーやコンビニには買い物に行きますし、膝が痛かったり、蚊に刺されたりするので薬局にも行きます。高血圧やら糖尿病やらの薬をもらいに病院に行くことだってあります。免許を返納しているのでバスで行きます。もともとアルコールに弱くなっているので、居酒屋には行きませんし、年金暮らしでお金がないので旅行にも行きません。
一方、コロナ療養中の若者たちも、スーパーやコンビニには買い物に行きます。これだけ感染者が多いと、自宅療養と言っても、メシのケアまではしてくれませんので、自分で買い物をするしかありません。熱が出るので薬局にも行きます。一緒にいた友達や恋人も「コロナかも!」ってことで病院に行きます。車を持っていないし、仕事を休むと給料が減るので、タクシーに乗るほどの金はなく、仕方がなくバスで行きます。さすがにコロナになって居酒屋や旅行に行くほど非常識ではありません。・・・あれっ???
高齢者が感染しているのは、なにもパーティーや旅行に明け暮れているからではありません。感染の連鎖を止めるためには、なるべく満員電車に乗る人を減らすこと、飲食店やフードコートで空気感染する人を減らすこと、室内ではガンガンにHEPAフィルターの空気清浄機を回すこと、とにかく検査を拡充して感染者を隔離すること、ウレタンマスクではない「不織布マスク」の着用徹底など。
しかし、やるべき対策を間違えているので、これからも高齢者は感染しますし、高齢者の方々は人間として最低限の暮らしを維持するための行動しかしていないかもしれませんが、世間からは「自粛をしてないから感染してしまうんや!」と言われ、「死んでも仕方がない」として扱われるのです。
アホを知事にするというのはそういうことですし、アホの知事が頑張って仕事をしているように見えてしまうのは、「本当にこれでいいのかな」と考えたことがないからです。こうやって考えることをやめてしまうと、最終的には維新ではなく、「ガーシー」とかいうオッサンに1票入れた末に、「きっと日本を変えてくれる!」なんて言ってしまう脳味噌に仕上がってしまいます。ほとんどの日本人が、あと一歩でそういうところまで来ているのかもしれません。マジでヤバいです。
■ 全国の感染状況まとめ(7月28日版)
さて、全国47都道府県の新規感染者数と主なトピックスを1行で紹介します。スマホでご覧いただいている方は2行以上になっているかもしれませんが、なるべく短い文章で簡潔に状況をまとめております。
本日の日本全国の新規感染者数は23万3094人、死者数は114人となり、そのうち大阪府が21人となっています。静岡県で3歳の女児、和歌山県で10歳未満、鹿児島県で10代の男性お亡くなりになっており、若い人たちが命を落とすケースが増えつつあります。
全国的に終わっているとしか言いようがありませんが、とうとう沖縄県では、保育所で感染者が出ても「無症状なら登園して良い」ということになりましたので、余計に地獄が広がることは確実です。今後も全国で続々と頭のおかしい判断が行われていくことでしょう。
■ 選挙ウォッチャーの分析&考察
どれだけ医療が逼迫しようと、どれだけ薬がなくなろうと、経済だけは絶対に止めないつもりのようです。しかし、経済を止めようとしなくても、このままだと自動的に経済が止まります。飲食店は何の補償もなく、勝手に客が来ない状態が続くだけです。
この地獄が広がる要因を作っているのは確実に「コロナはただの風邪」と主張しているアホの国民ではあるのですが、アホの声に流されているアホの政治家も同様に罪深いです。しっかり責任を取ってもらいましょう。
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