【選挙ウォッチャー】 松戸市長選２０２２・分析レポート。
５月２９日告示、６月５日投票で、千葉県の松戸市長選が行われました。
既に大きな話題になっていますが、なんと、この選挙には現職と新人合わせて９人が立候補。これは県内で行われる市長選としては「最多」の候補者数となりました。出馬表明の段階では１１人もいましたので、これでも少し落ち着いた方であるというのが驚きです。
さて、これほど候補者が出てきましたので、一部で囁かれていたのが「再選挙になってしまうのでは？」ということでした。それくらいに混戦になるのではないかと予想されていたので、かなり面白い選挙だったことは間違いありません。
本郷谷 健次 ７３ 現 公明・連合千葉が応援
原 裕二 ５６ 新 立憲・共産・社民・れいわ・緑の党・新社会党
山中 啓之 ４３ 新 無所属の市議が応援
川井 友則 ４６ 新 無所属の市議が応援
大谷 茂範 ４３ 新 自民系の全面バックアップ
木村 美弥子 ７０ 新 自民党を離脱して単独での戦い
石塚 裕 ４２ 新 完全なる独自の戦い
大橋 博 ６５ 新 完全なる独自の戦い
山本 太郎 ４８ 新 ＮＨＫ党（反社会的カルト集団）
松戸市は、僕が住んでいる柏市の隣の自治体で、常磐線快速で約１０分の距離です。でも、どうしても新型コロナウイルスに感染したくない僕は、すべてを車で移動しているため、松戸駅前まで３０分以上かかる上、行くたびに駐車場代が８００円かかっています。
途中、Ｎ国党の取材なんかも挟みながら、なんだかんだで何度も松戸に通った結果、全候補に会うことに成功し、かつ、地元の方々からたくさんの情報をいただきました。そのため、なかなか内容の濃いレポートが完成してしまいました。
■ 山本太郎候補の主張
Ｎ国党の山本太郎は、うっかり堀江貴文の講演会に参加し、そこで立花孝志と出会ってしまったばっかりに、ちょっと政治に興味があったこともあって、人生に大きな汚点を残すことになってしまいました。
彼が暮らす沖縄の人たちの話によれば、Ｎ国党の山本太郎は「悪い人ではない」という評判でした。実際、この松戸市長選の選挙期間中に観察していましたが、ノーマスクではあるけれど、オシャレで礼儀正しい人という印象です。
しかし、どんなに良い人であっても「反社会的カルト政党」の一員として活動してしまったことは、一生消えることのない黒歴史に変わってしまうことでしょう。Ｎ国党がどんな政党なのかをよく調べるでもなく、あんまり深く考えずに参加してしまったばっかりに、民主主義を愚弄する「犯罪者集団の一員」として活動してしまったのです。
Ｎ国党の山本太郎は、「ニセ山本太郎」なんて言われますが、実際、彼は偽物であると思います。何が偽物なのかって、それは「政治家になりたいという気持ち」です。Ｎ国党の山本太郎は、松戸市に住んでいたこともなければ、最近まで松戸市を訪れたこともなかった男です。そんな男が松戸市長になって何をするのでしょうか。ましてや、その１ヶ月後に行われる参院選にＮ国党の比例区（全国比例）で立候補することが決まっていて、最初から松戸市長になる気なんてないのです。
最初から市長になるつもりのない人間が、参院選の売名のために、あるいは、話題を作るために尊師・立花孝志の提案で立候補しているだけです。これは松戸市民に対し、あまりに失礼すぎないでしょうか。選挙をするのだって市民の血税が注ぎ込まれているわけですから、オマエらの遊びに利用される筋合いはないのです。
Ｎ国党の山本太郎にも、多少は政治に対して思うところはあったのかもしれませんが、その気持ちを尊師・立花孝志に利用され、民主主義の破壊につながっているのです。
もし、Ｎ国党の山本太郎が、本気で政治家になりたいと思い、起こっている問題について勉強をして、困っている市民に寄り添い、地道に活動する確固たる決意があるのであれば、迷わず立候補するべきでしょう。名前が「山本太郎」だからって遠慮することはありません。しかし、松戸市の問題をろくに知らず、尊師・立花孝志に言われたから立候補したと第一声で発言している時点で、Ｎ国党の山本太郎の政治に対する気持ちは「偽物」です。結果として、「れいわ新選組」の山本太郎さんにも失礼なことをしているし、日本の政治に混乱を与えただけです。
ましてや、幹事長の黒川敦彦に誘われ、綾野剛さんの所属事務所「トライストーン」での業務妨害行為にも参加し、マイクを握りました。演説では綾野剛さんやトライストーンに対して「恨みはない」なんてことを言っていましたが、恨みがない奴がマイクを握って業務妨害行為を行っている方がよっぽどヤバいです。いっそ恨みがあるなら、どうしてこんなに酷いことをしているのかという点に説明がつきますが、恨みもないのに業務妨害行為にノコノコと参加し、加担しているのです。これは、物の善悪の判断さえできないくらいのバカだと証明しているようなもの。軽蔑に値する蛮行です。
よりによって、名前が「山本太郎」であったがために、時に苦労をすることもあったかもしれませんが、このたび、Ｎ国党から立候補してしまったばっかりに、これからは「Ｎ国党の山本太郎」として一生を過ごすことになってしまいました。「山本太郎の同姓同名さん」ではなく、「Ｎ国党の」というカルトな肩書きがつくようになってしまったのです。
すべては「情弱だから」なんですが、身を助けるための書籍が存在しなかったわけではありません。この本は、尊師・立花孝志に懲役２年６ヶ月、執行猶予４年の判決が出たその日に発売されており、本の表紙にも「政党の皮を被った反社カルト」だと書き、警鐘を鳴らしています。
本当は、これ以上傷口を広げないためにも、参院選の立候補は取りやめるべきだと思いますが、そんなことは許されないでしょうから、このままカルトの一員として人生の黒歴史を刻むことになるでしょう。
実は今回、れいわ新選組の山本太郎さんとＮ国党の山本太郎がニアミスする場面がありました。選挙終盤、原裕二さんの応援に「れいわ新選組」の山本太郎さんがやって来たのですが、その聴衆の中にＮ国党の山本太郎の姿がありました。
ただ、同行していた斉藤忠行こそ写真を撮っていましたが、Ｎ国党の山本太郎はツーショットを撮るでもなく、ただ見ていただけで、松戸市議のＤＥＬＩさんと原裕二さんに挨拶をしただけで帰っていきました。あとで聞いた話では、原裕二さんには「応援しています」と言っていたようで、「だったらオマエは何のために立候補したんだよ！」という話でしかありません。
れいわ新選組の山本太郎さんとニアミスした時は、れいわ新選組のプラカードを持った熱烈な支持者が、Ｎ国党の山本太郎に物を申す場面も見られました。しかし、Ｎ国党の山本太郎が立候補してきたことは、戦略次第で「れいわ新選組」にとってプラスに転換できるのではないかと思います。
というのも、Ｎ国党の山本太郎同姓同名作戦は、かなりバズってしまったため、「れいわ新選組代表の山本太郎です」と言うだけで笑いが取れるようになってしまいました。
れいわ新選組としては「比例は、れいわ」というキャッチフレーズを流行らせたいはずですが、「山本太郎に投票したいとおっしゃる方もいらっしゃるでしょう。でも、『山本太郎』と書いてしまうと、その票はすべてＮＨＫ党に行ってしまうんですよ。だから、選挙のルールをよくご存知で、国会に行ってほしいメンバーをちゃんと選べるよって方は、その方のお名前を書いてほしいんですが、よくわからないけど、山本太郎、オマエ頑張れよって方は、間違えて『山本太郎』と書かないように、『比例は、れいわ』、平仮名３文字『れ・い・わ』と書くだけで、私たちにお力を与えていただくことができます。『比例は、れいわ』、これだけ覚えて帰ってください！」っていうだけで、より記憶してもらいやすくなるからです。Ｎ国党の山本太郎を逆手に取ったスピーチで、むしろ票を伸ばせるのではないかと思うのです。
さて、今回の松戸市長選で、Ｎ国党の山本太郎は１７３３票という悲惨な結果に終わりました。２０１８年の松戸市議選で中村典子が獲得した票が２１０４票なので、５９人から９人に選択肢が減った中でも得票数が減っているというのは深刻で、得票率が１．１％だったことも、尊師・立花孝志は崖の淵まで追い詰められた形です。ましてや、この選挙には「参政党」が出ていませんので、それで得票率が１．１％だということは絶望しか感じないような数字です。
Ｎ国党の山本太郎があまり熱心に選挙運動を展開していなかったことを考えると、尊師・立花孝志の狙いは「データ取り」だと思いますが、参院選まで１ヶ月を切ったところで得票率が１．１％。どれだけデータを取ったところで得票率２％を超えるための画期的なアイディアがあるわけでもありませんので、ただ「死の宣告」を受けただけです。もっとも、尊師・立花孝志の枕元には、既にこんな顔の死神が立っているのですが・・・。
松戸市にとっての朗報があるとすれば、６月下旬にも公示される参院選にＮ国党現職議員の中村典子が立候補するため、松戸市議会から「Ｎ国党」が消えるということです。１１月の松戸市議選を迎える頃には、Ｎ国党は完全に壊滅していると思われ、もし無所属で中村典子が立候補してきても、まず当選することはないでしょう。
今度の参院選では、芸能人のスキャンダル大暴露という「無差別テロ」を巻き起こしてから破滅しそうなＮ国党ですが、このテロに巻き込まれる芸能人たちは「被害者」です。本来なら未然に防がなければなりませんが、事件が起こるまで何もできなくなってしまっているのは、Ｎ国党に票を投じ、支えているＮ国信者が今もいるからです。先日の春日部市議選では２年ぶりの当選を果たし、先日の野田市議選では「つばさの党」が当選を果たしているぐらいに、愚かな有権者がＮ国党に力を与えているのです。
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