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【選挙ウォッチャー】 八千代市長選2021・分析レポート。

5月16日告示、5月23日投開票で、千葉県の八千代市長選が行われました。この選挙には、自民・公明・立憲推薦の現職に、市民派の新人2人が挑む戦いとなったわけですが、和光市や日光市とは異なり、圧倒的な組織力の違いで、現職が順当に勝利しました。もちろん、時期的なこともあり、この八千代市長選は10月の衆院選を見据えた選挙になっていて、千葉2区から立候補する候補者たちが前哨戦の意味合いを持って激突したのですが、ここは一つの結果が出ました。

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服部 友則 63 現 自民・公明・立憲推薦
高山 敏朗 49 新 市民派(旧民主党系)
桜井 美徳 68 新 市民派(共産・新社会党系)

八千代市は、他の自治体と同じように「ワクチン予約」で混乱している自治体の一つです。市長が有能なところはワクチン接種もスムーズですが、市長が有能でないところはワクチンで混乱が起きることがわかっています。そういう観点から言えば、服部友則市長は有能な市長とは言えないのですが、有能な市長なんて全体の数%しかいないので、多くは無能です。これは高山敏朗さんや桜井美徳さんが市長になっても解決しないかもしれないので、そう簡単に選挙で変わるものでもないのですが、やっぱり市長という仕事は能力の高い人にやってほしいと思わずにはいられません。


■ 桜井美徳候補の主張

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桜井美徳さんは、1700万円の市長報酬を半分にすることを宣言して、学校の統廃合計画を見直し、すべての市民に無料でPCR検査を受けられるようにすることを公約に掲げている共産党っぽいけど共産党ではない市民派のオジサンです。いかにも市民活動に参加してきたタイプの爺さん婆さんが集まって桜井美徳さんを応援していたのですが、この手の候補は言っていることは真っ当なのに全然票が取れません。もちろん、理由は「共産党っぽいから」です。日頃からネトウヨたちがネガティブキャンペーンを繰り返しているせいで、その主張は最も一番まともなのに、政策や公約に関係なく勝てないのです。

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八千代市の新型コロナウイルスの感染者は、県内でも6位の多さで、市民生活や経営者に厳しい状況が続いていると主張。新型コロナウイルスに対する無料PCR検査の拡充が、家族や店などで感染者を増やさないための第一歩だということで、市が取り組むべきことだと主張しています。また、入院などによって収入減となってしまい、生活に困窮する人には支援をしなければならないという、めちゃくちゃ当たり前の主張をしています。めちゃくちゃ当たり前なのに、そのめちゃくちゃ当たり前の公約を掲げている候補が桜井美徳さんしかいないという地獄。さらに、高校生までの医療費を無料にするということも公約に掲げています。これも非常に重要です。というのは、日本政府は今、ワクチン戦略一辺倒となっていますが、ワクチン接種が認められるのは18歳以上です。つまり、高校生以下の未成年たちは新型コロナウイルスに無防備であり、変異株は子供に感染しやすいという特徴もあるのです。「LONG COVID」と呼ばれる深刻な後遺症も懸念される中で、高校生以下の子供たちへの手厚いコロナ対策(医療費の無償化)は、どの自治体でも必要になることでしょう。しかし、これを主張しているのも桜井美徳さんぐらいしかいません。いかにも共産党っぽいジジィなので、無条件で否定されている面があるのですが、どこからどう見ても言っていることはまともなのです。

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最終日の夜は、京成勝田台駅の南口から桃太郎(練り歩き)をしてアピールしていたのですが、ざっくり30人ぐらい参加していました。参加者は、市民活動に熱心な爺さん婆さんばっかりだったのですが、そういう所も共産党っぽいという理由で嫌われてしまった理由の一つだと思います。

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誰も桜井美徳さんのホームページなんてチェックすることはないと思いますが、実は、しっかりとグラフを使って国民健康保険料や介護保険料がどんどん値上がり、市民の生活を圧迫していることを伝えています。これを下げるだけで、どれだけの人の生活が助かるのか。こうしたお金は100億円(実際にはもっと膨れ上がるとみられる)かかると言われる市庁舎の建て直しを見直し、緊急減災防災事業債を活用し、経費を7割削減することで実現できるというのが桜井美徳さんの考えです。この意見も検討するに値するものだと思いますが、誰も話を聞きません。理由は「共産党っぽいから」です。


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