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【選挙ウォッチャー】 日本にファシズムの芽を広める愚かな男たち。

「ファシズム」とは、「独裁的な権力主義」のことです。言ってしまえば、「王様ゲーム」のもっと過激なヤツで、「3番と4番がキスをする」みたいな話ではなく、「3番が4番を銃で殺す」みたいな命令も簡単にできる世界です。生理的に受けつけられないキモいオッサンとキスをするのも耐えがたいかもしれませんが、もっと耐えがたい話が平気で突きつけられるようになる。「ファシズム」と言うと、ドイツのヒトラーを思い浮かべる人が多いかもしれませんが、戦時中の日本はまさに「ファシズム」そのもので、子どもたちが強制的に兵役に取られ、ヒロポンをいただき、目をギンギンにしながら「天皇陛下万歳!」と言って敵国の戦艦にぶつかって死んだ、どこからどう見ても気が狂っているとしか思えない世界は「ファシズム」の結果、生まれたものです。この命を投げ出して体当たりする戦法に世界中が驚いたんだと自慢げに話すアホのネトウヨもいますが、そりゃ驚くに決まっています。だって、キチガイですから。ファシズムに抵抗する人は「非国民」とされ、密告されたら殺される世界。最近まで北朝鮮が「ファシズム」の世界になっていましたが、「ファシズム」の恐ろしいところは、戦時中の日本が何でもかんでも天皇陛下が指示していたわけではなく、「天皇陛下の言うことは絶対だ」と言いながら、天皇陛下を利用する人間たちが国民を自由に動かせる喜びを感じていたということです。「天皇陛下の命令に逆らうのか」と言えば、一般人ですら同等の権利を得られたわけです。世のクソ野郎にとっては、これこそ最高の喜び、実現したい世界かもしれません。

世の中にはいろいろな政治思想があり、それこそ「左翼」だの「右翼」だの言われているわけですが、どんな政治思想も尊重される中、唯一、ファシズムだけは認められていません。「人類が平等であるために共産主義を取り入れよう」とか「すべての規制を取り払って新自由主義経済を実現しよう」とか、どれだけバランスの取れていない過激な政治思想を持っていても「アイツ、過激すぎじゃね?」で終わる話が、「ファシズムを取り入れよう!」と言った瞬間、世界中から叩かれることになる。それは全世界の人々のトラウマとして「ファシズム」は最低最悪であると刻まれているからです。どんな過激な思想を展開しようと、「ファシズム」だけには正義がないのです。しかし、それを知ってか知らずか、世の中に「ファシズム」を広めようとするバカタレが登場してしまいました。それが「プラントハンター」を自称する西畠清順さんです。西畠清順さんは、昨年のクリスマスの時に樹齢150年の「あすなろの木」を伐採してきて、神戸のメリケンパークに「世界一のクリスマスツリー」とハッタリをかまして展示した人物です。めちゃくちゃ大きな木なので、世界一の高さかと思いきや、実際にはもっと高いクリスマスツリーが存在していたため、メッセージを書けるオーナメントを販売し、そのオーナメントの数で世界一を目指そうと言い出したのです。しかし、それではただオーナメントを販売したいだけのオジサンであり、「そんな自分勝手な理由で樹齢150年の大木を切ってくるなんて頭イカれとんのかいな!」という批判が殺到すると、今度は「阪神大震災で亡くなった方々への鎮魂だ」と言い出し、いかにも後付けっぽい理由に「オマエみたいな者に鎮魂されたくないわ!」と怒る人が続出し、大騒動に発展。西畠清順さんは「人の心を土足で踏みつけるヤツ」として、あの時に認識されるようになりました。あの騒動から約8ヶ月経ち、みんなが西畠清順なんていう人のことを忘れかけていた矢先、またしても人の心を土足で踏みつける出来事が起こりました。

それが「星の王子さま」に登場するバオバブの木を販売する事件です。「星の王子さま」はフランスの作家、アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの有名な作品ですが、フランスでは例外的に死後100年まで保護されているコンテンツになっています。ただし、日本では死後50年で著作権は切れるため、この「星の王子さま」は誰もが自由に使えるコンテンツになりました。それまで「星の王子さま」の演劇をやりたいという時には著作権料の相談をしなければなりませんでしたが、今は「星の王子さま」の演劇をやっても、「星の王子さま」の小説を出版し直しても、著作権料を支払わなくても良くなったのです。それはモーツァルトやベートーヴェンの曲に著作権がないのと同じで、僕がコンサートで西野カナさんの曲を歌う時には著作権が問われますが、モーツァルトの曲を演奏しても著作権が問われることがないのと同じです。ここで大切なことは、モーツァルトの曲は「みんなのもの」であって「僕のもの」ではないということです。当たり前ですが「今日からモーツァルトの曲は僕のものなので、印税をいただきます」と言い出す奴がいたら、「なんでだよ!」とツッコむに違いありません。それを踏まえた上で、このたび西畠清純さんは「星の王子さま」の著作権が切れたのをいいことに、オリジナルの「星の王子さま」を発表したのですが、このオッサンが何をぶちかましてくれたのかをよく見ていただきたいと思います。「星の王子さま」をアレンジして、ストーリーの中に自分を登場させ、「バオバブの木はみんなから嫌われて寂しかったんだ!」みたいなことを言っているわけです。世界中に大ファンがいるストーリーを、いきなりテメエが出てきて、めっちゃくちゃにしてくれているのです。これがどれくらい愚かな話なのかを「浦島太郎」を使って、皆さんにお見せしましょう。

むかしむかし、あるところに浦島太郎という心優しい若者がいました。浦島太郎が海岸を歩いていると、子どもたちが亀をイジメていて、浦島太郎は「亀をイジメちゃいけないよ」と子どもたちを説得し、亀を助けてあげました。・・・と、ここでお待たせしました、僕、登場!「社長、見てましたよ、亀を助けるご活躍! さすがっすね、僕に1杯オゴらせてください! うち、この近くで「竜宮城」っていうお店をやってましてね。このお時間ですと、60分飲み放題で6000円に、税・サービスでプラス25%なんですけど、うち、基本的に最初から飲み放題なんで、社長に1杯オゴらせていただくという意味で、社長に付く女の子のドリンクをフリーにしちゃいますんで、6000円に税サ25パーなんで、60分7500円なんですけど、なんですけどぉで、今日、本当にいい女の子揃ってるんですけど、この暑さじゃないですか、ここ、あんまり人歩いてないんですよ。なんで、うち、普段あんまりこういうことしないんですけど、税サ25パーカットで、6000円で。女の子のドリンクがフリーなんで、ドンペリとか入れなければ基本的に最初の60分なら絶対に6000円ポッキリで。6001円以上になったら、本当にもう警察に行ってもらって構わないんで。そこから先の延長はお客様次第ですけど。社長、乃木坂好きですか? 白石麻衣ちゃんとか。もうちょっとロリっぽい方がいいっすか? 白石麻衣ちゃん、可愛いっすよね。うち、白石麻衣ちゃん似で、ナンバーワンで、乙姫ちゃんって子がいるんですけど、これ、乃木坂好きだったら絶対間違いないっすよ。白石麻衣をGカップにした感じ。どうですか、社長!」

これはもう「浦島太郎」ではない。ただのキャッチの兄ちゃんの勧誘を文章にしたヤツです。幸いにも「浦島太郎」はCMですらパロられているので、誰も怒る人はいないんでしょうけど、このストーリーを「浦島太郎」だと言われたら、「子どもにどうやって見せるんだ、バカタレ!」という話です。さて、西畠清順さんがやっている「星の王子さま」は、世界中にファンがいるくらいに愛されている作品なんですが、西畠清順さんは一体、何をしてくれたのでしょうか。「星の王子さま」は、子どものために書かれた児童小説ということになっていますが、実際には、大人に向けて説かれた哲学の本です。星の王子さまの住んでいる星は、とても小さな星で、その星にはどこからともなくバオバブの木が生えます。バオバブの木は放置してしまうと根っこで星を破壊し、住む場所を奪ってしまう。だから、星の王子さまは普通の花なのかバオバブの木の芽なのかを見極め、バオバブだと分かったらすぐに抜くという作業を怠らず、星を壊さないように努力していたのです。著者であるサン=テグジュペリは、ファシズムを「バオバブの木」として表現しています。つまり、星に住んでいると、どこからともなくファシズムの芽が出てきてしまうので、それを見つけたらすぐに抜かなければならない。放置してしまうとファシズムに支配されて人が住めない星になってしまうというわけです。昨今の日本は、耳を澄ませばファシズムの足音が聴こえてきます。森友学園や加計学園の問題に代表されるように、総理大臣のやりたい放題が目立つ時代になってきています。官僚の人事も自由に決められ、安倍総理を守るために嘘をついた人が露骨に出世する時代になっています。しかも、総理大臣に寵愛されている杉田水脈議員が「生産性のないLGBTに税金を投じるべきではない」と言ってみたり、日本維新の会の代表である松井一郎大阪府知事が「税を納めているので生産性はある」と言ってみたり、税金を納められなくなった障害者や高齢者が、いつ迫害されるかもしれない危険な思想を覗かせています。さらには、憲法を改正する際に「緊急事態条項」を入れ、ヒトラーが悪用したドイツのワイマール憲法とまったく同じ仕組みを作り、日本でも合法的にファシズム路線を走れるようにしたいと考えているのです。麻生太郎財務大臣が「ヒトラーに見習うこともある」と発言しているように、日本ではこっそり裏側でファシズムに憧れるバカタレが存在しているということです。そう、「星の王子さま」で表現されている「バオバブの木の芽」は、既に日本のあちこちで見受けられるようになっているばかりか、それを抜こうとする国民がほとんどいないのです。そんな折、糸井重里さんと仲良しの西畠清順という人が、著作権が切れたのをいいことに、「嫌われ者のバオバブの木は寂しいんだ」と言い出し、あろうことか星の王子さまが西畠清順さんと思われるイラストの男と一緒に、バオバブの木にジョウロで水をあげている画を描き、ファシズムを世に広めるかのごとく、バオバブの木の苗を販売したのです。「星の王子さま」を愛している者であれば、誰だって知っている常識を踏みにじり、作品の中で表現されている「ファシズムを売る」という暴挙に出ているわけです。完全に気が狂っています。ファシズムを嫌う星の王子さまに何をさせてくれているんだという話です。

商品を見れば見るほど、「星の王子さま」を使う必要はなかっただろうに、わざわざ使ったところは確信犯だと思いますが、この原稿を書いている間にも炎上が止まらず、「#銀座ソニーパークださい」のハッシュタグが広がるばかりで、ソニーのイメージがどんどん落ちてしまうため、さすがのソニー企画も「販売中止にしてもらった」とプレスリリースを出し、鎮火に走ることになったのでした。


■ 選挙ウォッチャーの分析&考察

美辞麗句を並べ、無意識を装って「ファシズム」の種を広げようとした西畠清順さんや、それを応援している糸井重里さん。「星の王子さま」で言うところの「バオバブの木」が、まさに銀座ソニーパークに生えてきたという話です。放置すればこの星に住めなくなってしまうということで、無意識を装って「ファシズム」を世の中に広めようとする愚か者たちに、危機感を抱いた皆さんがTwitterに書き込んだり、電話での問い合わせるなどして、実際に引っこ抜くための行動を起こしてくださったことで、ファシズムの木が大きくなる前に消すことができました。西畠清順さんに限らず、これからさまざまな形で出てくるであろう「ファシズムの芽」を、僕たちはこれからも監視して、見つけたらすぐに抜かなければならないのだと思います。そして、これは世界的に愛されている文学作品に対する最大のテロ行為と言っても過言ではありません。こういう恥ずかしいことが次々に起こるようになってしまった「モラルの劣化」は、最も深刻な日本の闇であると言えるかもしれません。どうしてこんな社会になってしまったのかを考えましょう。[了]

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