【選挙ウォッチャー】 町田市議選2018・分析レポート。
東京都町田市では、2018年2月25日に市長選とともに市議選も行われ、定数36に対して44人が立候補しました。この中から落選するのはわずか8人ということになりますが、泡沫候補も混ざっているため、実質的には3人くらいが振り落とされる選挙です。今回は立憲民主党から2人の候補者が立候補し、都民ファーストの会、NHKから国民を守る党、自由を守る会、幸福実現党など、バラエティーに富んだ候補者のラインナップがあり、心ときめく美人候補もいて、「選挙ウォッチャー」として近年稀に見る面白さの選挙でした。
日野市議選では立憲民主党の候補者がトップ当選を果たしましたが、町田市でも同じような現象が見られるのか。都民ファーストの会やNHKから国民を守る党の候補者は当選できるのか。今回も政党名をアピールしないステルス選挙を展開している幸福実現党の候補者はどれくらい票を取るのか。そして、2児の母で上田令子さんや音喜多駿さんが推薦している「自由を守る会」の美人候補・矢口真由さんは勝てるのか。見どころ満載で、写真も文章もてんこ盛りになりそうですが、これぞ「選挙ウォッチ」の醍醐味みたいな選挙です。
■ 「立憲民主党」の風を感じる選挙
今回もまた「立憲民主党」の風を感じる選挙になりました。選挙最終日には枝野幸男代表や長妻昭代表代行がやって来て投票を呼びかけていたのですが、この街頭演説は「町田大作戦」と名付けられ、SNS上でも告知され、250人~300人ほどの聴衆が集まりました。まったく同じ時刻、小田急線の町田駅前では自民党の片山さつき議員と朝日健太郎議員が石阪丈一さんの応援演説にやってきたのに、多くの市民が完全にスルーしていたのとは対照的です。
立憲民主党からは、2人が立候補していました。智田伸也さんは4年前は民主党の候補者でしたが、5人しか落選しない4年前の町田市議選で1939票しか取れずに落選。あの頃から少しオジサンになり、少しハゲたぐらいで何も変わっていないと思いますが、今回は立憲民主党の候補者として立候補し、4818票を獲得して、36人中5位の得票数でした。単純に獲得した票が2倍以上になったのは「立憲民主党の風に乗った」と考えられます。
東友美さんは立憲民主党から立候補した33歳の女性です。ご覧の通りの美人なので、「美人×立憲民主党」という最強コラボにより、新人ながら6865票も獲得し、36人中2位で当選を果たしました。新人なので実績があるわけでもなく、政策らしい政策もなく、ただ不安な人たちに寄り添いたいという話をしているだけなのに、これだけ圧倒的な票数を獲得できるのですから、これはこれで変な世の中です。東友美さんは、幼少の頃にお父さんが家中にお金を持って蒸発してしまい、母と貧しく厳しい生活を過ごし、中学ではイジメを経験し、大人になって製薬会社の正社員として働きながら母の介護をしてきたそうです。そんな生い立ちを聞かされて、思わず投票したくなった人もいると思うのですが、かなりシビアなことを言ってしまえば、生い立ちと政策は関係ありません。もちろん、辛い経験をたくさんしている人の方が人に優しくなれるかもしれませんが、大切なのは政策なのに、何も政策らしい政策が語られないまま人気になってしまうのでは「選挙って何なんだろう?」ということになります。与党のやりたい放題にならないためにも野党に入れたいという気持ちは分からなくもありませんが。
ちなみに、枝野幸男代表が町田駅前に来た時には人だかりができたのですが、枝野幸男さんが官房長官をやっていた頃の総理大臣である菅直人さんが町田駅前に来た時には、ほとんどの通行人が完全スルー。話を聞く人も、握手を求める人もほとんどいませんでした。遠くから見たら「町田を歩いている無職のオッサン」にしか見えず、かつて総理大臣だったというオーラはゼロ。野田佳彦さんの方がよっぽど人気があるし、これほどオワコンの国会議員を初めて見たかもしれません。
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