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【選挙ウォッチャー】 NHKから国民を守る党・動向チェック(#85)。

連日、狂った量のパンフレットが届くようになり、家族が不安を覚えるようになってしまったため、僕はしばらくの間、選挙の取材を中止し、家でひたすら原稿を書く日々を過ごすようになりました。選挙の取材をすると、電車で座れた時ぐらいしか原稿を書くタイミングがなくなり、たくさん歩き回って疲れた頃に、回らない脳味噌を一生懸命回しながら原稿を書いているのです。だから、まさに修行僧のような日々を過ごしていたわけなのですが、今は本当の意味で「自宅警備員」になり、朝から晩までフルで原稿を書く時間があるのです。1日2本ペースで「N国レポート」をお届けできる環境が整ってしまいました。なので、今日も2本の無料レポートをお届けします。


■ 高須院長との対談まとめ(ラスト)

立花孝志は、この対談の中で北海道で安倍晋三総理にヤジを飛ばして警察官に排除された問題で、「あんなの当たり前のことですからね」と言っています。つまり、立花孝志は日本が中国や北朝鮮のように「政権を批判しようものならしょっぴかれる国」であると言っているに等しいのです。僕たちは日本人として、ここが中国や北朝鮮と最も違うところだと思っていたし、警察もまた排除するに値する根拠がなかったことを認め、謝罪しているにもかかわらず、立花孝志は「当たり前」だと言いました。この危険な思想をしている人間が立花孝志であるということは、一人でも多くの方に知っていただきたいところです。そして、「法律の専門家」を自称する立花孝志は、こうも言っています。

「選挙期間中は、特別な法のもとによって、反対ということがダメなんです。言いたいことがあるんだったら自分が立候補して言うなり、自分と同じような主張をする人を応援に行けと言っているわけであって」

こいつは一体、何を言っているんでしょうか。独自解釈も甚だしいです。選挙期間中に反対することはできます。例えば、横浜市の林市長が選挙のタイミングになって、今さら「私はカジノを作りません!」なんて言ったところで「嘘つき!」とヤジを飛ばされても不思議ではありません。嘘を言っている候補者に「嘘つき!」と一言ヤジを飛ばしたぐらいで、いちいち警察に逮捕されていたら、あらゆる発言に制限がかかってしまいます。それこそ言論統制が行き届いた中国共産党や朝鮮労働党の世界です。立花孝志は日本を中国共産党や朝鮮労働党のような世界にしようとしているのでしょうか。さらに、立花孝志は「青汁王子」と呼ばれ、法人税法違反の容疑で裁判中の三崎優太氏にアプローチをかけ、今度の衆院選に「NHKから国民を守る党」から立候補させようとしているわけですが、この話をキッカケに高須院長がズバッとストレートな正論をかましていました。

立花:「この間、僕ね、ホストクラブ愛って所に初めて行きました、3日前に」

フィフィ:「今、三崎さんが働いていらっしゃいますね、はい」

立花:「あのね、やっぱりホストクラブのホストさんってスゴいですね。この間、初めて行きましたけど。いや、やっぱり社会のことをよくわかってる。いろんな人があそこに来るから。で、もうホストクラブの人が皆さん驚かれて、立花さん立花さんって来られましたけども、この人たち高額納税者なわけですよ。ホストクラブのホストは高額納税者なのに、ホストについての、あの政策なんて出てこないでしょう」

高須:「ホステスさんも同じですよ」

立花:「いや、もちろん、ホステスさんもそうでしょ。だからね、あ、そうか、こういう人たちが選挙に行かないんだ。俺たちこんなに税金払ってるのに、ね、ホストクラブの側の意見、ね、例えば1時になったら店閉めなければいけないとか、夜明けからしかできないとか、いや、そういうことを本当にね、望んでるのかと」

フィフィ:「あれ? NHKの政策って言ったら、NHKぶっ壊すで、それが、他のNHKをぶっ壊すで、それで、それ以外だったら、それ以外のことをやるってことになりますよ、そしたら?」

立花:「あのね、僕が言ってるのは、直接民主主義を広めようって言ってるんです。あのね、NHKの問題をやっている時に、それ一番感じたのは、どうして国民の半分以上がスクランブルって言っているのに、国会は100:0になるの。国会議員の多数決と国民の多数決に乖離がある。で、この乖離に合理的な理由があればいいですよ。でも、合理的な理由が見当たらないものが多すぎるので、直接民主主義をしたいっていうのが僕の考え、うちの党のね。で、どっかで僕は退かないと権力は腐敗するから、NHKのスクランブルができたら僕は政治家も辞めますよ」

フィフィ:「でも、三崎さんのたぶん政策っていうか、やりたいことって、まあ、まだ彼も全然やるなんて決めてないかもしれませんけど、そうするとホストの例えば、1時深夜営業を認めてくれとか、そういったことも結局、N国の政策になるんですか?」

立花:「ごめんなさい、違う違う違う。あの、ごめんなさいね、三崎君のことについては、彼は、いわゆる国税から、まあ逮捕されて、で、彼の話はね、僕は森友問題もすごく関心があってやってるわけですよ。森友の佐川理財局長、まあ当時、国税局になった人、国税局長の人がですよ、文書を書き換えたりしてたりして無罪放免なのに、どうして14億納税して、ね、1.8億、確かに1.8億デカいかもしれないけど、14億の納税をまったく無視して僕だけが逮捕されるのは不公平じゃないかと彼は言ってるわけですよ。それはその通りだなと。じゃあ、彼は自分の罪を認めてちゃんとやってるのに、その佐川理財局、いわゆる国税局の、ね、めちゃくちゃ頭の良い人がね」

フィフィ:「じゃあ、さっきのホストの話ではなくて、三崎さんはたぶん『財務省ぶっ壊す』って書いてありましたけど、それってことですね」

立花:「そうそうそうそう、だからそういう人をね」

フィフィ:「それで一致しているというか、ぶっ壊す系で根本的に変えたい?」

立花:「そういう人は世の中にいっぱいいるだろうなと思って。その人たちをうちの党の中から立候補してもらいたいと思ってます」

高須:「でも、直接制民主主義とあんまり関係ないですね、それは。だって、ホストの、直接民主主義だったらホストの票って、ちょっとですから。間接制に議会制民主主義だもんだから、ホストが、あの、あの、投票している代議士が出てってくれるのはいいんだけど、直接、あの、民主主義にしちゃったら、ネットでやるって言ったら、ホストの意見なんか飛んじゃいますよ

立花:「高須先生、ホストじゃなくて、ホストに来るお客さんもいるわけですよ。パチンコの従業員、だから、今ね、一方的に、その一部の人がね、こうしなさいってやってるわけじゃないですか。だ、1回国民に聞きましょうよ。だって、ホストクラブに1時以降に行きたい人、いーっぱいいるわけですよ。だって、深夜までお仕事されてる人はいっぱいいるわけだから。だから、国民の多くが1時までしか営業しない方がいいよねって言うならば、それでいいって言ってるわけです。だから、一部のその頭の良い人たち? が決めることと、国民が決めること、その一つがNHKのスクランブル放送するかしないかなんです。これは多くの中の一つに過ぎないんですね。僕が言ってるのは、だから、その、この国は民主主義国家なのか、独裁国家なのか、いわゆる一部の頭の良い人たちの独裁国家なのか、民主主義国家なのかっていうことを問いたいんです

このコメントを引き出してくれた高須先生には、本当に「ありがとう」と言いたいです。僕はこれまでずっと立花孝志が「反知性派カルト集団」だと言い続けてきました。「反知性派」とは、学問や研究、立花孝志が言うところの「頭の良い人たちの間で議論されたこと」を否定する思想のこと。立花孝志はこの国を「頭の良い人たちの独裁国家である」と考えていて、本当の民主主義だったら「頭の良くない人たちの意見も取り入れるべきじゃないか」と言っているのです。しかし、残念ながらバカに政治を任せると国が滅びます。バカの思いつきほど怖いものはなく、「お金がないならお金をいっぱい印刷すればいいじゃない!」と言ってしまい、ガチで採用してしまうからです。今、アメリカ様から大量のトウモロコシを喜んで買っているのも、韓国をイジメて喜んでいたら反撃されて面倒臭いことになり、北海道・九州・沖縄の経済が大打撃を受けているのも、言ってしまえば「バカ」だからです。しかし、もっと極限のバカに日本の政治を握ろうとしているのです。とうとうNHKのみならず、財務省までぶっ壊そうと言っている。しかも、ホストのような納税しているのに政治に参加してこなかった人たちのために直接民主主義だと言っているのだけれど、ホストのようなマイノリティーの意見を通すには直接民主主義がまったく向かないことすら理解できていない。これもまた高須院長が指摘している通りなのですが、高須院長の言っていることが理解できないから、話が全然噛み合いません。ということで、この約1時間半の討論では高須院長が終始、冷静にクリティカルな部分を突いていたはずなのですが、視聴者の約73%が立花孝志を支持する結果となり、ニコ生を見ている人がヤバいのか、それとも、日本全体がヤバくなっているのか、とにかく今の日本は深刻です。


■ 立花孝志のカルト性を引き出した高須院長

今回の高須院長と立花孝志の対談は、YouTubeのアクセス狙いのメンタリストDaiGoさんが「高須院長がフルボッコにされた」という評価を動画にしているようですが、ご覧いただいたように、高須院長は終始冷静に、立花孝志の危険な思想を的確に引き出す、パーフェクトな仕事をしてくれたと考えています。もし整形手術でこの仕事ぶりだとしたら、さぞかし美人になっただろうと思いますが、いまいち伝わっていないのがモヤモヤしてしまいます。なにしろ、高須院長がこの対談で引き出したものは、マツコ・デラックスさんを攻撃していることが理不尽であること、週刊文春で報じられた疑惑の闇が深いこと、都合が悪くなると全然関係ない「違法と犯罪の違い」を持ち出して逃げる奴であること、息を吐くようにサラリと嘘をつく奴であること、NHKをぶっ壊すというフレーズがNHK解体を意味していること、自分が違法か違法でないかのジャッジをして確定できると考えているヤバい奴であること、市民をわかっていて恫喝していたこと、直接民主主義をたいして理解していないこと、そして何より、立花孝志が反知性派カルトであること。これはもう「グッジョブ高須、YES高須クリニック!」です。立花孝志は対談の最後に、高須院長は「庶民の感情論」で、立花孝志は「法律脳」だと解説していましたが、ここまでのやり取りを見れば、高須院長の指摘が「感情論」ではないことは一目瞭然だと思います。すべてクリティカルに立花孝志の姿が炙り出されるような質問やツッコミをしているのに、終始、口から出まかせ、言うことデタラメの立花孝志が、テンションで押し切ってしまった。高須院長は「大敗なう」なんてツイートをしていたようですが、本当に負けているのでしょうか。なんか柔道のミスジャッジを見ているようです。べつに高須院長をヨイショするつもりはありませんし、ヨイショしたところでお金をもらえるわけでもありませんが、「NHKから国民を守る党」を研究し、「バカの革命」を危険視している僕としては、高須院長に「ありがとう」ぐらいは伝えたいと思います。


■ 選挙ウォッチャーの分析&考察

NHKから国民を守る党がやっていることは「バカの焼き畑農業」だと思っています。次々といろんな所に火をつけては、溢れ出すバカを支持者に変えていく手法が取られています。しかし、やっていることが基本的にバカなので、溢れ出た支持者も少しずつ離れていく。だから、また新しい所に火をつけて、また新しいバカを支持者に変えて、また離れていくを繰り返す。とにかくいろんな所に火をつけ続けることが大事だということです。しかし、この問題は今、アマゾンの森林火災ぐらいの大問題に発展している。だから、焼き畑農業をしている人間を可視化し、これが問題であることを皆さんに伝えることが大切だと思っています。

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