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【選挙ウォッチャー】 南魚沼市長選2020・分析レポート。

11月8日告示、15日投開票というスケジュールで、南魚沼市長選が行われました。立候補したのは、現職の林茂男さんと、衆議院議員の黒岩宇洋さんの弟で新人の黒岩揺光さんです。黒岩宇洋さんは新潟3区の選出で、南魚沼市は新潟5区にあたるため、ここは元新潟県知事の泉田裕彦さんの地盤です。ここに前新潟県知事の米山隆一さんが立候補しようという計画もあるようですが、微妙にエリアが違うため、黒岩宇洋さんの地盤をそのまま引き継ぐようなことにはならない地域で、黒岩宇洋さんの弟であるという政治家ファミリーのブランドがどこまで通用するのかは一つの注目ポイントだと思います。

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林 茂男  53 現 2期目を目指す
黒岩 揺光 39 新 黒岩宇洋の弟

構図そのものは非常に面白いものがありました。黒岩揺光さんは、国連職員やジャーナリストなどを経験し、現在は民宿やシェアハウスの支配人をしている、変わった経歴の持ち主です。母や兄の影響もあったのか、満を持して市長選に立候補することになったものの、「何者なんだ?」という空気は否めません。一方、林茂男さんには石内丸山観光協会会長、南魚沼観光組合連合会会長など、地域のために尽くしてきたような経歴があり、南魚沼市議になってからの現職市長です。なんてったって、昔から街のために頑張ってきたイメージがあります。衆議院議員の弟という看板だけで、どこまで戦えるのか。これがこの選挙の見どころです。


■ 選挙期間中に警察機能が麻痺する異常事態

まさに今、新型コロナウイルスの第3波が全国的な広がりを見せつつあるわけですが、実はこの南魚沼市長選、新型コロナウイルスが猛威を振るってしまい、選挙どころではなくなってしまうという悲劇に見舞われました。今回の南魚沼市長選は、選挙期間中に南魚沼警察署で新型コロナウイルスのクラスターが発生してしまい、ほとんどの警察官に自宅待機が命じられるという異常事態になったのです。街から警察官が消えてしまったため、一時的に治安を守ってもらえなくなりました。こうした緊急事態を受け、林茂男市長は選挙を捨てて、新型コロナウイルス対応に専念することになりました。選挙期間中も現職は市長であるため、市長としての職務を放棄してまで選挙に明け暮れるわけにはいかないと公務に集中。選挙らしい選挙は何一つできない事態に陥ってしまったのです。


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