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【選挙ウォッチャー】 新型コロナウイルス・最新情報(#50)。

これまで新型コロナウイルス関連のニュースのまとめを細々とお届けしてまいりましたが、今後はかねてから計画していたように、ニュースのまとめをYouTubeに移行し、noteでは僕のオピニオン記事を中心にお届けしていくことにいたします。


■ 「検査をするな」論のアホさ加減

最近、上念司さんや有本香さんといったネトウヨ系文化人を中心に、「むやみに検査をするべきではない」というアホアホオピニオンが蔓延するようになり、やっぱり同じ周波数のネトウヨたちが「そうだそうだ!」と、検査をしないことが正義であるかのように語り始めました。思えば福島第一原発事故の直後も、「日本人は日頃から味噌汁を飲んでいて、昆布やワカメを食べているのだから、安定ヨウ素剤がなくても甲状腺がんにはならない」と言っていたアホがいたり、「そもそも子供の甲状腺はとても小さいので、がんになる心配はない」なんて言っていたアホもいたのですが、あのアホが今もまったく反省していないことを考えると、今回の新型コロナウイルスでも同じようなことが起こるだろうと考えていました。案の定、あまりに検査数が少ないことが批判されると、「むやみに検査をすれば医療崩壊する」なんていうアホアホ理論をかまし、同じ周波数のアホに「なるほどガッテン」をさせています。「スーパー堤防」の時もそうですが、ネトウヨというのは基本的にアホなので、「医療崩壊」を間違えて考えているのではないでしょうか。

【ネトウヨが考える医療崩壊】

ここはこの街で一番大きな総合病院。私は内科医の木村だ。今日も朝9時から診察が始まり、患者を受け入れる。ところが、まだ7時半だというのに病院の玄関をドンドンと叩く音がする。

クレーマー患者A:「早く検査してくれぇ!」
クレーマー患者B:「9時まで待ってられるかよ! 早く開けろ!」
木村:「す、すみません、入院されている患者さんもいるので、静かにしていただけませんか?」
クレーマー患者C:「だったら、今すぐ検査させろよ!」
クレーマー患者D:「不安で不安で眠れないんだ。早く検査してくれぇ!」

病院には連日の報道で不安になったという患者が大量に押し寄せ、我々ドクターは常に最善を尽くしているのだが、まったく手が足りない。医師が睡眠時間を削り、不安だからと押し寄せる患者にPCR検査をしては、そのほとんどが陰性であると伝えるのだ。

看護師:「私、もうダメです。こんな生活、もう限界!」
木村:「す、鈴木クン・・・。患者の前で涙を見せるもんじゃない!」

私の隣にいた看護師の鈴木クンが泣き崩れた。私はとっさに抱きしめてやろうと思ったが、院内感染を防ぐために、ハグは厳禁だ。この病院のマドンナであり、いつもヒマワリのような笑顔で患者や私たちを励ましてくれる美人ナースの鈴木クンまで精神的に追い詰められている。くそぅ、私はどうしたらいいんだ。この医療崩壊の現場をどうにかしなければ!

おそらく、これがネトウヨの頭の中にある医療崩壊です。しかし、実際にはPCR検査をしたことが原因で医療崩壊が起こるということは考えられません。なぜなら、「PCR検査をしてほしい」と言っている人たちは、不安だから検査をしてほしいと言っているわけではありません。肺炎などの症状があり、あるいは、何日も高熱が続いているため、新型コロナウイルスではないかという疑いがあるので、診断を確定してほしいだけです。本当は新型コロナウイルスなのに「普通の風邪」だと言われ続けて、ちっとも改善しないまま症状が悪化するようなことがあっては困る。だから、疑いがあるのなら検査をして、正確な診断をしてほしいだけなのです。そして、実際には検査をしない方が医療崩壊につながる危険性は高いと考えます。その理由は、感染者が多くなれば、そのうちの2割は重症化するのですから、検査をしようがしまいが大量の患者が運び込まれ、医療崩壊は起こるからです。定量的なデータがあれば、どれくらいベッドが必要で、患者の状況を見て計画的に退院させていくことができますが、データがなければ、これからどれくらいの重症患者が運び込まれ、それが増えるのか減るのかも予測ができません。だから、日本で起こる医療崩壊というのは、どういうものかというのを想像すると、きっとこういうことです。

【これから起こると想定される医療崩壊】

私はこの街で暮らす、ごくごく平凡な家庭の主婦、ケイコ。実は、高齢の父が新型コロナウイルスに罹ってしまった。父の症状はみるみる悪くなり、病院に行くことになったのだけど、病床がいっぱいだということで入院を断られ、自宅で様子を見ることに。しかし、家について6時間後には父は会話ができなくなるほど病状が悪化していた。

ケイコ:「お父さん! お父さん、しっかりして!」
父:「うぅ・・・。」
ケイコ:「お父さん、私のことわかる?」
父:「うぅ・・・。」
ケイコ:「救急車を呼ぶわ!」

私は無我夢中で救急車を呼び、幸いにも5分後には救急車が来た。手際を良く父を運ぶ救急隊員。しかし、問題はこの後だった。救急隊員がさっきからずっと受け入れてくれる病院を探してくれているが、どの病院も受け入れてくれない。入院できるベッドがないというのだ。なんと、救急車の中で45分も病院を探し、なんとかX病院が1床だけベッドに空きができたということで受け入れてもらえることになった。しかし、そのX病院まではサイレンを鳴らしても30分はかかる。

ケイコ:「お父さん、しっかりして!」
父:「・・・。」

病院に着く頃には、父の意識は混濁していて、すぐに肺に空気を送る装置を取り付けようということになったのだけど、その装置は父が病院に到着する数分前に別の患者に取り付けられたばかりだった。結局、父はそのまま息を引き取り、葬式などで人が集まることは禁止されているため、父は家族にも見送られず、ひっそりと天国に旅立った。

病院のキャパシティーは決まっているので、それ以上の患者を受け入れることはできず、結局、医師や看護師は忙しいかもしれないけれど、過労でぶっ倒れるほど働くということにはならず、ただ患者を受け入れてもらえなくなるだけではないかと考えます。軽症の人はもちろん自宅に送り返されるし、重症の一歩手前ぐらいの人までは喘息薬を与えられながら自宅療養することになり、本当に重症な人だけが病院で診てもらえる状態になります。ネトウヨは韓国やイタリアが医療崩壊を起こしているというデマを流していますけど、韓国はまったく医療崩壊を起こしていないし、イタリアでは重症患者が溢れるようになってしまったため、患者のトリアージが始まってしまいました。それでも病院が混乱してパニックになっているわけではありません。感染者が増えれば、そのうちの2割は重症化した患者ということになるので、検査をしようと検査をしまいと重症化した患者が病院に運び込まれてくることには変わりがありません。おそらく日本もこのまま検査をしないことになると、イタリアのように重症患者で溢れてしまい、病院が空いていたら治療してもらえるけど、病院が空いていなかったら治療してもらえないということで、淡々と人が死んでいくことになるのではないかと思います。なぜ、検査をしないと重症患者で溢れるようになるのか。軽症程度で済んでいる人たちが新型コロナウイルスであることを認識し、しっかり体を休め、対処療法とはいえ、ある程度の治療を受けることで、重症化せずに回復する。この方法で韓国では医療崩壊もせずに、致死率を1%以下に抑えることに成功しました。現在では新規の感染者が減少に転じています。ところが、検査をしなかった場合には、軽症の患者は「やっぱり新型コロナウイルスではなかったかもしれない」と出歩き、より感染者を拡大させ、新たな重症患者を生んでいく一方、感染者自身も突然の劇症化が起こった時に対応できなくなり、病院に運び込まれる頃には手の施しようがなくなってしまう可能性があるのです。いつの時代も身を守るために必要なことは「知ること」なのです。


■ PCR検査が医療崩壊を起こす論のデタラメ

そもそも「もっとPCR検査をするべきだ」と言っているのは、そこらへんの健康な人にPCR検査をするべきだという話ではありません。症状があって、医師が診察した結果、新型コロナウイルスの疑いがあると判断される人に対して、もっとPCR検査をするべきだと言っているのです。今もさまざまな対処療法が模索されているため、新型コロナウイルスだと分かれば、治療法が変わってきます。医師も普通の風邪薬を渡すことはなくなることでしょう。新型コロナウイルスだと診断されれば、会社を2週間休むことにも正当な理由ができるし、むやみに外出することは避けるでしょうし、友達と会うこともなくなるでしょう。より的確な治療を行うために、医師の判断で自由にPCR検査ができる環境を整えることは、とても大切です。しかし、ネトウヨ系文化人のオッサンやオバサンは、そういうことすら全部否定しているのです。「PCR検査をしたら医療崩壊を起こす」というデタラメな理論を持ち出して。


■ イベント自粛をどこまで延長するのか

安倍晋三総理が「今から1~2週間がヤマ場」と言い出し、イベントの自粛を呼びかけたのが2月26日の出来事です。さまざまなコンサートが中止になり、さまざまなスポーツが無観客となり、テーマパークも休園することになりました。あれから安倍晋三総理は、どこぞの閉店セールよろしく「今から1~2週間がヤマ場」だと言い続け、「オマエ、そればっかり言ってるけど、今から今からって、いつからなんだよ!」とツッコまれることになりました。結局、最初に言った時からカウントして1~2週間ということで、3月12日には2週間が経つことになるのですが、この1~2週間で感染者数がどうなったのかと言ったら、ちょっとだけ増えた程度です。そもそもPCR検査をほとんど実施していないもので、確認できる感染者の数が少ないこともあって、これではイベントを自粛したことに効果があったのかどうかがわからない。ということで、さらに10日程度の自粛を要請しました。現在も感染者は少しずつ増えており、10日後に改善している可能性はほとんど見込めないと思うのですが、もしこのまま感染者が拡大した時には、どのような決断をするのでしょうか。いつまでも自粛要請を続けるわけにはいかないでしょうから、まさか「大丈夫大丈夫作戦」を繰り広げることで日本経済を回していこうと言うのではあるまいなと警戒しています。10日後の安倍政権の動向には、絶対的に注目です。


■ 選挙ウォッチャーの分析&考察

やっぱりこの国は、アホに支配されている国なのだと思います。福島第一原発事故の時も、積極的に「大丈夫大丈夫作戦」を展開し、東京に放射性物質が降り注ぐと本当のことを言った「AERA」がバッシングされ、発言を撤回させられるほどに「不安を煽るな」という論調が主流になっていまいた。新型コロナウイルスでも同じような論調が巻き起こり、「パニックになるから検査をしない」というアホアホ論調が世論の中心になりつつあります。僕はこうした世論に抵抗するタイプの人間なので、今回もあの頃と同じようにnoteで発信してまいりますが、一方で半分諦めている部分もあります。メディアも巻き込んでアホアホ論を垂れ流されてしまうと、たかがnoteで抵抗したところで世論をひっくり返すことはできません。理由は、「物理量で決まる」からです。どれだけクリティカルな記事を書いたところで、「不安を煽るな」を大量に流されてしまうと、世の中は数の多い方が占めるようになってしまうからです。ただ、和歌山県知事の仁坂吉伸さんのように、実際にPCR検査を活用し、新型コロナウイルスを封じ込めた実績に自信を持つような人たちがだんだん現れるようにはなると思うので、どこかのタイミングで検査をしないと始まらないということにはなると思います。そうなるのを待ちながら、アホアホ論を振り舞くネトウヨ系言論人たちについては、引き続き、可視化をしていきたいと思います。アホアホ論を振りまいているバカについては、しっかり干されるまで責任を取ってもらおうとは思っています。

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