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【選挙ウォッチャー】 茨城県議選2022・美浦村&阿見町選挙区レポート。

 12月2日告示、12月11日投票で、茨城県議選が行われました。
 この「美浦村・阿見町選挙区」では、今年で9期目を目指す79歳の自民党の大ベテラン爺さんに対し、27歳と若さのある立憲民主党の苦労人が戦いを挑みました。
 そもそも茨城県議選は、来年4月の統一地方選に向け、一つの指標となり得る重要な選挙です。岸田政権の支持率がジワジワと低下する中、自民党にどれくらいの逆風が吹いているのかを知るのに、茨城県議選はとても重要です。取手市選挙区と合わせ、この「美浦村・阿見町選挙区」は、一つのバロメーターとして使えるため、単品で買ってでも読んでおいた方が良いという選挙区になります。

葉梨 衛 79 現 自民公認・公明推薦
落合 剛 27 新 立憲民主党公認

 もし、ここで立憲民主党の27歳がジャイアントキリングを成し遂げるようなことがあれば、来年4月の統一地方選で、自民党は相当な苦戦をすると予想されます。逆に、ここでも79歳の自民党の爺さんが勝つようなら、なんだかんだ言っても自民党は安泰だと言うことになり、来年4月の統一地方選が全然怖くなくなります。
 水戸市、筑西市に続き、立憲民主党の3議席目の獲得なるか。今回、立憲民主党は全部で3人しか候補者を擁立していませんが、落合剛さんが勝つかどうかは、立憲民主党にとっても非常に重要です。


■ 葉梨衛候補の主張

 葉梨衛さんは、今年で9期目を目指す大ベテランです。
 地元の人の話では「法務大臣は死刑のハンコを押すだけの地味な仕事」でお馴染みになってしまった葉梨康弘(元法務大臣)の親族だといい、今回の県議選では「失言の影響」が心配されていました。
 選挙区となっている阿見町は「阿見プレミアムアウトレット」がある場所で、美浦村は競馬の調教をするトレセンがあるところです。地元の企業をゴリッとまとめている重鎮なので、出陣式には「土地改良政治連盟」などの旗がひしめいていました。政策として具体的に何をするということはなくても利権のために頑張るオジサンであり、今さら立憲民主党の若造が県議になったところで、地元企業は干上がってしまいますので、何としても勝たなければならないという意味で、自民党の結束は固かったのではないかと思われます。
 これまで8期やってきたということは、32年も県議をしてきたということになりますので、一世代分ぐらいの仕事をしてきたわけですが、御年79歳になっても立候補し、かつ、今日の今日まで保守分裂に巻き込まれるようなこともなく、前回もしっかり無投票当選。2014年に選挙が成立したのは、日本維新の会が候補者を擁立してきたからで、自民党の内部分裂のようなことは起こっていません。つまり、重鎮・オブ・重鎮です。この爺さんを倒すのは、なかなか容易なことではありません。


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